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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論222」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~クラブマネジメント通巻第33号(2001.3.25発行)「日本のフィットネスクラブ産業史」1~※名称等は当時、一部文章省略

昨年、IHRSA(国際ヘルス・ラケット&スポーツクラブ協会)の機関誌「CBI」(2000年7月号)に、世界のトップ20位のランキングが発表された。

その売上部門では、日本企業が特に目を惹いた。

トップ10社の中に4社が含まれていたのだ。

日本の物価の高さや換算レートの問題で数値がやや高めに出るため相対的に高順位になることを考慮したとしても、成長の跡が見てとれる。

特筆すべきは、この4社を中心にした日本の先行クラブがバブル崩壊後の長引く不況の中でも確実に売り上げを伸ばしてきたことである。

現在、この4社を含むトップ10社の売上高の合計は、日本の業界総売上高の半分以上を占めるまでに至っている。

そこで、本稿では日本のフィットネスクラブ産業が、このランキングに入っている先行4社を中心にどのような発展経路を辿って成長してきたのか、また今、市場でどんなことが起こり、これからどうなろうとしているのかと言ったことなどについてまとめてみることにした。

~ここまで~

今回、取り上げる記事はミレニアムとセンチュリーが変わった約20年前当時のフィットネスクラブ業界状況と産業史観を知る上で、貴重な文献であると思います。

何故ならば、当時の全体観がパンデミック前までの大きな潮流を作っていたと言えるからです。

まず現在と明らかに違う状況として、世界の売上高トップ10の中に4社も入っていた事実は、他の国内産業同様いつか来た道のような転落があったということを示しております。

また、日本の物価が高いと表現されておりますが、ここ20年間、デフレ状況下でほとんど物価に変化がなく、現在は相対的に物価は安いという位置付けに主要先進国内でなっていると思います。

つまり冷静かつ客観的に業界を見るならば、パンデミックうんぬんの話の前に、世界の成長に比べ国内の成長度合いはそれほど高くなく、そして、その様は、日本の主要産業の興亡をなぞってきたと言えるでしょう。

パンデミック前にフィットネス参加率が4%を超えた、業界総売上高は過去最高値を示したと浮かれていた業界観は、測る物差しが実は内向きだったということです。

そう考えますと、パンデミック後の業界回復の遅れは、成長していたように見えていた真の実力が詳らかにされただけという見方もできると思います。

本日もお読みいただきありがとうございます。


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