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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論396」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第7号(2003.7.25発行)「フィットネス業界急成長へのカウントダウン」6~※名称等は当時、一部文章省略

価格を引き上げる

最新の、最も確実に倒産に向かうビジネスモデルとは、月会費19ドルで、数年に1回改装しているようなクラブを指す。

それは毎年ごとに形を変えて出てくる「楽に痩せられる」ホームエクササイズ機器のようなものである。

このビジネスモデルは価格で勝負しようとしているため、大規模の施設を造り、多くのメンバーを集めなければならないことになる。

極端な例だが、5,600坪のクラブを造り、月会費を9ドルに設定すれば、クリーヴランド市の住民全員がクラブに入会して初めて成り立つことになる。

あまりいい考え方であるとは言えない。

これはビジネスとして好ましくないだけでなく、業界にとっても好ましくない。

このような最低ラインの商品がやっていこうとする運営は、我々がこれまで数十年を掛けて作り上げてきたクラブの評判やイメージ、価値といったものを落としてしまうことに繋がりかねない。

負債を組み直す

最近の不景気で、金利がかなり安くなっている。

従って負債をより長期に組み直すにはいい時期である。

そうすることにより、月々の返済金負担が軽くなり、キャッシュをマーケティングやリニューアル、施設の拡張に充てることができることになる。

短期の借入を3~4年延ばすことは、独立系クラブにとっては骨の折れることかもしれないが、リースも含めた負債全体を見直し、それらの返済を5~7年先延ばしすることで、はるかに懐が心強くなるはずである。

これらのステップを一歩一歩確実に踏んでおくことで、あなた自身のクラブもティッピングポイントを得る確率を高めることができるのである。

~ここまで~

パンデミック下で各社が行った値上げは、ほとんどが会員数減に伴う売上の大幅な減少を補うための付け焼き刃的対策であり、あまり褒められたものではありません。

何故なら、その多くがプログラム削減や人員削減などサービスが低下している中での値上げだからです。

これまでも数回、ピンチになると価格転嫁する対策によって、一時的な売上確保を図ってきた業界企業は、その後、反動でさらなる会員数減が起こったことは記憶しているかと思います。

それでも、性懲りもなく実施してしまうのは、記事にあるような価値引き上げに伴う戦略的な値上げをやってこなかったからだと言えます。

後手後手の価格政策は、自分の首を自分で締める行為であることをいい加減、学習した方が良いと思われます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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