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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論409」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第7号(2003.9.25発行)「業態の研究」3~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅱ今ある業態

業態の革新、改善を進める前に、まず勧めたいのがポジショニングマップによって今ある業態を分類~整理してみることである。

軸の取り方はいくつかあるが、ここでは縦軸に客単価(上が高客単価、下が低客単価)、横軸にコンセプト(右が総合・一般、左が専門・特殊)を取った場合のポジショニングマップ(第1象限・右上、第2象限・左上、第3象限・左下、第4象限・右下)を示す。

するといささか粗っぽいが以下のように分類できるだろう。

(1)標準的なフィットネスクラブ

第1象限と第4象限の間には、現状、業界にもっとも多く見られる延床面積600~1,400坪程度で、ジム・プール・スタジオの「三種の神器」を備えたクラブがプロットされる。

(2)エグゼクティブ系のフィットネスクラブ

第1象限は所謂、中高級クラブである。

後背地に所得水準の高い居住者を数多く抱え、また周辺にオフィスエグゼクティブが数多く勤務する都心の好立地に延床面積500~1,000坪程度の優れたデザインを施した施設空間と充実したサービスを備え、一定数の会員数で成立させることを目指すタイプのクラブである。

(3)トレーニング(ソリューション)系のフィットネスクラブ

第2象限は、1対1に近い形で高度な、そして差別化された(とイメージできる)トレーニングに関するサービスを比較的高い料金で提供するクラブがプロットされる。

(4)エクスペリエンス系のフィットネスクラブ

第3象限は、すでに多くの生活者に認知されつつあるアイテムの1つ、ないし2つに着目し、そこを深掘りして顧客魅力性の高い「エクスペリエンス(経験価値)」を提供するクラブである。

(5)パブリック系のフィットネスクラブ

第4象限は、既存のフィットネスクラブに違和感を覚える生活者に対して敷居を下げて、利用または入会を促すコンビニエントなクラブ、もしくは施設である。

~ここまで~

これらのポジショニングマップで現在の業界を俯瞰した時、いくつかプレーヤーの入れ替わりはあれど、分布状況は当時とあまり変わっていないことに気付くことができます。

当時の分布図に無かったものとして、第2象限にライザップ系のジムが、第4象限に24Hジムが、プロットされるくらいだと思います。

それだけ抜本的な変化をしてこなかったことが、ポジショニングマップでも見て取れ、パンデミック下での回復が業界全体で思わしくないことの証左とも言えるでしょう。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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