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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論875」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第44号(2009.9.25発行)「全米ナンバー1フィットネスフランチャイズーエニタイムフィットネス」2~※名称等は当時、一部文章省略

成功の秘訣

エニタイムフィットネスは生活者にとって「利便性」が何より重要であることを理解している。
忙しい生活の合間にエクササイズを行うには、いつでも自分のペースで利用でき、家や職場のすぐ近くにあり、出張先でも利用可能であることが重要である。
だからこそ、1日24時間営業で年中無休、スタッフが常駐していない時間にも利用できるようにしている。
また、一度エニタイムフィットネスの会員になれば、世界中どこの施設でも、追加料金なしで利用できる。
徹底的に会員とっての「利便性」を追求しているのである。
エニタイムフィットネスはエニウェア(どこでも)フィットネスでもあることをアピールしている。

さらに、24時間利用可能なタンニング(日焼け)設備を備え、また最新のテクノロジーを駆使することで、セキュリティ・監視設備を自動化し、スタッフを配置せずともクラブを稼働させることを可能にした。
フランチャイジーにとっては、スタッフ配置を最小限に抑えられることになる。

地域に密着したクラブ

エニタイムフィットネスは、地域に密着したクラブを目指している。
これまで大規模なフィットネスクラブが出店できなかった小さな商圏にも出店している。
クラブ会員は、クラブの半径3マイル以内に居住しているか就労している。
この「利便性」こそがエニタイムフィットネスの成長のドライバーとなっている。

~ここまで~

アバター近藤はエリアマーケティング担当で、毎月の出店クラブを地図ソフトに落とし込む業務をする中、気付いたことがあります。

それは、女性専用小型ジムのカーブスが出店しているそばに、エニタイムフィットネスが、そしてエニタイムフィットネスが出店している近隣に別の24時間ジムが、さらにそれらの駅チカにchocoZAPがという風に、徐々に競合状況が悪化している様子が見てとれます。

この状況を鑑みるに、日本のフィットネス企業で、需要予測を精緻にできる会社はほとんどなく、各フィットネスカテゴリーのトップ企業が出店している立地であれば、大丈夫だろうという安易な目論見が透けてみえます。

過去の総合型クラブ隆盛期にも、大きなマーケットであれば、近隣にさらに大きな総合型クラブを出店させるという戦略はありましたが、出店ハードルが低い上記業態が、このような出店戦略を採るとあっという間に飽和状態になると思われます。

この状況が進めば、共倒れの事態に陥る可能性すらあると考えます。                                                                                                                                                                                                                                                    

お読みいただきありがとうございました。

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