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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論838」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第40号(2009.1.25発行)「上海フィットネスビジネス視察研修ツアー報告」~※名称等は当時、一部文章省略

IHRSAアジア・パシフィックフォーラムが2008年11月4日(木)~9日(日)にかけて上海で開催され、現地の5クラブを視察した。
上海のクラブ事情を報告する。

上海のクラブ視察は6年ぶり。
前回2002年の時点では、上海から中国本土への第一歩を踏み出そうとする欧米や台湾のチェーンクラブが活気を呈していたが、今回は、現地法人のクラブが大きく業績を伸ばしてきていることが最も印象的だった。

6年前は、中国から見れば「外資系」のチェーンが市場を作っていた。
その時、視察したのは米国24アワーフィットネスを親会社に持つ「カルフォルニアフィットネス」、英国から始まり世界的展開を進める「フィットネスファースト」、当時台湾の最大手チェーンだった「アレキサンダークラブ」。
現地法人のクラブとしては唯一「フィジカルレディース」を訪れた。

だが、今回2008年11月の時点では、「カルフォルニアフィットネス」の上海の店舗数は1店舗と6年前と変わらず。
「フィットネスファースト」は撤退。
「アレキサンダークラブ」は倒産と、外国勢が苦戦する一方で、現地クラブ運営企業は増え、また成長していた。

上海市場は不動産市況が不安定で、数年ごとに家賃が簡単に引き上げられてしまうことも少なくないようだ。
フィットネスファーストの撤退も、テナントで入っていたビルの家賃が大きく引き上げられたことが原因。
また、中国のビジネス慣習に精通していなければ、初期費用もランニング費用も現地企業に比べて高くなり、競争力を保ちにくいということもあるだろう。
今後も中国市場は、中国の現地法人の手で育てられていくことが予想される。

アジア・パシフィックフォーラムでのCEOパネルディスカッションでも、パネリスト4人のうち3人は中国人で、会場で聞いていた中国人のクラブ運営者からも数多くの質問が出された。
従来のパネルディスカッションでは欧米出身チェーンのクラブ運営幹部がパネリストになっていたが、今回、中国人同士で行われる活発な情報交換がなされ、力を合わせてこの産業を伸ばそうとする熱意が伝わってきた。
中国にもフィットネスビジネスは確実に根付きつつある。

~ここまで~

中国のフィットネス事情は、情報が入りづらい為、このような視察ツアーの報告によりその一端を知ることができます。

経済的余裕と参加率の関係から、経済発展とフィットネス市場の拡大は連動することが多く、現在は当時より成長していると推測されますが、(中国から見た)外資系クラブによる積極展開の情報はあまり聞きませんので、やはり商習慣への適応が難しいなど進出のハードルは引き続き高いのではないかと思われます。

お読みいただきありがとうございました。

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