『古畑任三郎』劇音楽データまとめ

《概要》

 デアゴスティーニさん刊行《隔週刊 古畑任三郎DVDコレクション》の取材中に、行方不明とされていた劇中音楽のマスターテープを発見することができました(諸般の事情で残念ながら実現しませんでしたが、参加初期から、全巻購入特典プレゼントとして『サントラ未収録BGM集CD』の企画を強力にご提案、その流れで各位に探索をお願いし、ほぼ半年後、ついに
発見していただいた、という流れでした)。


 発見された音源は、8本のDAT(デジタル・オーディオ・テープ)に収録されており、概要は以下の通りです。
 
 ① タイトル:古畑任三郎BGM#2 (収録年月日 未詳)
    
内容:テーマ関連+α
 ② タイトル:古畑任三郎(収録年月日 未詳)
    
 内容:第1シーズン用劇音楽
 ③ タイトル:古畑任三郎(1995年4月9日)
     
内容:「笑うカンガルー」用劇音楽
 ④ タイトル:古畑任三郎part②(1995年11月23日)
    
内容:第2シーズン用劇音楽 
 ⑤ タイトル:古畑任三郎 1/3 '99(1998年12月26日)
    
内容:「古畑任三郎 vs SMAP」用劇音楽
 ⑥ タイトル:古畑任三郎 No.1(1999年3月23日・24日)
    
内容:第3シーズン用劇音楽 
 ⑦ タイトル:古畑任三郎(1999年3月24日)
    
内容:第3シーズン用劇音楽(その2)
 ⑧ タイトル:古畑任三郎 No.3(1999年4月5日)
    
内容:第3シーズン用劇音楽(その3)

以下、各DATの収録曲を簡単にまとめてまいります。

①「古畑任三郎」BGM#2

テーマ曲関連等を収録

Track1
●フルバージョン
  Time(およそ):3'24"
  概要:メインテーマのロングバージョン   
     CD1に収録
  使用例:第13話「笑うカンガルー」他、Special 版等のED、
      第26話「古畑任三郎 vs SMAP」OPなどに適宜編集して
      使用。

Track2
●オープニング
  Time(およそ):1'08"
  概要:オープニングテーマ
     CD2、3に収録
  使用例:毎回のオープニングに使用

Track3
●エンディングタイトル
  Time(およそ):1'12"
  概要:エンディングテーマ
     CD2、3に収録
  使用例:毎回のエンディングに使用

Track4
●提供バック
  Time(およそ):20"
  概要:提供クレジット用毎回の提供クレジットに使用
  使用例:第2話「動く死体」奈落に戻る右近(クライマックス前)

Track5
●エンディングタイトル2
  Time(およそ):05"
  概要:劇的なアタック曲
     予告編後のタイトル画面用として作曲?
  使用例:未使用

Track6
●追加BGM 1
  Time(およそ):2'15"
  概要:サスペンス曲            
  CD1 収録の「疑心」と同音源
  使用例:
  第2話「動く死体」 死体を運び、すっぽんにのせ上がっていく右近
  ★その他多くの回で使用

Track7
●追加BGM 5
  Time(およそ):30"
  概要:管楽器主体のテーマ変奏(発見/場面転換)
  使用例:
  第2話「動く死体」 懐中電灯の罠(右近「あの野郎…」)

Track8
●Cymbal Only
  Time(およそ):1'20"
  概要:シンバルソロ
  使用例:
  第7話「殺人リハーサル」 十四郎が見つめる刀

Track9
●Timp Only
  Time(およそ):40"
  概要:ティンパニーソロ ゆっくり
  使用例:
  第7話「殺人リハーサル」 セットで考え込む古畑 

Track10
●Timp Only 2
  Time(およそ):17"
  概要:ティンパニーソロ 激しい
  使用例:
  第4話「殺しのファックス」 冒頭の犯行シーン


《MEMO》

第1シーズンの音楽は、DAT②に収められたMナンバーつきの楽曲
 まず録音され、その後、サントラCD用楽曲のレコーディングが行わ
 れて、その際に、このDAT①に収録された楽曲も併せて録音された
 のではないかと推察されます。

サントラCD用の楽曲は、DAT②TV用Mナンバー曲(以下、
 TVバージョン)とは別に、より分厚く充実した〝アルバム向けの
 オーケストレーション〟で収録が行われたことが確認されています。

テーマ曲廻りは、CDに収録されたロングバージョンだけでなく、
 通常のOP/EDテーマ提供テロップ用ナンバーも同じ編成で
 録音されているように思われます。

*CD収録曲「推理」「犯行」「秘密」等は、Mナンバー曲として収録
 した楽曲を、より充実したサウンドで再び録音したものであり、
 その際に、(おそらくは)DAT②収録後に〝追加オーダー〟があった
 「追加BGM 1」「追加BGM 5」「Cymbal Only」「Timp Only
 「Timp Only 2」も同時に録音されたのではないかと推察されます。
 「追加BGM 1」のサウンドも同様に厚いこと、そして「疑心」と
 題されてそのままCDに収録されたことが、その〝状況証拠〟といえる
 でしょう。

CD収録ナンバーのうち「都市」は、Mナンバー曲にも追加BGMにも
 該当するものがありません。これは、作曲家・本間勇輔氏がめざした
 〝シンフォニック・ジャズ〟最初の大曲であったため、TV版の枠
 収まらず、番組開始時点ではCD用のレコーディングのみが行われた
 のではないかと筆者は推測しています。
 結果、同曲の劇中での初使用は、CD完成後の第9話「殺人公開放送」
 
と、かなり遅れました(〝視聴者への挑戦〟の場面)が、その後
 「笑うカンガルー」第2シーズン以降、〝古畑登場のテーマ〟として
 定着、シリーズを代表するナンバーとなったのはご存じのとおりです。
 ある意味では「曲のスケールに、ヒットによって番組が追いついた」
 
ともいえるのではないでしょうか(第1シーズンのストイックな作風が
 続いていれば、使い勝手はよくなかったはずです)。

*もう1点。
 今回の劇音楽の探索で、最後まで音源が見つからなかったナンバーが1つ
 だけありました。毎回の〝視聴者への挑戦〟シーンで使用された、あの
 お馴染みの曲です。
 ずっと「なぜMナンバーつきの曲の中にないのだろう?」と思ってきたの
 ですが、改めてよく聴くと、同曲の編成もTVバージョンより分厚いもの
 に感じられ、もしかすると「追加BGM」として録音された方の楽曲
 だったのかもしれません。
 行方不明の理由は依然として謎のままですが、幸いサントラCDの2枚目
 に収録されているので、聴くことが可能です。

*星護監督にお話を伺ったところ、「追加BGM」が「」と「」だけで
 「2」「3」「4」がないのは、「はっきりは記憶していませんが、スタ
 ジオの時間制限の関係(録音できなかった)ではないかと思います」との
 ことでした。


② 古畑任三郎(第1シーズン用音楽)

 『古畑任三郎』第1シーズンの劇音楽(BGM)は、メインディレクター
星護監督からの20曲のオーダー表に基づき、本間勇輔氏によって、
M1~M20の〝Mナンバー〟が付された20曲(数曲にバリエーション
があり、実際には計30数曲)のナンバーが録音されています。
 本間氏が打ち合わせ時にメモを書き込まれたオーダー表をいただけました
ので、以下、DATのインデックスに記された各曲のⅯナンバー等と
組み合わせ、まとめてみます。

Track1

●M-1

星監督オーダー:1「激しい殺人」
          アップテンポ 激しいショック感 30 秒くらい
本間勇輔氏メモ:サイコ 不協   ショック 単独 ショック

  Time(およそ):40"
  概要:犯行等、アクション場面用のナンバー。
       サントラCD①に収録された「推理」のTV 用 バージョンで
       激しい後半部分のみ。  
  使用例:
  第4話「殺しのファックス」 芝公園に張り込む刑事たち 他
  第6話「ピアノ・レッスン」 犯行シーン
  ★その他多くの回で使用

Track2

●M-1(Brassのみ)

  Time(およそ):40"
  概要:上記M1の音源から金管楽器のパートのみを取り出したもの。  
  使用例:おそらくなし
  ※この、トラックダウンで特定の演奏パートのみを抽出し
   新しい曲を生み出す、いわゆる〝パート・インスト〟の手法は、
   刑事ドラマ『太陽にほえろ』等で、効果的に活用されています。
  ※『古畑』では、このパターンで作られた曲は、ほとんど活用
   されなかったように思われます(以降の曲も含め、「この場面の
   音楽はそれなのでは?」というお気づきがあれば、ぜひご教示
   くださいませ)。

Track3

●M-1(Congaのみ)

  Time(およそ):05"
  概要:Track2と同様、M1の音源からコンガの演奏を取り出したもの。  
  使用例:おそらくなし。

Track4

●M-1(Drのみ)

  Time(およそ):20"
  概要:Track2,3と同様、M1の音源からドラムを取り出したもの。  
  使用例:おそらくなし。

Track5

●M-2

 星監督オーダー:2「淡々と殺人」
          小さく鳴ったり大きくなったり 30 秒くらい
 本間勇輔氏メモ: ~50  ~60
  

  Time(およそ):1'25"
  概要:静かな犯行、アリバイ工作等を描写するサスペンス曲。
       Track1と同様、サントラCD①に収録された「推理」の
     TV用 バージョンで、こちらは(激しくない)前半部分のみ。
     ※逆に、Ⅿ1とM2を合体させ、凝った編曲を施したものが
      CD用の「推理」である可能性もあります。 
  使用例:
  第2話「動く死体」 死体を花道から舞台に移動し、偽装工作
  ★その他多くの回で使用

Track6

●M-2(pf ぬき)

  Time(およそ)1'25"
  概要:Track5の音源から、ピアノパートをカットしたもの。  
  使用例:おそらくなし。

Track7

●M-2(Brass Per のみ)

  Time(およそ):1'40"
  概要:Track5から、金管楽器のパートと打楽器のみを取り出したもの。  
  使用例:おそらくなし。
       ※やや長いので、もしかすると別テイクがベースの可能性も。

Track8

●M-2(Brass ぬき) 


  
Time(およそ):1'40"
  概要:Track5から、金管楽器を抜いたもの(弦+ピアノ+打楽器)。    
  使用例:おそらくなし。 
  ※やや長いので、もしかすると別テイクがベースの可能性も。

Track9

●M-3

星監督オーダー:3「不安感」
          ミドルテンポで  1分ほど
本間勇輔氏メモ: テーマ or コード HM2-2
         (※HMの意味を考察中です)
 
         ラスト カットアウト+よいん

  Time(およそ):1'25"
  概要:
  手がかりの発見、静かなクライマックス等に使用されたナンバー。
  サントラCD①に収録された「犯行」の シンプルなTV 用バージョン。  
  使用例:
  第5話「汚れた王将」 「投了と考えてよろしいでしょうか」
  第6話「ピアノ・レッスン」 何かを発見し、ピアノに歩み寄る古畑。
  第29話「忙しすぎる殺人者」 犯行シーン(射殺直後から使用)。
  ★その他多くの回で使用

Track10

●M-3’(Vib ぬき)

  Time(およそ):1'25"
  概要:Track9の音源から主旋律を奏するヴィブラフォンを外したもの。  
  使用例:おそらくなし。

Track11

●M-4(前半)

星監督オーダー:4「古畑の登場」
        ミドルテンポ とぼけて 10 秒ていど
本間勇輔氏メモ: M1(意味を考察中です)

  Time(およそ):12"
  概要:
  古畑、今泉関連のギャグ的シーン等に使用。
  サントラCD①に収録された「物証」のTV用バージョン(イントロの
  フレーズのみをブリッジ的に編曲)
   ※ M-5が「物証」全体のTV用バージョンとなります。
  使用例:
  第7話「殺人リハーサル」 古畑登場(+Track13のファンファーレ)

Track12

●M-4(前半 Slow ver)

  Time(およそ):17"
  概要:同上(Track11のやや遅いタイプ)
  使用例: 第7話「殺人リハーサル」  「無茶をされるお方だ」

Track13

●M-4(前半 もっと Slow)

  Time(およそ):20"
  概要:同上 (Track11のさらに遅いタイプ)
  使用例:未使用?

Track14

●M-4(後半)

  Time(およそ):10"
  概要:「物証」TV 用(後半部分をファンファーレ風に仕上げた
       バージョン) 
  使用例:
  第4話「殺しのファックス」 解決編・今泉登場!
  第7話「殺人リハーサル」 古畑、自転車で撮影セットへ 

《MEMO》
*星監督のお話では、この〝スロー〟〝もっとスロー〟は、録音時、
 その場で監督が追加オーダーされたとのことです。
*同じく星監督のコメントですが、「どの作品でも、作っていただいた
 楽曲は、可能な限り使用するようにしている」そうです。
 星監督の担当エピソードで音楽の使い方にイレギュラーな場合が多い
 のは、パターンに囚われない自由さと併せ、そのスタンスもあったの
 ではないかと思われます。

Track15

●M-5

星監督オーダー:5「間抜けな部下、今泉」 
          ユーモラス ミドルテンポ 音、とぎれとぎれ 30 秒

本間勇輔氏メモ:  全体 ユーモラスシーン M1 or  アダムスファミリー
          Tbワウ   ババンババン・(四分休符)・〃・〃

  Time(およそ):50"
  概要:
  古畑、今泉関連のギャグ的シーン等に使用。
  サントラCD①に収録された「物証」のTV用バージョン
  使用例:
  第6話「ピアノ・レッスン」 
  古畑タクシーで到着(細かいけどいい?)
  第7話「殺人リハーサル」 記者会見その1

Track16

●M-5'(弦小さめ)

  Time(およそ):50"
  概要:M-5の別テイク  
  使用例:未使用?

Track17

●M-5''(Slow ver)

  Time(およそ):55"
  概要:M-5をスローにした別テイク
  使用例:
  第7話「殺人リハーサル」 
  記者会見その2 / 蟹丸警部「相変わらず、殿さま出勤だね」

《MEMO》
*本間勇輔氏メモにある「Tbワウ」は、トロンボーンの音色を変える
 器具〝ミュート〟の一種、〈ワウワウミュート〉のことを指している
 のではないかと推察されます。
*このイントロ、筆者は『クルーゾー警部のテーマ』を連想していたの
 ですが、イメージのベースは『アダムス・ファミリー』でした。

Track18

●M-6

星監督オーダー:6「犯人との会話・古畑、探りを入れる」 
        おさえめ とぼけていたりサスペンス感があったり 
        2分ほど
本間勇輔氏メモ: くるぞ 4  きたー 
         (サスペンス 予感)→ メリハリ 大げさ(?)
         ミドル  M1 コード中心 メロディだんだん

  Time(およそ):2'15"
  概要:古畑、今泉関連のギャグ的シーン等に使用。
     サントラCD①に収録された「物証」の
     いうならばTV用フルバージョン
  使用例:
  第2話「動いた死体」 「ココアだぁ」
  第4話「殺しのファックス」 エレベーターの場面
  第12話「最後のあいさつ」 モスラバーガー/科研での今泉と桑原
  第21話「魔術師の選択」  冒頭の動物病院 
  第42話「ラスト・ダンス」 生きていた被害者に怯える今泉

《MEMO》
*(以下、準備中)

Track23

●M-7(ふつう)

星監督オーダー:7「おとぼけ刑事」 
        50秒ほど  とぼけてスローテンポ 
本間勇輔氏メモ: ダダダダ 10”  ぶ厚く  
         出てくるものが ドアの向こうにわかる
         ※カッコでくくった後、線で消したようにも見えます。

  Time(およそ):20"
  概要:管楽器のアタックによるブリッジ風
     ※おとぼけ風でもスローテンポでもないのが興味深いです。
  使用例:未使用?

Track24

●M-7(はやめ)

  Time(およそ):20"
  概要:上記M-7のバリエーション
  使用例:未使用?

Track25

●M-8

星監督オーダー:8「時間経過」 
        静かだがちょっと不安感がある  40秒 
本間勇輔氏メモ: ゆっくり  チッチッチ   リズム *** ***
         あらしの前のしずけさ  ****感  Mainテーマ?

解読できた方、ご一報くださいませ。
「ドラムス」「パーカッション」でしょうか。

  Time(およそ):1'50"(55秒ほどの曲を2回くり返し)
  概要:ウッドベースの印象的なフレーズから入り、リズムの刻みに
     のって静かな緊張が続くサスペンス曲(テーマ変奏)
  使用例:
  第2話「動く死体」 茶漬けを食う右近~古畑と出会う 
  ★その他、『Final』までシリーズを通して多くの回で使用。

Track19

●M-9

星監督オーダー:9「事件の急展開」 
        アップテンポ わくわくどきどき 厚く
        2分ほど 
本間勇輔氏メモ:  デモ Mainテーマのメロディから始まる 
          金管かっこよく(低い音域) リズム弦
          1分(ほど)   オペラの ~~

  Time(およそ):1'15"
  概要:メインテーマ変奏(疾走イメージ 激しい中間部つき)
  使用例:
  第2話「動く死体」 楽屋に走る右近
  第4話「殺しのファックス」歩道橋に走る幡随院
               芝公園のクライマックス
  第9話「殺人公開放送」 死体の発見
  第11話「さよなら、DJ」 今泉の疾走(2回め)
  ★劇中での使用は第1シーズンのみ。
  ★短く編集され、第1シーズンおよび第2シーズン数作で
   予告編用音楽として使用された。

《MEMO》
*星監督のお話では、「当時の習慣として、自分が手がけたドラマで
 予告編用音楽を作った記憶はありません」とのことでした。

Track20

●M-10

星監督オーダー:10「古畑、彼の推理を語る」 
        スローテンポで30秒 
        それからテンポアップして全部で40秒ほど
        静か~最後だけ短く派手
本間勇輔氏メモ:  2パターン 
30秒→20秒  40秒→30秒
          7~  ラスト3~4 短く

  Time(およそ):45"
  概要:静かなメロディ~激しいブリッジ
  使用例:
  第25話「消えた古畑任三郎」 今泉「どこ行っちゃったんだろ古畑さん」

Track21

●M-10(B TYPE)

  Time(およそ):35"
  概要:(M10のバリエーション)
  使用例:
  第2話「動く死体」  野崎の死体(M18 のD+最後のブリッジ部分)

Track22

●M-10 '

  Time(およそ):1'45"
  概要:(M10の長いバージョン)
  使用例:
  第3話「笑える死体」 視聴者への挑戦シーン
  第6話「ピアノ・レッスン」 クライマックス後、犯人・井口薫の述懐
  第34話「哀しき完全犯罪」 通報後、警察を待つ犯人・さくら

Track26

●M-11

星監督オーダー:11「運命の急展開」 
        テーマをアップテンポで重厚に 10 秒ていど
本間勇輔氏メモ:  パパパ 【リピート記号?】 〃   〃   パーパ(?)
          aug    ※音楽用語「オーギュメント」の略号?

  Time(およそ):15"
  概要:ショックブリッジ(テーマ変奏)
  使用例:
  第13話「笑うカンガルー」 トランプをやりに夫人の部屋へ
  第22話「間違えられた男」 古畑登場(魚眼レンズ)
  第42話「ラスト・ダンス」 ドアが閉まる音で動くピンキー

Track27

●M-11(HARPなし)

  概要:M‐11のハープなしバージョン
  使用例: 未使用?

Track28

●M-12

星監督オーダー:12「会話で犯人を追いつめてゆく古畑」 
        スローではじまり30秒過ぎから次第にテンポアップ  
        2分半
本間勇輔氏メモ:  会話の背景  
          頭1:30 たんたん(楽器がかわる)
          のこり1~30 < おいつめていく

  Time(およそ):2'30"
  概要:解決編での追及、古畑が真相に気づく件りなど(テーマ変奏)
  使用例:  
  
第2話「動く死体」 解決編(後半のみ 止まらないすっぽん)
  第3話「笑える死体」 クライマックス(フルバージョンで使用) 
  ★その他、シリーズを通じて多くの回で使用された最重要曲の1つ。

Track29

●M-12(Pf なし)

  Time(およそ):2'30" 
  概要:Track28から、ピアノのパートのみカットしたもの。
  使用例:  
  第7話「殺人リハーサル」
  第9話「殺人公開放送」
  第16話「ゲームの達人」で使用
  ※その他、第19話「VSクイズ王」等では、M-12と組み合わせる
   形で使用されている。


Track43

●M-13

星監督オーダー:13「犯人、証拠隠滅の行動をする」 
        ミドルテンポ 1分ほど
本間勇輔氏メモ:  新 緊張持続
(?) Main のテーマ or コード

  Time(およそ):1'40"
  概要:サスペンス曲(テーマ変奏)
  使用例:第2話「動く死体」 舞台上の対決(なかった懐中電灯)
  ★その他、多くの回で使用された最重要曲の1つ。


Track44

●M-14

星監督オーダー:14「犯人も本当はかわいそうな人」 
        寂しく 1分半ほど
本間勇輔氏メモ: さりげなく HM2 
         しずかに  弦中心  チェロ中心  ソロではない
         HM1  Sound of Music

  Time(およそ):1'40"
  概要:美しいメロディのスローナンバー。
     サントラCD①に収録された「秘密」の、短くシンプルな
     TV用バージョン。  
  使用例:第25話「消えた古畑任三郎」 女性犯人との出会い

          
 Track45

●M-14(B) 

  Time(およそ):1'40"
  概要:M-14の編曲違いバリエーション(短い序奏つき)。 
  使用例:
  第1話「死者からの伝言」 解決後(犯人との会話)
  第2話「動く死体」 解決後(犯人との会話)


Track30

●M-15

星監督オーダー:15「事件の解決」 
        20 秒ほど静かに事件を回想した後、
        いきなり短く盛り上がって  全部で30 秒ほど
本間勇輔氏メモ: 静かな弦 テーマ かくちょう高く  5< 4~5

  Time(およそ):40"
  概要:終幕の曲(やや長い) 。 
  使用例:
  第1話、第2話、第7話、第8話はじめ
  多くのエンディング直前に使用


Track31

●M-15(B TYPE)

  Time(およそ):35"
  概要:終幕の曲(やや短い)。 
  使用例:
  第3話、第4話、第5話、第6話、第10 話、第11 話はじめ
  多くのエンディング直前に使用

Track32~35

●M-16(A~D)

星監督オーダー:16「CM前およびエンドクレジット前」 
        アメリカテレビシリーズ風に短く盛り上がって  
        6秒~10秒
本間勇輔氏メモ: ラスト パパ―  
         アイアンサイド  ベンケーシ―  トワイライトゾーン

  Time(およそ):09"/08"/06"/05"/
  概要:ショックブリッジ 4曲
  使用例:
  A 未使用?
  B 第4話「殺しのファックス」 エレベーターの場面 ラスト
    第9話「殺人公開放送」 「刑事の目はごまかせません」
  C 第25話 赤い洗面器の男の話ラスト
  D 未使用?

Track36

●M-17

星監督オーダー:17「オーケストラアタック」 
        2秒ほどのショック感のあるアタックを 1秒ていどずつ
        間を開けて8個ほど  だんだん音階が上がってゆく
本間勇輔氏メモ: バーン

Time(およそ):25"
  概要:ブリッジ風ナンバー (B TYPE のテイク違い)
  使用例:未使用?
 

Track37

●M-17(B TYPE)

Time(およそ):30"
  概要:ブリッジ風ナンバー (M-17 のテイク違い)
  使用例:第4話「殺しのファックス」 解決編(驚愕する幡随院)
      第25話「消えた古畑任三郎」 同シーン

Track38~41

●M-18(A~D)

星監督オーダー:18「オーケストラアタック2」 
        ある種の驚き 3秒~8秒ほどでドラマのメリハリ用
本間勇輔氏メモ: ショック 不協  おもいきりならす

  Time(およそ):5"
  概要:短いアタックブリッジ 4パターン
  使用例:
  第4話 「殺しのファックス」 「古畑君、どう思う?」(B+D)
  第7話 「殺人リハーサル」 竹を一閃!(D)
  ※A、Cは未使用?

Track46

●M-19

星監督オーダー:19「テーマ・弦のみ」 
         抒情的  スローテンポ  50秒ほど
本間勇輔氏メモ: 
スロー → ミドル  弦のかれいな  歌う

  Time(およそ):1'00"
  概要:メインテーマ変奏(美しい弦)
  使用例:
  第13話「笑うカンガルー」「私のまわりではカンガルーが笑ってる」
  第26話「古畑任三郎 vs SMAP」 解決編 前田さんと5人
                  (〈動機〉とメドレー風に連続)
  第28話「若旦那の犯罪」 解決編 自白する犯人・雅楽
  第40話「今、甦る死」 解決編 暴かれた殺人
  第41話「フェアな殺人者」 少年たちをコーチするイチロー 
  第42話「ラスト・ダンス」 解決編 ちなみについて語る古畑  他

Track42

●M-20

星監督オーダー:20「テーマ・ブラスのみ」 
         ミドルまたはアップテンポ  勇ましく  40秒ほど
本間勇輔氏メモ: ⑨よりもメロディー  ブラスアンサンブル

  Time(およそ):45"
  概要:メインテーマ変奏(ブラス)
  使用例:
  第3話「笑える死体」 自転車で現れる古畑
  第7話「殺人リハーサル」 視聴者への挑戦

Track47

●エキストラ

  Time(およそ):計1'30"
  概要:ハープソロによるブリッジ × 5パターン
  使用例:おそらく未使用

**********************

③古畑任三郎(「笑うカンガルー」用劇音楽)

録音日:1995年4月9日

第1シーズン終了から10か月後の1995年4月12日、オーストラリアロケを敢行した2時間スペシャル「笑うカンガルー」が放映されました。
本間勇輔氏には、海外ロケ物のイメージづくりの楽曲と、新しいサスペンス曲が発注され、のちにサントラVol.2にて《フランス式指電卓》、そして《完全犯罪》と題されることになるナンバーが誕生、初のスペシャル回に見事、スケールとゴージャスさを添えることになりました。
以下、DATのインデックスに記された録音データを元に、概要をまとめてみます。
録音は、1995年の4月9日(オンエアの3日前!)に行なわれています。

デアゴスティーニ《隔週刊 古畑任三郎DVDコレクション》
13号より

Track1

●古畑 リゾート # 1

  Time(およそ):3'05"
  概要:サントラCD②に収録された「フランス式指電卓」の別テイク
  使用シーン:なし(NGテイク)

Track2

●古畑 リゾート # 2

  Time(およそ):3'05"
  概要:サントラCD②に収録された「フランス式指電卓」と同音源(OKテイク)
  使用例:
  第13話「笑うカンガルー」 冒頭の空撮:ホテルや授賞式の描写。
  第23話「ニューヨークでの出来事」 冒頭、走るバス。
  第42話「ラスト・ダンス」 TV局のかえで/試写会・古畑登場。


Track3

●古畑 リゾート # 3

  Time(およそ):10"
  概要:「フランス式指電卓」ブリッジ(NGテイク)
 

Track4

●古畑 リゾート # 4

  Time(およそ):10"
  概要:「フランス式指電卓」ブリッジ(OKテイク)
  使用シーン:なし

Track5

●古畑 サスペンス # 1

  Time(およそ):3'00"
  概要:サントラCD②に収録された「完全犯罪」の別テイク
  使用シーン:なし(NGテイク)


Track6

●古畑 サスペンス # 2

  Time(およそ):3'00"
  概要:サントラCD②に収録された「完全犯罪」と同音源(OKテイク)
  使用例:
  第13話「笑うカンガルー」 偽装工作(1回め)/犯行シーン
  第17話「赤か、青か」 警備員から隠れる林~鍵がない/
              自転車で到着する林/林に犯人像を語る古畑
                    ~ガムをはさみ、線を切る今泉
              /解決編「鍵はまだゴンドラの中です」から
  第22話「間違われた男」 殺意~犯行直前まで
  第24話「しばしのお別れ」 遺体の検分  
  第34話「哀しき完全犯罪」 犯行シーン
  第40話「今、甦る死」 犯行シーン
  第41話「フェアな殺人者」 犯行シーン 

  

④ タイトル:古畑任三郎part②(第2シーズン用劇音楽)

録音日:1995年11月23日

Track22

●M1  スロー  テーマアレンジ

  Time:2'15"
  概要:サントラCD②に収録された「動機」と同音源(OKテイク)
     ※「動機」冒頭につけられたブリッジは、後述のM3。
  使用例:
  第14話「しゃべりすぎた男」 エピローグ 今泉と古畑
  第15話「笑わない女」 エピローグ 自供する宇佐美先生
  第18話「偽善の報酬」 エピローグ「今のドラマはしゃべりすぎよ」
  第30話「古畑、風邪をひく」 エピローグ 
  第32話「古い友人に会う」 解決編 救われる命
  第39話「すべて閣下の仕業」 国連大使のオファー/自供する閣下 
  他

Track23

(C~HARPのみ)

  Time(およそ):1'30"
  概要:M1からハープ部分を抜き出したナンバー。
  使用例:
  第40話「今、甦る死」?   「都会へ戻ろう」~音也のノート
  (M1と編集して使用?)
  第42話「ラスト・ダンス」? 「今朝、姉が他界しました」
  (M1と編集して使用?)


Track24

TK2

Time(およそ):2'20"
  概要:Track22の別テイク。
  使用例:なし?


Track25

(C~HARPのみ)TK2

  Time(およそ):1'30"
  概要:M1のテイク2からハープ部分を抜き出したナンバー。
  使用例:なし?



④ タイトル:古畑任三郎  1/3 '99(古畑任三郎 vs SMAP用劇音楽)

録音日:不明


      

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