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4月20日(土):内発的動機づけにいたる「有能感」+「自律性」

一昨日は社内の年度面談の話に端を発して「内発的動機付け」と「外発的動機付け」に関連した有機的統合理論のことに触れ、昨日はその4段階のことを説明しましたが、本日もその続きをもう少しばかり。

外発的動機付けから内発的動機付けへの発展を体系化した有機的統合理論では外発的動機付けの段階が「外的調整」⇒「取り入れ的調整」⇒「同一化的調整」⇒「統合的調整」の流れで説明されています。(詳細は以下の通り)

●外的調整
最初の段階である外的調整は「誘因、結果」に伴って生じる行動になります。その行動をすることで得られる報酬のためであったり、反対にやらないと叱られるので、それを避けるための行動など、まだまだやらされ感の強い作業的な姿勢がこれに当たります。

●取り入れ的調整
次の取り入れ的調整の段階では「自尊心の回復、高揚」がそこに入り混じってきます。対象となっている事柄に取り組んでいる自分への満足感、納得感が伴ってくるのが先ほどの外的調整から一歩進んだ状態です。

●同一化的調整
その先の同一化的調整になると「価値づけ、重要性の感覚」が伴ってきます。つまり取り組んでいることへの必要性の理解が生じてきて、自分なりに意味づけができる段階になってきます。

●統合的調整
最後の統合的調整では「価値の調和」にいたる段階です。自身の価値観と調和にいたり、一言でいえば「自分ごと」になった状態を指します。

このように外発的動機付けの段階を適切に登っていくと、最初の状態の「やらされ感」から「主体性」の伴った姿へ変化をしていき、内発的動機付けへと移行していくのが理想の流れだといえます。

では、これら外発的動機付けの階段を適切に登り、「やらされ感」から「主体性」の伴った姿へ移行していくためのポイントはなにか、というのが本日の内容です。

それは「有能感」や「自律性」にあると言われています。

まず前者の有能感でいえば、取り組んだ事柄が「できた」とか「進んだ」といった形で目に見える成果物になるなど、それが可視化されることは大きな意味を持ちます。

またそのプロセスでの「褒められる」というのも重要ですね。

ほめ言葉の心理的メカニズムでは自己効力感の押し上げや、有能さと自己決定感覚を高めたり、ポジティブな感情を生み出すこと、反応とポジティブな成果との関連を強めることで習慣が形成される、といった面があります。

こういった一連の内容を通じて「自分にもできる」と実感できることでの有能感が次のステップへと押し上げていく要因になっていきます。

加えて段階を経るなかで大事になってくるのが後者の自律性で、自分の意思が尊重されていく点です。

これは自己決定理論の中核でもあって、自分で選んだという納得感が意欲を高めていきます。

反対に誰かに統制されている感覚が強まるほど、自律性は弱まっていくので適切に段階を登っていくには、段階に応じた関与の仕方が大事だと思います。

卑近な例で恐縮ですが、今から2ヶ月ほど前には私の料理に関するスタンスをnoteに記したことがありました。

■定期的にやり続けるとフットワークが軽くなる

最初は十年ぶりぐらいに重い腰を上げるようにしてスタートしたわけですが、この時は「やらなければ」という感覚が強かったのかもしれません。

ただ料理をしていくなかで家族に感謝され、時に褒められ、といったことをしているうちに自分のなかで料理への「有能感」の芽が出たのか(笑)、少しずつ楽しさを感じるようになっていきます。

そして「今度はこんなものをつくってみようかな」とレシピ本を開くなど、段階的に「自分ごと」へと近づいていき、直近では「お願いもされていないのに作っちゃう」シチュエーションにつながりました。

私の例でいえば自分だけなら、まず料理を再開するきっかけすらなかったでしょうし、やっても単発で終わっていただろうと思います。

そう考えると何かを始めるにあたっては自分以外の存在、状況における「きっかけ」は外からもたらされるので、それは大事にすべきものだと感じます。

そしてその時に周囲の関与の仕方がその先の展開を左右する面も大きいので、「有能感」や「自律性」を意識した働きかけができれば良いなと思った次第です。

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