「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論585」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第17号(2005.3.25発行)「メディカルフィットネス」2~※名称等は当時、一部文章省略
メディカルフィットネスのビジネス上の難しさ
ドクターにとっても、フィットネスクラブにとっても、メディカルフィットネスに取り組もうとする場合、それぞれに違ったビジネス上の難しさを抱えている。
ドクターが主体の場合、独自で相応の施設を備える必要があり、充実した施設を整えようとするほどコストが掛かることになる。
収入はメディカルチェックなど医科学検査による収入と、生活習慣病管理料、および患者の施設利用料が主なものとなる。
継続的な収入として考えられる生活習慣病管理料は月に1患者1回の診療報酬となっており、運動処方や栄養指導などを含んだ定期的な生活指導と、3ヶ月に1回の「療養計画書」が必要で、ドクターにとっては相応の手数が掛かるにも関わらず診療報酬の請求は指導管理料、投薬、注射、検査が包括されたもので、収入は1患者当たり月10,500~16,500円と、必ずしも好収入と言えるものではなく、従って処方しにくい。
また、患者本人にとっても1回「運動処方指示箋」を受けるごとに3,000円程度の自己負担が掛かるうえ、それをもとに自分で運動に取り組まなければならないという心理的負担が生じることから、処方として納得感が得られにくい側面がある。
ドクターが施設利用料からの収入を見込もうとするならば、充実した施設や人材、プログラムを備える必要があり、コストが嵩んでビジネス上のリスクが高まることになる。
ドクターとしては大々的な宣伝行為が許されないことから効果的な集客策も取れず、収支を合わせることが難しい。
一方、フィットネスクラブが主体の場合、「検査・評価」での医科学的なチェックや成果評価をいかに行うかに難しさがある。
フィットネスクラブでは「診察、検査、診断」といったことを行うことは許されない。
従って、この部分を高い精度で行おうとうする場合、ドクターや医科学専門家の協力が必要になる。
しかし、クラブにとって強力して貰えるドクターを見出すことは決して簡単なことではない。
ドクターによっては運動やフィットネスクラブへの理解が無かったり、運動が有効であると思っていても、適切な処方を自らするための研究や勉強の時間を持てなかったり、人に任せるとしてもトレーナーやフィットネスクラブに対して信頼が持てなかったりといった状況があるようである。
クラブ側でもドクターからの信頼を受けるには、各種評価のための相応の設備やトレーナーの育成、オペレーションの再構築が必要であり、民間企業である以上、これを、利益を出せる方法で構築していく必要がある。
メディカルフィットネスが新しい市場であることから投資対効果も計りにくく、大きな投資をすることは考えにくい。
こうした環境下で、メディカルフィットネスはどのように発展してきているのだろうか。
本稿では、フィットネスクラブを主体としたケースに焦点を絞って、その現状を探ることとする。
現在、メディカルフィットネス分野での先進クラブがいかにドクターや医科学専門家の協力を得てEBHを提供する環境を整えているのか、民間クラブとしてそれをどのようにビジネスに結び付けようとしているのかについて焦点を当てながら詳解していきたい。
~ここまで~
上記の記事を見て、何故その後、広がりが限定的だったかについて、経営面でお互い課題を解決できなかったからと端的に答えることはできます。
ただ、その内容からして、一医療法人、一企業が解決できるレベルとは思えず、国家的な医療システムが絡んでいる気がしてなりません。
それは医療費高騰問題に悩まされながらも、抜けることのできない多くのしがらみが、両者の架け橋を阻害しているように思えます。
お読みいただきありがとうございました。
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