見出し画像

4月17日(日):フィットネスクラブ・マネジメント技能検定 インターミディエイト第4章解説④

現在は「フィットネスクラブマネジメント公式テキスト」の最新版「Vol3」のインターミディエイト(中級)、第4章「営業管理」についての解説を進めています。

前回は1節の「販売管理」における見学や体験で入会につなげるための「館内セールス」を解説しましたが、今回は既存の会員様に向けた会費外のセールスについて補足をしたいと思います。

以下、該当箇所のテキストの文面です。

-------------------------------------------------------------------------------------

⑤会費外売上のセールス
クラブ内の既存会員に対して行うのが会費外売上のセールスになる。

具体的な項目は先に挙げた①~⑥(①ショップ販売、②サービス販売、③手数料、④スクール、⑤イベント、⑥その他)がそれにあたる。

物販、催事販売の場合は多くの方に認知してもらうことで購入してもらいやすくなる。そのため認知してもらうためのフェイスの拡大など、現場における売場作りは重要になる。

また最近ではデジタルサイネージを導入しているクラブも多いため、館内で商品案内の動画を流したり、クラブで開設しているSNSの公式アカウントなどで既存のお客様向けに動画配信でご案内することも効果的である。

続いてパーソナルトレーニングなどの有料プログラムの場合、形の伴わないサービス役務のため、まずは体験をしてもらい、サービスの良さを実感してもらうことで購入につながりやすい。

そのため購入に向けたフロントエンドとして体験の場を設け、そのセッションを通じてバックエンドの有料プログラムを購入してもらう流れを作ると良い。

課金の形態は都度利用、回数券、月会費のオプションなど様々な形があるが、リピート率を高めるには回数券やオプションなどにしていくと、一定期間の利用で成果も出しやすく、売上もマネジメントしやすい。

なお、ここで理解をしてほしいことのひとつは今日のフィットネスクラブ運営においてスタッフ全員にセールスマインドが求められている点である。

セールスとは狭義でいえば入会してもらうことや物品を購入してもらうことに当たるが、広義のセールスとはお客様に対して価値の提案、魅力の伝達をすることに他ならない。

例えば既存会員は継続に対しては毎月のように月会費をお支払い頂いている。

つまりは毎月、月会費を支払うことで再購入の連続をしていると捉えることができる。

その再購入が途絶えた瞬間が退会だとすれば、既存会員にもその都度で再購入したいと思ってもらえるような価値の提案、魅力の伝達をしていくことも広義のセールスに当たる。

そのことを考えれば、既存会員に対しての積極的な情報発信をはじめ、新たな楽しみ方を提案することもセールスであり、スタッフ全員でそのようなセールスマインドを醸成していけると望ましい。

-------------------------------------------------------------------------------------

まずテキストの中に出てきたフロントエンド、バックエンドについての補足です。

フロントエンドは人を集めるための呼び水になる商品やサービスに当たり、バックエンドはクラブが本当にお客様に購入をしてもらいたい商品やサービスです。

前者に関してはあくまでもバックエンドにつなげるための位置づけなので、ここは無料や安価で提供するのが一般的であるのに対し、バックエンドはしっかりと利益が確保できるものにしておく必要があります。

テキストではセールスの枠組みや大型クラブを念頭においた施策について触れていますが、ここは現場のトレーナーの如何によって顧客創造のありようは大きく変わります。

パーソナルトレーニング等の有料プログラム受講率は大型クラブだと一般的に3~5%、比較的多いクラブでも7%程度に留まります。

一方で自社の小型クラブであれば有料プログラムの受講率は30~35%、多いクラブでは40%にも達する水準です。

何がそれを分かつ要素なのかといえば日常におけるお客様との個別接点、関係性の深さ、お客様の把握と身体に対する「不」の拾い上げ、それに対する解決の提案ができているかどうか、といったことです。

トレーナーの仕事、価値の源泉を少し違った角度から見ると、それは知識格差、技術格差によるものだと捉えることができます。

つまりトレーナーは知っているけれどもお客様は知らないこと、トレーナーはできるけれどもお客様はできないこと、それら知識や技術をトレーナー側からお客様側へと移転すること、伝えることでの成果の提供、問題解決によって価値が生じます。

だからお客様の身体をより良くするための価値提案はトレーナーとして本来やるべき大事な仕事です。

セールスに対しては「売らなければいけない」「苦手だな」といった印象を抱くトレーナーも多いですが、まずは先に触れたような点を前提として理解しておくのが良いと思います。



宜しければサポートお願い致します!