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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論460」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第9号(2003.11.25発行)「シェイプス30はカーヴスを超えられるか」2~※名称等は当時、一部文章省略

ベイビニ兄弟はカーヴスやその創始者であるギャリー・ヘヴィン氏を尊敬し、カーヴスのフランチャイズ権を買うことも考えたこともあった。
しかし、企業家精神が勝り、独自でより優れたコンセプトを作り出すことに挑戦することにした。
ベイビニ兄弟は直営していたジムでの経験と、カーヴスや類似チェーンの分析を通じて、より効果的、効率的で収益性の高いビジネスモデルが確立できるという自信を深めた。
ワールドジムではメンバーの68%が女性であり、そこで現在のシェイプス30のプログラムの原型となる「ボディーゾーン」を作った。
これは12週間のプログラムで18ステーションのMETAFITマシンを利用したサーキットトレーニングと、パーソナルトレーニング、カスタマイズされた栄養プラン、行動修正のためのワークショップ、カーディオトレーニングデイなど女性が最も望む、効果的なウェイトマネジメントを提供するものである。

シェイプス30ではこのプログラムでカーヴスとの差別化を図ろうとしている。
カーヴスの方式では、既にプログラムされた30分間のサーキットトレーニングが、録音された曲とインストラクターの声に合わせてシンプルかつ直線的に進められていく。
シェイプス30では、そのワンランク上のサービスや、より充実した栄養指導も選択できるようにしているのである。

シェイプス30では有料の「シェイプゾーンプログラム」としてこれが受けられる。
シェイプス30は、入会金149ドル、月会費39ドル(年契約の場合、月あたり29ドル)で、通常の施設利用ができるが、さらに月あたり30~50ドルの会費を支払うことでシェイプゾーンのプログラムに参加することができる。
クラブにとっては会費収入が上がるだけでなくプロテインシェイクやサプリメントの販売増が見込めるため、会費外収入も高められる。
これにより、シェイプス30では、年間25万ドル(3000万円)の売上高、利益率50~60%が見込めるという。
現実に同本社近くのクラブでは、会員数500名でこの売上高を達成させている。

ワールドジムのCEOもこのモデルの将来性とベイビニ兄弟の能力を評価し、今後ワールドジムの300のフランチャイジーに、このシェイプス30の機会も紹介しようと考えている。
カーヴスが現在と同じペースで展開を続けても、まだ他社の成長余地があると言われる女性市場でシェイプス30がどこまで大きく成長を遂げるかが注目されている。

~ここまで~

シェイプス30について、記事以降、スケールしたというニュースは記憶になく、また検索してみたところ、ヒットするような企業・クラブは見当たりませんでした。

一時期、国内で同社名で活動した企業もあったようですが、現在は経営統合し、クラブ名も残っておりません。

これらの調査から恐らくスケール化することなく収束していったのではないかと推測されます。

記載されているコンセプトはサーキットジムの弱点を補う内容であり、悪くないと思いますが、何故、広がりを欠いたか自分なりに分析してみるのも歴史から学ぶのに有益だと思われます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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