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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論841」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第41号(2009.3.25発行)「コストマネジメント」1~※名称等は当時、一部文章省略

フィットネス業界の各社は一部の企業を除き、依然として収益力の回復に苦戦している。
フィットネスクラブの経営環境が大きく変化しているこの調整期に求められるのは、「出ずるを制して入るを図る」マネジメントではないだろうか。
そこで、本稿ではコストマネジメントに焦点を当てた。

フィットネスクラブのコストマネジメント

フィットネスクラブの既存店の売上高、会員数は依然として減少が続いており、また各種原価の高騰もクラブ経営にダメージを与えている。
この調整期には、内部環境を見直し、それを効率化し、収益を生み出すコストマネジメントの視点が欠かせない。

コストマネジメントを簡単に表現すると「現行コストの最適化により、収益を最大化すること」となるが、それはコストの削減だけを指すわけではない。
いずれの業界においても、目先だけにとらわれたコストコントロールで自らの商品価値を下げ、大きな不利益を生んでしまうというケースはよくある。
コストを単に削減するというだけではなく、成果を上げるためにコストを投下するという考え方が必要であり、コストの検証においても、「どれだけのコストが掛かっているのか」ではなく、「投下したコストがどれだけの成果を上げているのか」という視点を持つことが必要だ。
「コスト削減」でなく「コストを活かす」ことがより重要になる。

顧客視点でコスト効率を追求

企業のコスト構造は業種や時代によっても大きく異なるが、コストマネジメントを考えたときに共通して必要な視点が、固定費の低減である。
設備や人件費といった固定費の比率が大きいフィットネスクラブでは、特にコストマネジメントを徹底して固定費を最適化することで、売上の増減による著しい業績の変動を緩和することができる。

~ここまで~

記事が掲載された同号には、2008年10~12月期に売上高・会員数が急落し、業績の落ち込みが続いているといったトピックスが踊っており、リーマンショックによる影響が日本にも明確に忍び寄っている様子が伺えます。

ただ、前段の苦境を示す内容は、当時の基準では厳しいものだと言えますが、今回のパンデミックによるマイナスインパクトの方が凄まじく、4年が経とうとしている現在も、業界全体としてはいまだ回復途上といった状況です。

そしてこの期間中に、多くの企業がコストマネジメントに取り組んだはずであるものの、果たしてその顛末はどのようなものになったでしょうか。
残念ながら、人件費を中心とした単なる「コスト削減」を実施することにより、「目先だけにとらわれたコストコントロールで自らの商品価値を下げ、大きな不利益を生んでしまうというケース」そのままになってしまった業界企業が多かったように思います。

当社のこの4年間も、同様に苦しみもがいての今がありますが、意図した現場の人件費削減は一切行っておりません。
それはトレーナーこそ価値を生み出す源泉であることを標榜している経営理念・方針に基づくものであり、もしそれを覆していたら、経験豊富なトレーナーほど我先にと去ってしまっていたことでしょう。

その意味において、コストマネジメントは単なる収益の調整弁ではなく、経営の根幹に関わる重要な意思決定の一つと再認識すべきだとアバター近藤は考えます。

お読みいただきありがとうございました。

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