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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論572」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第16号(2005.1.25発行)「会員定着率が高いクラブ、10の特徴」3~※名称等は当時、一部文章省略

6.定期的に再投資をしている
定期的に再投資をしているクラブは、していないクラブよりも定着率が高い。
IHRSAの調査では、施設への再投資と定着率には常に関係があることが示されている。
さらに再投資したことを会員にきちんと知らせることも重要である。
クラブの中には再投資をし続けているにも関わらず、それを十分に会員に告知していないクラブも多い。
会員はクラブが頻繁にクラブを改善していることに好印象を持つ。
再投資をすることはもちろん、それは宣伝することも会員定着に効果を及ぼす。

7.足元商圏の参加率が高い
地理的にクラブの近くに住んでいる会員は、遠くに住んでいる会員や、勤務先が遠い会員よりも会員定着率が高い。
例えば、クラブから1マイル(1.6㎞)以内に住んでいる会員は、クラブから4~5マイルも離れたところに家や勤務先がある会員より明らかに退会率が低いのである。

入会要因の中でも、一般的に「便利さ」は、金額やその他の要因よりも重要なポイントとなる。
クラブの近くに住んでいる会員は、競合クラブから最も引き抜かれにくい会員である。
クラブにとって「足元商圏」のマーケティングを強化することは、会員獲得と会員定着という2つの強みを享受することに繋がる。

8.入会初期の利用頻度が高い
入会初期に頻繁にクラブを利用した会員の定着率は高い。
入会後の数ヶ月間、毎月少なくとも4~5回来た会員は、来なかった会員より会員定着率が高い。
これは、新規会員にとって、入会初期をどのように過ごすかが在籍期間に大きな影響を与えることを示している。

このレポートで頻繁に言及していることだが、会員には入会してから最低2年目までは利用を継続するように絶えずインセンティブを与え続けることが重要であり、これは業界としても取り組まなければならない課題となっている。

9.在籍期間が長いメンバーが多い
一般的に在籍期間が長くなるほど、その会員が退会する可能性は減少していく。
開業して2年以上経過したクラブで、初期定着策を適切に行っているクラブは、2年目の退会率は1年目よりも低くなる。

10.年一括払いの会員が少ない
年一括払いの会員は、月払い会員よりも契約を更新する確率が低い。
バークレーにあるカルフォルニア州立大学の2人の経済学者、ステファノ・デラヴィンガとウルリケ・マルメンディアの研究では年一括払いをした会員よりも、月払い会員の方が、次の1年間継続する割合が12.5%も高かった。
これは、月払い会員は年一括払い会員よりも、入会後11~12ヶ月目の利用頻度が平均で高かったこと、また年一括払いの会員は更新時に必要となる金額が高いため、継続の決断をするハードルが高く感じることが関係している。

~ここまで~

6~10の項目についても、国内のこれまでの各種データや当社実績から首肯できる内容です。

その昔、年一括払い会員は利用頻度が低く、しかも事前に纏まって支払ってくれる有難いお客様であるという誤った主張があり、取り入れているクラブも多かったですが、最近はほとんど見られなくなりました。

やはり、定着率が悪く1年経過後にドンと退会が出ることで、経営上の波となり、好ましくないことがはっきりしたからだと思います。
ネットフリックスでも休止しやすいような仕組みで、不満によって永遠に戻らないリスクを回避していると聞きます。
1ヶ月単位のサブスクが全盛の今は、なおさら年払い会員のメリットは薄れていると言えるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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