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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論876」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第44号(2009.9.25発行)「全米ナンバー1フィットネスフランチャイズーエニタイムフィットネス」3~※名称等は当時、一部文章省略

エニタイムフィットネスのビジネスモデルの特徴

人件費の低さ

エニタイムのビジネスモデルにおいて最も重要な要素は、人件費を最小化しながら、安全性とメンバーにとってのクラブの楽しみを最大化させられることである。
その鍵を握るのが、同社が採用している革新的な請求・会計システムと、安全管理システムである。
統一されたシステムは、メンバーの利用記録を残しながら、非メンバーの利用を防御できる。
同じシステムが、絶え間なく館内の監視とともに、タンニングサービスも制御しているため、人員の配置がない時間帯も安心して営業が続けられることになる。
これにより、一般的なフランチャイズビジネスでの人件費比率45%を10%に抑えることに成功している。
オーナー自身も職場に常にいる必要がなく、ライフワークバランスがビジネスプランとして確立されているのが分かる。

メンテナンスフリー

エニタイムフィットネスでは、プールの水の汚れや、サウナの臭い、託児所のバタバタを心配する必要がない。
このビジネスモデルでは、フィットネスクラブに通うメンバーが期待する内容の中でも、そのエッセンスだけに絞り込み、かつ、再投資も最小限に留められる要素に絞り込んだ。
そのうえで、付帯する設備・備品に関しては、信頼できる品質のものを可能な限り低い金額で供給できる体制を整えている。
提携する不動産企業とファイナンスサービス企業の経験豊富なスタッフが、フランチャイジー企業が堅実にビジネスをスタートして継続できるよう、全てのランニングコストの低減にも配慮している。

フランチャイジーの多店舗展開率が実証するビジネス効率

エニタイムフィットネスのフランチャイジーの56%が、複数のエニタイムクラブを展開しており、4~5クラブを展開しているケースが多い。
これは、1店当たりの投資対効果を実証する数字と言える。
1店当たりの投資対効果が高いからこそ、2店舗以降の資金もモチベーションも得られることになるからだ。

ヘイスティングス本社のサポート

ミネアポリス/セントポール(通称ツインシティ)近郊にある、エニタイムフィットネス本社には、等身大のクラブを再現したショールームと最先端の機器を備えた会議室があり、フランチャイジーのトレーニングや各種会議に活用されている。
エニタイムフィットネス本社には、フランチャイズ不動産、フランチャイズ・ファイナンシャル、エンタープライズ・インシュアランス・アドバイザーといった3つの関連会社も居を構えている。

~ここまで~

オーナーサイドの視点に立つと、上記の特徴が魅力的に映るのは至極当然にに思えます。
ただ、その根底の思想は、いかに楽をして儲けられるかということである為、同様の思考を持つ別オーナーが雨後タケノコのように湧いて出てくることは、日本でも出店の歴史が証明していると言えます。

24時間ジム業態は、国内でも2010年から展開が始まり、既に10数年が経過していること、そして同業態の別フランチャイズ企業も海外資本・国内資本問わず増えていることなどを考えると、既に飽和状態、ホットな業態でないことは、業界人であるば感じるところでしょう。

一方で、異業種企業がフランチャイジーとして、相変わらず参入意向が強いことは、本業不振からの逃避行動のように個人的には映ります。
現況では、投資額の高騰や初期集客の未達成など、当初抱いた希望を叶える環境にはない為、結局は、苦労することが目に見えているのではないでしょうか。
同じ苦労をするのなら、本当にやりたいビジネスで勝負し続ける方が幸せのような気はします。                                                                                                                                                                                                                                                    

お読みいただきありがとうございました。

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