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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論361」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第6号(2003.5.25発行)「英国市場に異変ありー株式非公開化で経営立て直し」2~※名称等は当時、一部文章省略

この動きを見て、まず2001年5月にキャノンズ社長ハーム・テグラース氏がプライベートエクイティファンドの後ろ盾を得てMBOを実施、株式を非公開化した。

続いて2002年8月にエスポルタが敵対的買収により投資銀行のもとで非公開化、さらに2003年4月10日には成長企業フィットネスファーストの社長マイク・バルフォー氏までが投資銀行の後ろ盾を得てMBOを実施。

4月22日にはホルムズプレイス社長アラン・フィッシャー氏もベンチャーキャピタルからMBOの誘いを受けているとの情報が流れている。

ホルムズプレイスが非公開化となれば、残るはLAフィットネスとクラウンスポーツ、およびAIM市場(新規・小規模・ベンチャー向け市場)に公開している3社だけとなる。

急ぎ過ぎた成長

業界識者によると、1990年後半に株式公開を果たした企業は成長を急ぎすぎたという。

過剰なスピードでの出店により各企業は大きなコスト負担を負うことになり、また、運営面でのコストコントロールも十分に行えず、集客活動やサービスの提供が十分に行えなくなっていった。

成長スピードのコントロールに定評のあったフィットネスファーストでさえ、年間出店数50店舗を株主にコミットしてから問題が出始めたという。

また、各社が比較的大規模の店舗を同一立地に数多く出店したことも非効率を招いた。

次世代に期待

こうした潮流の中、LAフィットネス社長フレッド・ダロック氏は敢えて株式公開企業でい続けることを宣言している。

「それはこの業界の可能性をきちんと投資家の方々に理解して貰う絶好の機会だと捉えているからです。今後も出店を慎重に進め、年間15~20店舗を確実に出店し成長を続けていきたいと考えています。」と話す。

事実、2002年に英国市場の総会員数は14%伸び、総クラブ数も8%伸びており、この業に市場性があることは確実となっている。

株式を非公開化した企業も、再び公開する可能性は高い。

こうした企業はベンチャーキャピタルのもとに数社が統合されつつあり、公開市場の過度なプレッシャーから逃れて、基本に戻り運営効率が高められている。

英気を養い再び適正な成長スピードを掴んだ新生英国クラブ企業の活躍に期待したい。

~ここまで~

株式公開のメリットは資金調達、企業の信用度・知名度UP、リクルート面での優位性UPなどありますが、デメリットはやはり記事にある通り、市場からのハイプレッシャーで、顧客の方に向いた経営が出来なることが一番大きいと思います。

結局のところ、顧客の支持を得られなければ出店したところで継続性は得られませんので、出店をすればするほど苦しくなるのは当然の帰結となります。

この基本に立ち返ること、基本を忘れないことはどの事業拡大局面においても、最も重要な観点だとアバター近藤は考えます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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