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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論857」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第42号(2009.5.25発行)「CSは自分のために(商業アドバイザー・小柳剛照)」2~※名称等は当時、一部文章省略

従業員視点がCSの基本

アンケート調査をとことん実施して、お客さまのホンネの声を収集。
そうするうち、実はお客さまは弱い立場であり、クレームも元々は理不尽なものではない、と思えるようになりました。
そういう視点に立てた時、「CSはお客さまのためではなく、自分のためである」という信念が生まれたのでした。
そこから、従来の自動車会社にはない販売スタイルが次々生まれました。

■訪問販売をしない
販売セールスを嫌う人が多いはずです。
そして、お客さまが嫌がる顔を見れば、訪問販売に歩く従業員は、仕事が嫌になってくるでしょう。
それなら、訪問販売はしないことが、お客さまにも従業員にもいいこと、と判断したものです。

■売掛はしない
自動車は高額商品。
売掛は業界の常識です。
でも、売掛OKにすると、代金をお客さまから頂いた時点で、多額の現金を手にした従業員に、出来心が起きる恐れがないとは言えません。
それなら、従業員に道を踏み外させないために、売掛はしない、と決めたものです。
たとえお客さまから「私を信用しないのか!」と怒鳴られたとしても、従業員を大切にする道を選んだものです。

■「普通」ではいけない
お客さまがアンケートで「満足」欄にチェックしていればOK。
でも「普通」欄にチェックしていたら、それは「不満」と捉えて、クレームと考える、ということです。
常に「満足」を目指していく、という精神を全社に徹底していることが、CS 向上には欠かせないのでしょう。

基本は「30S」

しかし、意外なことに、同社にはサービスマニュアルが存在しません。
それでも抜群の顧客満足度を誇る秘密は、どこにあるのでしょうか。
それはどうやら、社員教育「30S」にありそうです。

30Sとは、A社長が先頭に立って実践してきた経験則を、頭文字に「S」がつく30の言葉にまとめたものです。
とは言っても、そこに並ぶ言葉は、「整理」「整頓」「清掃」など、ありきたりのものばかりです。
でもそれを、従業員が「自分のため」という気持ちで真剣に実践してきたところに、高いCS度の完成があったのでしょう。
CSのための30S。
ここには書ききれませんので、全部知りたい方は、是非ご自身で調べてみてください。

~ここまで~

当社も、経営理念・方針については、週次会議や年次研修の中などで、定期的に確認・浸透する機会を設けているものの、記事の会社同様に細かなサービスマニュアルは存在しません。

小型クラブ業態ではトップ企業の会社から転職してきたトレーナーによれば、マニュアルにがんじがらめになっていて、それが嫌だったと言っておりました。

もちろんチェーン企業やフランチャイズ企業では、一定のサービス品質を維持するための手段として用意しているとは思いますが、それと顧客満足度が必ずしも一致しないことは、記事の事例からも明らかです。

ただ、それは完全に言動を自由にするということではなく、社員教育「30S」のような強固な経営理念・方針に則った自由であることは、理解する必要があると思います。

お読みいただきありがとうございました。

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