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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論757」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第31号(2007.7.25発行)「世界の動き~フィットネスフランチャイズが繁栄を続ける理由」3~※名称等は当時、一部文章省略

強力なビジネスモデル

こうした入退室システムやオンラインによる管理システムの充実により、無人のフィットネスクラブが現実のものとなった。
「こうしたシステムのメリットは他にもあります。各店舗の利用状況や稼働状況など欲しいデータは全て取ることができますし、キャッシュをやりとりすることなく施設を運営することが可能となりました」とトーントン氏は語る。
スナップフィットネスでは85%の店舗が無人店舗であり、3年前の創業時から窃盗などの事故やトラブルが起きたことはない。
また現在、237店舗を展開する同社のフランチャイズ店舗では不採算による撤退例もない。

両社はフィットネスフランチャイズの明るい未来を示唆する象徴的な存在である。
2002年創業のエニタイムフィットネスは、すでに1108ものフランチャイズ権を販売しており、410店舗が稼働、昨年度の総売上は1050万ドル(約13億円)に達した。
その2年後に創業されたスナップフィットネスは、507のフランチャイズ権を販売し、237店舗が稼働、昨年度の総売上は480万ドル(約6億円)であった。

「ザ・フランチャイズ・ハンドブック」の編集者マクダーモット氏は、このようなフィットネスフランチャイズの勢いは、しばらく減速することはないだろうと予測する。
「エニタイムフィットネスやスナップフィットネスが作り出したビジネスモデルは、完璧と言えるものです。必要とされる初期投資も比較的低額ですし、オペレーションもシンプルで、フランチャイジーの関与も最小限で済むため、フランチャイジーの立場から見ても非常に魅力的なモデルだと言えます。」と同氏は語る。

全方向への展開

独立系リサーチ会社のフランデータ社によれば、フィットネスフランチャイズはターゲットとする顧客層、提供されるサービスの種類の両面で展開を続けているという。
2000年度以降、フランチャイズビジネス全体において、新しいフランチャイズ・コンセプトの出現率は14%であったが、フィットネスセクターに限ってみれば、新しいコンセプトの出現率が187%にも達している。

~ここまで~

日本国内でのエニタイムフィットネス店舗は、2010年調布市の1号店を皮切りにフランチャイズ展開され、2022年には1000店舗を達成するなど24時間ジム業態を先導するクラブとしてその地位が確立されています。

一方、スナップフィットネスについては、26以上の国々で100万人以上のメンバーと2,000軒以上の店舗を開業しているものの、日本上陸は2020年吉祥寺に1号店が出店と出遅れ感は否めず、2023年7月末現在で5店舗に留まっております。

両社とも世界的には成功しているフランチャイジーと言えますが、日本においては、明確に差が出る結果となっています。
いかにスナップフィットネスが同業態において、差別化されたビジネスモデルであろうと、ここまで24時間ジムが広がってしまった現在、追いつくことは不可能ですし、チェーンメリットを活かせるまで展開できるかも不透明と言えるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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