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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論183」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~クラブマネジメント通巻第28号(2000.5.25発行)「予算のマネジメント」20~※名称等は当時、一部文章省略

3.予算構成の実際

(3)費用予算関連

【売上高人件費率】タイプA 20% タイプB 23%

売上高に占める店舗の人件費の割合。

財務会計上、「人件費」という場合は、人に関わるすべての費用を指すが、ここでは社員、パート、フリーの給与、賞与、交通費、法定福利費、福利厚生費の総額と考える。

マッサージ業務や特別な清掃業務など専門業者にアウトソーシングしている費用は含めないものとする。

一般的にこの値は売上高が高ければ低くなり、低ければ高くなる。

実際の予算管理には、これ以外に金額(ダラー)ベースや人・時(マン・アワー)ベースの各種指標も用いられる。

金額ベースの指標で代表的なものには、人件費総額がある。

前出のモデルケースでいうと、タイプAがおよそ9,000万円程度、タイプBが7,000万円程度となる。

人・時ベースの指標で代表的なものには、全スタッフの総労働時間や、人・時当たりの売上高あるいは利益がある。

これらについてはさらに雇用形態別に比率を設定し管理する。

最近は社員より時間当たりコストの低い有期社員等を多用したり、また一部重複による無駄を省くため、勤務時間が数時間といった短時間のシフトをつくったりするクラブが多くなっている。

売上高人件費比率や人件費総額は減少傾向にある。

総労働時間に占める正社員の人数(平均6~8人)も労働時間も多くは減少傾向にある(編集部注:だが、一部には政策的に正社員の労働時間を多くしているクラブもみられる。これらには、2種類のクラブがある。1つは正社員の活用によりサービスの質を高めようというクラブであり、もう1つは、正社員のサービス残業やハードワークを前提に生産性を高めようというクラブである)。

人・時当たりの売上高あるいは利益は増加傾向にある。

つまり、生産性が向上し、コスト構造の適正化が図られてきているのである。

人件費に関しては、特に仕事を人・時に置換してマネジメントすることによって「生産性の向上」を目指そうという動きが見られる。

だが、これは店舗側の工夫だけでは実現しない。

会社という広い枠組みでの取り組みー標準的総労働時間の設定や時代に合った多様な雇用形態の開発、各雇用形態別・段階別職務要件の整備などーが不可欠である。

大手チェーン店は既に本社の人事部あるいは総務部を中心にそうした人事制度を構築・運用し始めており、成果を上げてきている。

制度は「効率」は本社が仕組みとしてつくり、「効果」は現場で追求するという基本スタンスのもとに構築・運用することがポイントである。

~ここまで~

人件費をコストと捉えるか資産と捉えるかは、古くて新しい問題と言えますが、ニューノーマル時代は二極化が鮮明になると思われます。

無人化は最たる例であり、バーチャルレッスン化によるリアルレッスン削減、非接触化によるジムトレーナー、フロントスタッフ削減などの施策を進める企業は、どちらかというとコストと見ているのでしょう。

反対に当社小型クラブは、極力固定費を軽くし、正社員中心のトレーナー力で勝負するという考えですので、この比率は上記例の遥か上を言っております。

もちろん際限なく人件費比率を高めた方が良いというわけではありませんが、動画やアプリといった安価な代替商品が益々増えていく中で、リアル店舗が有利に戦える土俵はどこかを考えると、結果はおのずと見えてくるのはないかと思います。

本日もお読みいただきありがとうございます。


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