見出し画像

「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論272」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~クラブマネジメント通巻第36号(2001.9.25発行)「米英のフィットネスクラブ産業史」9~※名称等は当時、一部文章省略

1.米国のクラブ産業史

2000年に入ると、大手ではバリーと24アワーズの一騎打ちとなり、2月には、それまで自社クラブ数でトップだったバリーを、初めて24アワーズが365店舗で抜いた。

しかし7月にはバリーが再び385店舗で抜き返した。

2001年に入り、バリーは業界で初めて年間売上高1兆円を計上し、24アワーズをリードした。

両社とも現在は企業価値を高めるべくブランド力の強化に取り組んでいる。

バリーはリハビリ専業会社と提携してクラブにリハビリ施設の付帯を進めるとともに、同社が展開するアパレルやサプリメントでもブランド力を浸透させようとしている。

一方、24アワーズは、レーシングチームを組織してモータースポーツに参入したり、野球場に広告を出すなど、スポーツの場面からのブランド力の浸透に注力し始めている。

元バスケットボールのスター選手であるマジック・ジョンソンと組み、「24アワーフィットネス・マジック・ジョンソン・クラブ」をオープンさせ、マイノリティーへのマーケティングも始めている。

中堅企業もベンチャーキャピタルや投資銀行からの積極的な出資を受けて、規模を急拡大させる例も次々に出てきている。

西海岸ではクラブワン、中部ではウェルブリッジ、東海岸ではクランチやイクイノックスなどが挙げられる。

米国の業界団体として、業界の発展とともにその規模を拡大させてきたIHRSAは2000年、「2010年までに米国でクラブメンバーを5000万人に、世界で1億人にまで増やす」ことを目標に置いた。

米国では87年から99年の13年間、クラブ会員数の年間平均成長率は4.74%であったが、この目標を達成するためには、2000年から2010年の10年間の平均成長率を7.3%までに引き上げなければならないことになる。

2000年から2001年の成長率は米国の好景気にも支えられて10.8%の高成長を示し、米国のクラブ参加率も12.4%から13.2%へと伸びたとのデータもある。

しかし今年度からは景気の減速による懸念もある。

10年前の米国の不況期と比較するとフィットネスは、遥かに人々の生活の中に入り込み、顧客層も当時とは異なることから不況の影響は受けにくくなっているとの予測もあるが、金融界の目は確実にシビアになっているとも言う。

金融界のバックアップは今や業界の成長には欠かせないものとなっており、顧客の期待に応えるとともに、株主の期待に確実に答えていくことが、米国のクラブ経営者にとって益々重要な課題となってきているようである。

~ここまで~

米国では、パンデミック前の2019年に会員数6,420万人、参加率19.6%となったというデータがあります(クラブビジネスジャパン調べ)。

つまり、記事に書かれている目標が達成されてきたからの伸長度とも言えます。

翻って、20~30年間ずっと3%業界と揶揄されてきた日本においては、パンデミック前にようやく4%を超えたと業界人が喜んだのも束の間、ニューノーマル時代に入り、再び3%業界に戻ってしまっております。

その違いは、目標の高さとそれに伴うスケールの大きな行動、取り組みに起因しているのではないかと記事が示唆しているように思えます。

本日もお読みいただきありがとうございます。



宜しければサポートお願い致します!