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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論536」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第15号(2004.11.25発行)「スイミングクラブの成長戦略」9~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅲ成長クラブの事例研究

事例研究2「セミパーソナルレッスンで付加価値・高単価の商品を提供。クラブの立地特性を活かした土地有効活用事業を展開する」(アクラブ)

この開発経緯について同社取締役M氏は次のように話す。
「従来型のジュニアのスイミングレッスンでは、まるでベルトコンベアのように泳力ランクごとに決められたカリキュラムに沿ってクラブ側から一方的にレッスンが提供されます。1クラスの平均人数も10名程度で、上級クラスでは15名にもなります。最近、季節ごとに行っているジュニアの短期教室では5~6名定員の少人数クラスが盛況で、このことから保護者の方々からの少人数レッスンへのニーズがあると判断しました。3名を定員とすることで、お客様一人ひとりへのパーソナルな対応が可能となり、クラスの目的を明確にすることで、お客様が望んでいることに的確に応えられることになります。」

このプレミアムクラスは、アドバイザーの育成にも役立つものとなっている。
プレミアムクラスのテーマは各アドバイザー自身の強みを活かして自由に設定する。
そして自身で募集ポスターを作り、販促する。
アドバイザー本人への成果報酬は自身のプレミアムクラブ売上の4割として、さらに年間売上が100万円を超えれば、これを6割にすることとしている。

「このようにしてみると、実力のあるアドバイザーがより高いモチベーションを持って働いてくれるようになり、レギュラークラスのサービスレベルも上がります。レギュラークラスの登録会員は各自のプレミアムクラスの見込み客になるからです。自ら指導力を高めて、ニーズに応えるレッスンを提供することで収入を高めることができ、専門性を追求しながら高収入を得ることも可能となります。クラブにとっては人件費を一定に抑えたままで多様なニーズに応えられる一方で、お客様の定着率や客単価の向上に繋げることもできます。」(M氏)

同社は創業以来、ジュニアスイミング部門にはレッスンのみを担当する時給職のアドバイザーを重用しており、各店に指導歴10年以上のアドバイザーが40~50名いる。
現在、プレミアムクラスは月給職の社員や契約社員を中心に展開しているが、スタッフ一人が担当できるクラス数には物理的に限界があるため、今後、時給職アドバイザーも積極的に登用していくことで同プログラムからの収益増を狙う。
また、M氏はプレミアムレッスン導入による収益面での目標として、「現状の会員収入規模の30%の売り上げ確保と、利益面では現在の額の3倍」を見込んでいる。
「プレミアムクラスは新しい1つの商品としてレギュラークラスと並行して同等の頻度で参加していただけるものに育てていきたい」と話している。

~ここまで~

記事内での重要なポイントは、レギュラークラスのサービスレベルも上がるという点だと思います。

成果報酬にこだわり過ぎると、ともすればレギュラークラスを疎かにしてプレミアムクラスに力を注ぐという行動に出る恐れがありますが、実質的にレギュラークラスからでしか見込み客を作ることができない現実を考えれば、双方に力を入れることになり一石二鳥となります。

外部のパーソナルトレーナーを招き入れたりすると、この点が一致しない点となり、クラブ方針にそぐわない行動に出たりすることがありますので、あくまで通常レッスンも受け持つ内部トレーナーが担当することが望ましいと言えるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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