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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論370」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第6号(2003.5.25発行)「既存店はなぜ落ち込んだのかー成長持続の鍵を求めて」5~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅱ業界リーダー各氏の見解

明確な目標設定とそれを達成するための具体的な計画が要~IHRSAエグゼクティブディレクターJ・M氏

米国のクラブはオープン後3年間で売上を大きく伸ばします。

一般的に1年目の売上高成長率は50~75%、2年目で25~50%、3年目で15~25%と言われています。

その後の成長率は経済状況や競合状況、経営陣の資質などにより差が出ますが、年間2~8%ずつ伸びていくというのが普通です。

しかし、現在は経済状況もあまりいい状態にないことから既存店の成長率が0~5%に止まっています。

つまり、既存店で少しでも成長できているクラブは「優良クラブ」と言うことができ、年間4%以上伸びているというクラブは「非常にいいクラブ」だと言えます。

既存店の売上を伸ばす要因としては大きく3つに分けられます。

即ち、会員数の増加、客単価のアップ、会費外収入の増加です。

現在、米国クラブの既存店の売上高の伸びの3分の2は会費外収入増によるものとなっています。

伸びている既存店と、業績を悪化させている既存店の違いは、ひとつにはそのクラブが立地している地域の経済環境や競合状況といったクラブをとりまく環境にどう適応しようとしているかという点にあると言えます。

同じ環境下でも事前に手を打つクラブは成長を維持しています。

これは集客施策についてもそうですし、会費外収入の施策についてもそうです。

ここにはマネージャーの判断力やリーダーシップが欠かせません。

米国では既存店では優れたマネージャーは、平均的なマネージャーに比べて、少なくとも10%は高い売上を上げられると言われています。

また、再投資も既存店に収益力の違いをもたらします。

IHRSAの調査では、前年の売上高に対する再投資比率の高いクラブの方が低いクラブに比べて高い成長性を維持できることが分かっています。

成長を持続させる鍵としては、まず4年目以降の既存店でも年間4~6%の成長を持続することを会社の目標として明確に持つことです。

毎年クラブが置かれている環境をきちんと分析し、その目標を達成するにはどうすればいいのかについて、具体的で明確な計画を持つことです。

2つ目には常に勉強を続けることです。

業界や競合他社が何をしていて、既存店の業績を高めるために何が最も効果を出しているのかについて調べ続けることです。

3つ目には、クラブが常に「新しく」感じられるようにしておくことです。

「新しい」クラブはその商圏でアドバンテージを持つことができます。

4つ目には業績の向上に対してボーナスを出すことです。

売上を高めることに貢献した部署や会社全体に、そして出来れば期毎と年度毎の両方にボーナスが出せれば理想的です。

日本のクラブの成長を期待しています。

~ここまで~

日本の一般的なフィットネスクラブは、売上に占める会費収入の比率が9割前後と非常に高いことから、ピーク会員数を迎える3年目を頂点に、その後は良くて横ばい、通常であればじりじりと下降していく流れとなります。

当社小型クラブもパンデミックにより、会員数はそれ以前の10%前後低下しておりますが、売上はパンデミック前に戻りました。

それは会員数の増加が見込めない分、会費外収入が増加し、その結果として一人の会員様における客単価アップも図られているということです。

もちろん会員数増が達成できれば理想的ですが、そうはなりにくい外部環境が継続していることも事実です。

そういった中で、何ができるのか、何に投資をすればよいかを必死に模索することが、成長持続の鍵を握るのではないでしょうか。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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