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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論248」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~クラブマネジメント通巻第36号(2001.9.25発行)「業界再編期のクラブ経営」11~※名称等は当時、一部文章省略

パネリスト

斎藤敏一氏(株式会社ディックルネサンス代表取締役社長)

白井省三氏(株式会社ティップネス代表取締役社長)

中島良一氏(株式会社フィットネスマネジメント代表取締役社長)

3.企業の進路

中嶋:次に成長戦略について。

私は本音は大きい施設を展開したいのです。

ただ今は「雌伏十年」で、レフコ高松の様な延床面積600坪程度のコンパクトなタイプで、きっちり(年間)1億円以上の利益を出す施設をやっています。

それはなぜかと言うと、何もバックがない、ブランド力もない、資金もないという会社がどうやって大手に伍して展開していくかということを私なりに考えた末の方法なのです。

地方のロードサイドの2階建てで敷地に余裕がありますから、これから増床はいくらでもできるのですが、とりあえずは「最小の投資で、最大の利益を得る」方法での展開をしているのです。

一方、首都圏でビルインタイプのところは、増床が難しいですから、当社の2号店、八柱店のように始めから800坪くらいは確保してやるということです。

要するに当社みたいな無名の、出来たばかりの、まさに名が示す通りのベンチャー企業は、先ほど挙げた延床2000坪という様な大きな施設を造れないわけですよ。

そして、もし確保できたとしても、建設費が膨大であり、当然入居条件も厳しくなり、20年の与信にも耐えられない。

結局当社は、渋谷や新宿、池袋といった駅前に出店する力がまだないのです。

ですから私は今、週に1回くらい東北から九州まで物件探しに行くわけです。

地方の人口20~30万人くらいの市にはまだ空白地域が結構あって、出店できる可能性がいっぱいあります。

そういうところに出店して手堅く(年間)1億円を稼げる施設をいつくか造り、キャッシュを貯めて、さらに上場して資金力、信用力を手に入れて、それから首都圏での戦いに参戦するというのが、当社の考える成長シナリオです。

~ここまで~

当時、現場で毎日、必死に生きていたアバター近藤は、記事にある大きな画を深く知る由もありませんでしたが、現在、同じような年齢になった立場で見ると、実にクリアかつ堅実な思考、計画であったことが理解できます。

以前の項でも触れた、もし早期に中嶋氏が病に伏せなければ、恐らくこれらのビジョンは達成できたのではないかと今更ながらに思うところです。

それにしても、手堅く年間1億円を稼ぐと言ってしまうところに、今でもその凄さを垣間見ることができますね。

本日もお読みいただきありがとうございます。


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