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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論860」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第43号(2009.7.25発行)「スポーツ化するゲーム、ゲーム化するスポーツ」3~※名称等は当時、一部文章省略

カジュアルスポーツ領域を狙え

本報告書をまとめたスポーツ健康産業団体連合会は下記の提言をしている。

スポーツ健康産業はこれまで、「より速く・より高く・より強く」という姿勢でスポーツに取り組む「競技指向」の消費者を主な対象として、商品サービスを開発・提供してきた。
しかし、消費者は「競技指向」だけでなく、「遊び指向」「健康指向」というスポーツの基本的なニーズを持っていることが分かった。

言い換えれば、「もっと楽しく」「もっと気軽に」「もっと簡単に」「もっと健康的に」というニーズであり、それに応えたのが、Wii SportsやWii Fit等のスポーツ化したゲームである。

ゲーム業界にスポーツ化したゲームが登場する一方、スポーツ健康産業でも新たな商品としてゲーム化したスポーツが人気を集めている。
少人数で遊べるフットサルや3オン3、オートテニス等、気軽にスポーツが楽しめる「ラウンドワン」(大阪府堺市)は、全国に施設を展開し、業績を伸ばしている。

このように、ゲーム産業から「スポーツ化したゲーム」、スポーツ健康産業から「ゲーム化したスポーツ」が送り出されている新たなスポーツの領域を、「カジュアルスポーツ」と呼ぶことができるかもしれない。

「カジュアルスポーツ」の市場確立に向けて、スポーツ健康産業界の進むべき方向性を定め、計画的・継続的なプロモーション活動をすることが重要と考えられる。
そのことはスポーツやフィットネス業界とゲーム業界双方の発展に繋がるものと考えられる。

~ここまで~

ゲーム産業からの「スポーツ化したゲーム」、スポーツ健康産業からの「ゲーム化したスポーツ」という「カジュアルスポーツ」領域は、記事の時代から確実に裾野が広がったと言えるでしょう。

ただ、それがフィットネスクラブ業界と有機的につながったかと言えば、そはならなかった現実があります。
残念ながら、現在もフィットネスクラブに通う3%前後の方々は、(必ずしも競技指向ではありませんが)運動やトレーニングが好き、得意な人が多く、「カジュアルスポーツ」を指向する顧客層とはギャップが存在します。

以前、親会社のリソースを活かしてコナミスポーツさんがゲーム機能を有したトレーニングマシンを開発したことがありますが、広がることはありませんでした。

また、アリーナを有するクラブが「ニュースポーツ」と言われるような「カジュアルスポーツ」を導入しても、集客がままならず、定番化することが無かったように、上手く取り込めなかったと現時点での歴史的評価になると思います。

今後も「カジュアルスポーツ」領域は広がっていくことが予想されますので、先々の歴史的評価では上手く融合することができたとなるよう、業界各社におけるライトユーザーへの適切・的確な対応がなされることを望んでおります。

お読みいただきありがとうございました。

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