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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論367」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第6号(2003.5.25発行)「既存店はなぜ落ち込んだのかー成長持続の鍵を求めて」2~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅱ業界リーダー各氏の見解

既存店を重視、手間暇をかけてもお客様が喜ぶクラブをつくる~株式会社フィットネスマネジメント代表取締役社長・中嶋良一氏

過去1~2年で見ると当社の既存店の業績は横バイのクラブ、落ち込んでしまったクラブの両方があります。

横バイレベルで止まっているクラブというのは、競合環境が比較的緩やかなところです。

一方落ち込んでいるクラブというのは競合環境がシビアな上、変化対応をきちんとしてこなかったところです。

これは競合クラブがよく当クラブを研究して様々な策を打ち、変化対応してきていたのに、当方はあまり変わらずそのままできていたということです。

その結果、徐々に業績が下がってきてしまったのです。

当社も手をこまねいているわけにはいきません。

昨年から徐々に手を打ち始めています。

どういう施策を打ったかというと短期的な策としては料金・システムにメスを入れました。

クラブによってはナイト会員のように料金的に低いものを入れることなどをしたのです。

ただ客単価を落としたくなかったので、プレミア会員など料金的に高い種別のものも同時に入れました。

結果、単価は以前と変わることなしに、会員数を少しずつ増やすことができています。

中長期的な策としては当社の課題でもある「運営力の向上」を実現しようということで、定着志向のクラブづくりを目指す中で、新しいプログラムを自社開発したり、パーソナルフィットネストレーナーの導入をしたりしてきています。

昨年末まで業績が落ち込んだクラブの今期の計画は、一転右肩上がりとしていますし、実際このところの業績は上向いていますので、いい方向に向かうと思います。

さて、この間、得た教訓についてお話ししましょう。

1つには、新規店の方ばかりを重視しすぎていたということがあります。

それも立ち上がりの厳しい時期を過ぎると、また次の新規店の方に関心が移ってしまい、既存店を軽視することになってしまったということがあります。

これはとてもまずかったと反省しました。

~ここまで~

かつての師匠であった中嶋良一氏(故人)のコメントを改めて振り返っておりますが、短期的な施策は今回のパンデミック下でも同じように実施したクラブはあると思います。

ただ、当時と違い、基本システムの変更だけで良化する状況では無くなっておりますので、思ったほどの効果を得られなかったクラブがほとんどではないでしょうか。

従って、記事にある中長期的な策である「運営力の向上」を図ることが、やはり本質的な解だと思いますので、そこにいかにして腰を据えてリソースを割けるかが今後は問われてくるでしょう。

また、新規店の方ばかりに目を向けてしまうという傾向は、経営層にありがちな行動であると数社を経験してきて感じるところですので(もちろんフィットネスビズは違いますが)、このような姿勢が既存店の現場スタッフに与える影響(社長は新店の方にしか目が向いていないという印象)が大きいことを重々、頭に入れておいた方が良いと思われます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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