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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論448」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第9号(2003.11.25発行)「定着志向のクラブづくり」17~※名称等は当時、一部文章省略

4.定着志向のマーケティングとセールス

(2)定着志向のセールス

マーケティング同様、セールスにも2種類あります。

1つは博物館ツアー、もう1つは個人ニーズ分析型セールスです。

前者は、ただお客様と一緒に館内を歩き、「こちらがプールです。」といったように施設・設備を単に紹介するだけのものです。

未だに多くのクラブでこうした様子が見られます。

多くのお客様はその説明を聞いて、「そんなの分かるわ。だから何なの?」という気持ちでいます。

お客様は「自分をどんな状態にしてくれるのか?」が知りたいのです。

例えば、そのお客様が腰痛を患っていたり、お腹に脂肪がついていて、そうしたことが気になっているとします。

あるいは仕事上のストレスがとても大きくなっているという方がいるかもしれません。

あるいは何かが原因でちょっと落ち込んでいるという方がいるかもしれません。

こうしたお客様各々が何故クラブに足を運んでいるのかをよく知ろうとすることが大切です。

そのお客様が自分の身体のことをどのように感じているのか?いつまでに?何故その時までにそうなりたいのか?ということを知ろうとすることが大事なのです。

こうしたお客様の真のニーズを知って、それに対応するようにセールスするのが定着志向のそれです。

お客様のニーズというのは脂肪を減らすことやストレスを取り除くことだけに止まりません。

その奥に真のニーズがあるのです。

例えば、シェイプアップして異性にもてたいとか、バルクアップして自慢したいとか、ストレスを減らして人間関係をよくして日々ハッピーに生きたいといったことが究極のニーズです。

こうしたことを意識してセールスしなくてはいけません。

場合によってはそれを明らかにした方がいい時もあるでしょう。

~ここまで~

セールス時の博物館ツアーの傾向は、当時の国内でも散見された為、その後、館内セールスという名称で一時期、多くの企業が上記のような改善を試み、相応の成果が出た時代がありました。

翻って現在の業界状況を見渡すと、クラブ増や人件費削減などに伴い、セールスに関する徹底した研修も影を潜め、多くは博物館ツアーに戻ってしまっているように思います。

研修を受けていないアルバイト・パートスタッフやパーソナルトレーナーが担当すれば、そのようになるのは当然であり、この点も回復を遅らせている要因の一つのように思います。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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