1月25日(木):パワハラ防止のための確認事項②
現在は労働施策総合推進法(通称、パワハラ防止法)の改正によって現在は中小企業にも組織内でパワーハラスメントの防止、対応に向けた整備が義務付けられています。
そこで昨日からは確認をかねてポイントを整理しており、前回は定義について記しました。
簡単に振り返るとパワハラは以下のように定義されています。
「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されること」
先の定義は3つの要件から成り立っており、それぞれの意味合いが掴みやすいように平易な言葉に置き換えると次のように表現することができます。
「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって(第1要件)」
⇒職場での役職や年齢による上下関係のもと、受け手側が「NO」を言えない状況下での言動
「業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより(第2要件)」
⇒業務上の必要性がないもの、指示や指摘などの接し方の態度や言動が逸脱しているもの
「労働者の就業環境が害されること(第3要件)」
⇒労働者が①身体的苦痛か、②精神的苦痛によって就業環境が不快になり、③さらに就業上看過できない程度の支障が生じた
※①、あるいは②によって③を招いた場合がこれにあたる
これら3要件が揃った場合はパワハラに該当します。
それに付随してパワハラに関しては6つの行為類型が示されています。
これは前述した定義の第2要件を具体化したような内容と捉えることができるでしょうか。
6つの行為類型についての詳細は次の通りです。
①身体的な攻撃
暴力を振るう、物を投げつける、相手の座る椅子を蹴るなど
②精神的な攻撃
名誉毀損、侮辱する、暴言を吐くなど
③人間関係からの切り離し
無視をする、仲間外れにする、隔離するなど
④過大な要求
多大な業務量やそれによる過度の残業、遂行不能なことの強制など
⑤過小な要求
仕事を与えない、清掃だけなど、能力や経験とかけ離れた処遇など
⑥個の侵害
私的な領域に過度に立ち入ること
「①身体的な攻撃」や「②精神的な攻撃」、「④過大な要求」は圧力的な要素が伴うためにNGな行為であることへの理解はあると思いますが、適正な評価やそれに基づく業務配分が行われていない「⑤過小な要求」や、コミュニケーションのなかで生じてしまう「⑥個の侵害」も含まれているので要注意です。
パワハラの定義の理解とあわせ、6つの行為類型として足を踏み入れてはいけないゾーンを正しく捉えておくことがパワハラ上司にならないためのスタートラインだと思います。
明日も関連の内容をつづけます。
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