「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論481」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第11号(2004.3.25発行)「コラボレーション」21~※名称等は当時、一部文章省略
5.コラボレーションの実際
(6)自治体・地域コミュニティなどとのコラボレーション
自治体や学校、地域コミュニティ、商店街などとのコラボレーションも各地で様々な事例が見られる。
ヴェルディは、千葉市が「生きがい対策事業」として企画した「ミニデイ銭湯事業」(市川市、四街道市など千葉県下のいくつかの自治体が中心となり実施しているデイ銭湯事業。通常はその地区にある銭湯の協力を得て実施するものだが、銭湯のない千葉市の一部地区ではフィットネスクラブにも協力を依頼した。)に協力し、休館日に市内在住の60歳以上で要介護あるいは要介護状態に陥ることを予防する必要のある方々に対してクラブを解放し、2時間たっぷり健康相談~体操~入浴を楽しんで貰っている。
定員を25名としているが、毎回いっぱいになるという。
完全に採算を度外視した取り組みであるが、市からの要請を受け入れた理由をM社長は次のように語る。
「私たちは地域の皆さんの生涯を通じたウェルネス活動をサポートするという企業理念を持っています。ただ単に金儲けだけしていればいいという考え方を私は好ましく思いません。やはり私たちはみんな社会とのつながりの中で生き、また生かされているわけですので、それを大切にするというのは当然のことと思います。この事業の他にも、個人的にNPOを通じてクラシック音楽の普及のため、コンサートの開催や音楽家の雇用創出のための活動などもしています。こうしたことは意図しなくともどこかでビジネスにも好影響を与えてくれると思います。」
社会との関わりが徐々に希薄になる中、フィットネスクラブは人間の温もりや人間同士の語らい、地域との一体感を生み出せる数少ない場所の1つとして大変貴重な役割を担っている。
同様の取り組みとして、朝、開業前に駐車場やクラブの近くの広場などを利用してインストラクターがボランティアで周辺の住民を対象に太極拳を提供するなどの活動も見られる。
この取り組みでは後々、参加者がある程度安定してきたら、その中からインストラクターの代わりを務めて貰えそうな方にリーダーをお願いし、ごく自然な形で「地域の活動」として発展させていくことができるだろう。
以前、本誌で紹介したが、アメリカでは会員と周辺住民がペットの犬を連れてクラブに集まり、インストラクターが先導し、みんなで一緒にクラブ周辺をウォーキングするという活動もしている。
~ここまで~
上記のような採算度外視の活動を実践していく為には、やはり記載企業の代表が仰っている通り、地域との共生をトップが本気で考えていることが重要だと思います。
似たような企業理念を掲げる業界企業は多数ありますが、内実、トップが売上・利益しか考えていないという会社も同様に多いことでしょう。
そのような思考から見ると、このような活動は無駄なものとして、いくら現場スタッフが提案しようとも一蹴されてしまうと思われます。
まだまだ地域との共生という視点で経営できる業界企業は少ないのが実情だと考えられます。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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