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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論612」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第19号(2005.7.25発行)「男性専用小規模サーキットクラブ・カッツ創始者ジョン・ジェナロに訊く」3~※名称等は当時、一部文章省略

ー女性専用のカッツは、男性専用のカッツとどのような共通点があり、またどのような違いあるのでしょうか。

ジョン・ジェナロ
:女性専用カッツは、男性専用のカッツ同様に私がデザインした16のサーキット・ステーションで構成されています。8つの油圧式マシンと、8つのカーディオマシンで構成されており、カーディオマシンにはエリプティカルマシンやグループエクササイズバイクなどを採用しています。これらのカーディオマシンが我々の差別化ポイントであり、これにより強度の高いエクササイズも提供することが可能となります。メンバーは40秒ごとに次のステーションに移動し、このサーキットを3周します。女性専用のカッツは、「トレーディング・スペース」というテレビ番組のチーフ・デザイナーの一人ローラ・デイを起用しました。内装には鏡、ダークな木目のフローリング、シャンデリア、フラットスクリーンのテレビ、ボーズ社のサウンドシステムなどを使い、クラブの経験価値を高めています。これも競合クラブと差別化している部分です。

ー女性専用カッツに対するマーケットの反応はどうですか?

ジョン・ジェナロ
:対応しきれないほどの大きな反応が返ってきています。最初の3週間で500もの問い合わせを受けました。

ーどのような成長を見込んでいますか?

ジョン・ジェナロ
:女性専用カッツの成長は、国内・海外ともに男性専用カッツの成長をなぞる形になるではないかと考えています。女性専用のマーケットでも年末までに250以上のフランチャイズ店を展開できると確信しています。

ー男性専用、女性専用の次は子供専用が考えられると思いますが、カッツ・フィットネス・フォー・キッズを立ち上げられる予定はないのですか?

ジョン・ジェナロ
:実は、キッズ専用カッツについても検討を重ねてきてきます。既にリサーチも終え、フランチャイズ・パッケージも開発済みです。しかしながら、まだ展開をスタートする決断は下していません。今すぐに取り組む予定はありません。

ー忙しい人をターゲットした小規模サーキットクラブの広がりはここ最近の現象です。このカテゴリーは今後、長期的にどうなっていくとお考えですか?数年前、町にフローズン・ヨーグルトの店が溢れた時期がありましたが、今ではそのほとんどが消えてしまいました。小規模サーキットクラブの隆盛は一過性の現象でしょうか、それとも今後も長く残る業態だと思いますか。

ジョン・ジェナロ
:今後も長く残るものだと信じています。しかしながら、同時に、現在このカテゴリーで成功しているチェーンが今後もこのマーケットを占有していくとも思います。つまりこのマーケットに今後、新しいプレーヤーが入ってくることはあまりないだろうと予想しています。新興の女性専用の小規模クラブチェーンの中には既に売りに出されているものもあると聞いています。これが良い前兆なのか悪い前兆なのかは分かりません。今後、このカテゴリー内での再編はあると思いますが、大きな新規参入はないだろうと見ています。

~ここまで~

記事を改めて読み進めながら、このチェーンは厳しい結果になったのではないかと予想していましたが、WEB検索をしてみるとやはり該当のHPドメインは現在、存在しておらず、恐らく事業継続されていない可能性が高いと思われます。

これが急速なフランチャイズ・チェーン展開の恐いところで、今となっては理由が分かる情報がないものの、国内・海外そして男性専用・女性専用とマーケットが異なる店舗網の構築は一度、逆回転が掛かると制御しきれなかったのではないかと推測されます。

最後のフローズン・ヨーグルトの話が該当してしまったことは歴史の皮肉と言えるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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