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11月23日(水):「長さ」から生まれた価値

先般の日経産業新聞では家庭紙大手の丸富製紙の「超長尺」トイレットペーパーに関する記事がありました。

超長尺は1つのロールの長さが通常の4倍にあたる200メートル以上あるもので、同社では2015年に超長尺の「超ロング」ブランドを立ち上げたと言います。

これまでは全生産量の2割が超長尺だったそうですが同商品の引き合いが強くて、それに対応するべく生産比率を4割まで引き上げるための設備投資をする旨が報じられていました。

超長尺は1ロールが長い分だけ交換頻度が少なくて済むので、商業施設や公共施設等での需要は高いようですね。

また1ロールが通常のトイレットペーパー4つ分に相当するから交換用のロールを大量にストックしておかなくても大丈夫になるため、在庫のストック数やそのためのスペース負担も軽くなります。

超長尺として長さを4倍以上にしながらも、サイズ感を抑えるには技術的なハードルもあったでしょうが、アプローチそのものは「長くする」というシンプルな切り口です。

ただ、そうしたシンプルな部分を強化することで、それに付随して前述したような価値を帯びて新たな需要を喚起するに至っています。

このケースから学ぶべき観点は、自分たちの提供する商品やサービスにおいて「見落としている点はないか」ということです。

これまでトイレットペーパーであれば肌触りなどが訴求の中心だったし、ドラッグストアではフロントエンドの商品に使われるなど、ユーザーにとっては価格が選択の軸になっていました。

でもトイレットペーパーの長さを変えることで新たな価値を生んだように根源的、基本的なことで盲点になっている箇所はないか、との投げかけです。

私たちの事業はフィットネスクラブ運営ですが、これまで見落としてきたことのなかに大事な要素が眠っていないか、そこを考えるきっかけになれば良いと思います。


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