12月29日(水):2025年のヒット商品要素、「顧客との長い関係」②

昨日は2025年のヒット商品の要素から「顧客との長い関係」について記しましたが、本日はその続きです。

サブスクリプションのところでも触れたように、これは単なる課金形態だけの問題ではなく、ポイントは提供価値を漸増させられるかどうかの観点ですね。

フィットネスクラブでそこを志向していこうとすれば必然的にソフトやヒューマンの要素にフォーカスすることになるし、マネジメントも含めた運営力が大事になる旨に言及しました。

この点は今後の向き合っていくべき課題であって、そこを直視しないとコロナ以後でフィットネスクラブを再興していく本質が見えなくなると思っています。

私たちはコロナ以前からそこに対する問題意識は抱いていて、6年前から小型クラブを通じてそこへの取り組みを進めている途上です。

自分たちのアプローチでいえば「ダウンサイジング」や「スクール制」、「スモールグループ」の活用をはじめ、「アルバイトスタッフではなく正社員中心の運営」など、従来の問題点を裏返すことで新たな形を模索してきました。

それによって現場でのお客様への提供価値を高めたり、全てのお客様を個別に捉えて関係性を深めることには手応えを得ています。

一昨日のブログで触れた「売り手」と「買い手」の顔が見える関係になったと言えるし、その先では更にお客様と一緒にクラブを創っていく「共創」のステージもおぼろげながらに見えてきました。

「顧客との長い関係」を志向するなか、種々の取り組みを通じて私たちなりの道筋は作ることができたと思っています。

ただ、それを大型クラブでそのまま実現しようとすると、これは難しい部分があるのも事実です。

では、どうやってそれを大型クラブへ応用、敷衍していくのか、ですね。

これは大きい分だけ一筋縄ではいきませんが、やっていくべきことは以下のようなイメージです。

・小型クラブのエッセンスを取り込む

・仕組み、オペレーションの改善

・複雑系を前提にした現場モデルの確立(戦術的ピリオダイゼーション)

・商品力を漸増させるための継続的な研修

・小さなコミュニティの集合体にする

・提供価値を複数にする(専門店の集合体)

・つながり方をゆるやかな形にする

・地域でのシンボリックな存在になる

などなど。

当然ながら一度に全方位的に進めるのは無理があるので、ターゲットを絞りながらそれを進めていくしかありません。

こういったものに取り組んでいくクラブの5年後と従来の延長線上でやっていくクラブの5年後では、外形的には同じフィットネスクラブでも、その中身は似て非なるものになっているはずです。

いずれにせよ、前述したように課題を直視しないと本質が見えなくなるので、そこを捉えた運営に転換していければ良いと思っています。

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