「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論392」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第7号(2003.7.25発行)「フィットネス業界急成長へのカウントダウン」2~※名称等は当時、一部文章省略

ティッピングポイント理論を支持するもう一つの理論に「Sカーヴ」というものがある。

この理論によると、業界の成長段階の中には必ず一定期間「孵化」の時期があり、その時期を過ぎると比較的短期間に大きく成長していくというものである。

例えばコンピュータ業界もこれが顕著に見られた。

80年代前半、コンピュータは大企業の一部で導入されてはいたものの、家庭ではほとんど見られなかった。

当時は信頼性や安定性の向上やデュアルフロッピーといった機能の向上に商品提供側が焦点を当てていた。

そして、コンピュータ業界は米国の家庭への浸透率10%を到達するために20年間もの時間を費やしたのである。

だが、Sカーヴの段階に入ると急成長を始め、現在では家庭浸透率は80%にも達している。

コンピュータ業界も生活者の認識や需要の高まり、商品の価格、使いやすさ、信頼性、多様性への対応といった要素が、ほぼ同時に改善され、一気に大衆に受け入れられるものとなり、空前の伸びを示したのである。

この6月中旬、「ニュースウィーク」誌と「タイム」誌がともに特集に「健康とフィットネス」を取り上げた。

両誌とも非常に印象的な写真を表紙に使っていた。

片方は女性がフルーツを食べているシーンで、記事ではダイエットについて取り上げていた。

そしてもう片方は女性が瞑想をしている写真を表紙に使い、記事では健康的なライフスタイルを送る秘訣についてまとめていた。

その内容は、今、米国中で広く、強調して語られていることのほんの一部である。

~ここまで~

日本のフィットネス市場において、顕著なSカーヴはこれまでなく(1980年代後半の建設ラッシュは、不動産バブルの一種)、一部企業でのみ見られたと考えることができます。

その一つがカーブスさんであり、2005年の設立から約13年で2000店舗に到達するという急拡大を遂げました。

またもう一つがエニタイムフィットネスさんで、2010年の設立から約12年の今年、1000店舗に到達したとのことです。

サーキットジムも24Hジムも運営企業は数多くある中、この2社だけが突出した店舗展開を図ることができたのは、やはりそこにティッピングポイントが存在したからだと思います。

従って、この2社について、よくよく調べることで何らかのヒントが得られるかもしれません。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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