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4月24日(日):フィットネスクラブ・マネジメント技能検定 インターミディエイト第4章解説⑪

現在は「フィットネスクラブマネジメント公式テキスト」の最新版「Vol3」のインターミディエイト(中級)、第4章「営業管理」の第2節「商品・サービス管理」の解説を進めています。

前回はフィットネスクラブの商品・サービスのマネジメント、良い現場づくりに不可欠な「経験的組織学習」のことを取り上げました。

今回はそれと関連して良いサービス、良い現場づくりにとって土台となる部分に目を向け、「サービス・プロフィット・チェーン」について説明したいと思います。

以下、テキストで該当する箇所から確認していきましょう。

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■サービス・プロフィット・チェーン
サービス・マーケティングの分野で顧客満足を高めていくための体系的な手法にサービス・プロフィット・チェーンがある。

※サービス・プロフィット・チェーンは見出し画像参照
「出典:J.L.Heskett and others,[Putting the Service-Profit Chain to Work] Harvard Business Review,1994」

ここでのポイントは顧客満足の起点が従業員満足に置かれている点にある。

高い従業員満足がモチベーションや組織へのロイヤリティとなり、それが高いサービス品質へとつながっていく、との考え方である。

そのため、組織全体として顧客志向の態度を明示し、従業員満足も含めた組織文化を醸成していくことが、ひいては顧客満足につながる。

そのような全体視点をもって品質マネジメントを考えるのがポイントだと言える。

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サービス・プロフィット・チェーンの最大の特徴はテキスト内でも触れているように因果関連の変数の出発点を従業員満足に置いている点です。

このサービス・プロフィット・チェーンには「内部のサービスプロフィットチェーン」と「外部のサービスプロフィットチェーン」という2つのサイクルがあります。

ここで言うところの内部は社内におけるサイクルで、外部というのは対お客様に向けたサイクルです。

一言で説明すれば内部のサイクルが適切に機能することで社員のロイヤリティが高まり、それを土台として外部であるお客様向けの満足を生み出すような好循環が生まれる、との考え方です。

また、もうひとつの特徴はお客様の高い満足度や感謝の言葉、そして高い購入率や継続率などの好ましい顧客反応が、サービス・プロフィット・チェーンの出発点である従業員満足にプラス影響を与える逆方向での因果関係を示唆していることでしょう。

こちらのモデルを提唱したヘスケットらは、これをサティスファクション・ミラーと呼んでいます。

先般にはサービスの特性を取り上げましたが、そこで触れた「同時性」として従業員と顧客が対面での生産と消費を行う点や「結果と過程の等価的価値」のように価値提供までのプロセスを含めて従業員と顧客が同じ時間と場を共にするから、互いの満足が関係し合う心理的相互作用が生じるのは理解ができると思います。

そのため現場でのサービス品質を考えるときに、内部のサービスプロフィットチェーンを意識したインターナル・マーケティング(内部の従業員を対象とするマーケティング)や組織文化にも目を向けて考えることが大切になってきます。


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