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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論217」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~クラブマネジメント通巻第31号(2000.11.25発行)「定着志向のクラブ経営(GH&FCオーナー ジョー・シルリ氏)」28~※名称等は当時、一部文章省略

顧客サービス

すべてのメンバーがマシンを使う時にフィットネススタッフがいつでも一緒に付いてトレーニングのサポートをすることは不可能です。

GH&FCには400台ものマシンがありますから、またすべてのメンバーがそう思っているわけではありませんし。

メンバーの中には独りでトレーニングしたいという人もいます。

ですが、逆に「そばにいてほしい」「助けてほしい」と思っている方のほうが多いはずです。

このシステムはそういう方達のために作ったのです。

私たちは、ただフロアにマシンを置くのではなく、サーキットトレーニングのようにマシンを並べました。

ジムのSVは全体を見ていますが、3つのゾーンそれぞれにジムインストラクターが配置されています。

レッグエクステンションマシンからトライセプスマシンまで1列に9つのマシンが並んでいます。

それが4列あります。

メンバーはどの列のレッグエクステンションマシンから始めても構いません。

順にやっていくわけですが、カルテを持ってメンバーがこのラインのマシンに近づくと、すぐにインストラクターが近づいて、カルテを受け取り、メンバーに代わってシートなどの高さ調節とウェイトピンのセッティングをします。

そしてトレーニングのサポートをします。

メンバーは基本的に1つのマシンで1セット×10回をすればいいだけです。

ですから、このラインに来られた方は9つのマシンを順に移動していけばいいだけということになります。

とても楽に一通りのマシントレーニングができるわけです。

もしそのメンバーがもっとやりたいという場合は、このマシンの周りにもっとたくさんのマシンがレイアウトされていますので、そちらへ行けば自由にできることになっています。

このシステムは効率と安全性を考えて作ったのですが、結果として高い定着率の実現に大変寄与するものになりました。

~ここまで~

前回、思想とシステムの両方が必要であると述べましたが、非常に理にかなった取り組みだと思います。

多くのクラブでこれが実現できない理由は、思想で言うと、人件費的に初心者向けライン専用のトレーナーを置きたくない、置いたとしてもパート・アルバイトトレーナーのため、単なる使用方法のご案内に留まってしまうことが要因と思われます。

またシステム面でも、このようなラインを作るための設備投資をしたくないという発想があると思います。

つまり、国内の総合型フィットネスクラブ、ジムスタ型フィットネスクラブのほとんどは定着志向のジム設計ではないとこの点でも言えるでしょう。

本日もお読みいただきありがとうございます。


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