「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論394」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第7号(2003.7.25発行)「フィットネス業界急成長へのカウントダウン」4~※名称等は当時、一部文章省略
コンセプトを見直す
フィットネスクラブはこれまでに国民の14%の人に対して運動の楽しみを提供し、運動をライフスタイルの一部にできるようにサポートをすることについては非常に良くやってきている。
しかし、まだ86%の人に対してはいい仕事が出来ていない。
この新しい市場に受け入れられるために、我々は今までとは異なる考え方を持つことが必要になる。
新入会者へのオリエンテーションルームを用意したり、よりソフトな初心者用プログラム、社交を好むメンバーのためのグループで何かを楽しめるエリア、これらの選択肢は検討に値する。
業界の今後の成功はライフスタイルの改善をいかにサポートできるかにかかっている。
人々が毎日行っていることを、少しずついいものにできるようサポートするのである。
残念ながら、今この時点では「普通の人」が欲しがるものを提供できていない。
これが提供できるようにならなければ、14%の壁を突き破ることは難しい。
マーケティングを見直す
業界で話されているマーケティング論は、全ての人々がフィットネスクラブを良く知っていて、入会に興味を持っているということが前提になっているように思えてならない。
その結果、マーケティングの観点が価格や設備、エクササイズプログラムの種類といったものになってしまっている。
しかし、これでは新しい顧客層の興味を惹きつけることはできない。
人々は我々が信じられないほど、また意外なほど、我々がやっていることに合点がいかないのである。
提供しているものが理解できていないのである。
従って、マーケティングも、まずどのように我々のサービスや専門性を理解して貰えるかに焦点を当てて考えなければならない。
まずは、商品に気付かせ、欲しいと思わせることが必要である。
そうして初めてクラブ自慢のアメニティやプログラムの差に目を向けてくれるようになるのである。
~ここまで~
記事から約20年経ちますが、人々はこちらが思う以上にフィットネスクラブについていまだ知らないことが多いと言えます。
まず、アバター近藤も含め業界人は、以前からの呼称であるフィットネス業界とかフィットネスクラブという表現を使いますが、検索ワードで運動できる民間施設を探す時に、「フィットネスクラブ」で検索する方はほぼいなくて、ほとんどが「ジム」「スポーツジム」と入力します。
この点だけでも、およそ業界人と一般の方々との認識差はあり、クラブ名ですら一般的でないという事実を突きつけます。
「筋トレ」は各種メディアにも取り上げられ、パンデミック期間も含め、ここ数年、認知度が急上昇してきておりますが、フィットネスやウェルネスと聞いて、一般の方々が想像できる範囲は、こちらが考えているより狭いと考えるべきです。
即ち〇〇フィットネスクラブや〇〇ウェルネスクラブは、そもそも論としてコンセプトが伝わりにくくなっていることを理解した方が良いでしょう。
本日もお読みいただきありがとうございました。