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「日本産淡水魚」×「暗渠」×「人文」 【#魚に出会える本屋さん】店主の自己紹介 その1 #日本産淡水魚

日本産淡水魚趣味の「手作り感」

きっかけは中3のときに多摩川に自転車で釣りに行ったことです。その場で仕掛けをおじさんたちに教えてもらって、まず小物釣りにハマり、次に日本産淡水魚にハマりました(釣りは小2から好きでした)。

なんでハマったのかと言うと、「身近さ」ということと、その身近な生き物を捕まえたり、愛でたり、写真を集めたりすることの「手作り感」がちょうどよかったのだと思います。DIY感って言ってもいいでしょうか。

例えば、熱帯魚を趣味とすることに手作り感はあんまりありません。だれかが南米から捕ってきた魚、あるいはそこから繁殖された魚が「売られている」。お金を介在させないと楽しめない趣味なんですね。

あるいは海釣りも、私にとっては身近ではなかった。電車に乗るか、車の運転できる人に車で連れて行ってもらわないとできない。

でも川で小魚を捕ることは違いました。自転車で行って、自分でポイントを探す。仕掛けも延べ竿に針が一個ついているだけですから、手作り感が強いわけです。

あと家で飼育できることですね。海水魚ではなかなかこうはいかない。熱帯魚を飼育するにもヒーターが必要です。日本産淡水魚ならヒーターはいらない。駐車場に置いた衣装ケースでも飼える。

もちろん、美しさも。


ウェブで倫理観を学ぶ

当時は『日本淡水魚類愛護会』と『都会の水辺』というHPの常連でした。

『日本淡水魚類愛護会』(今も続いています)と『都会の水辺』は、【結構ハードコア】な淡水魚サイトで、そこで「倫理観」というか、フィールドでの「正しさ」みたいなものへの薫陶を受けました。

例えば「ガサガサ」は、当時手軽な採集の方法として流行していたと思うのですが、その植生にダメージを与えるという危険性について、あるいは、個人HPが盛んな時代でしたから、乱獲につながる生息地公開の危険性について啓蒙・議論がありました。

国外移入種は言わずもがなですが、国内移入種の問題についても知りました。特に、他の水域のメダカの放流による遺伝子レベルでの混雑や「環境保全」のためのコイの放流による生態系の破壊などについて、採集や飼育の情報を共有しながら、楽しく学んでいました。

自分でもホームページを作って、記事や写真を公開していました。



フィールドから遠ざかる

そんな私がフィールドから遠ざかったのは、高1の終わりごろだったと思います。

当時、中国・四国・九州地方原産の人気飼育魚オヤニラミが首都圏の河川で増え始めていて、それを『都会の水辺』の管理者の方と一緒に駆除していたのですが、段々と辛くなってきてしまいました。

そもそも、そのときの首都圏にいる多くの魚種が、「国内移入種」でしたから、「移入種の駆除」を原理的に行うと線引きができないんです。

それで行き詰まるころに、予備校にも通い出したので、フィールドを離れ、自分のHPも閉鎖しました。


環境保全について、今考える

環境保全という言い方にしろ、自然保護という言い方にしろ、そういうものを行うには「共通了解」をどうやって作り出すかが課題だと思います。

アメリカザリガニの飼育が、もうすぐ禁止になるわけですが、いやーこれ、共通了解を得にくい。

<追記>
アメリカザリガニ【以外】の外来ザリガニの飼育が禁止となり、アメリカザリガニは単に放流禁止でした。


アメザリ問題は、当時も考えていたのですが難しいです。かなり生態系に影響を与える外来種でありながら、多くの子供たちにとって、自然界の最初の遊び相手になることが多いわけです。


そのころ、HPを閉じるころに考えていたのは、予備校のテキストで読んだ評論文に書かれていた「自然保護と言うのは各人の原風景を目指す行為だ」ということでした。

それを読んで、「ジャー無理じゃん」と思ったんですね。

アメリカザリガニが小さい頃からいたなら、アメリカザリガニがいる川が原風景です。それはブラックバスでも同じだし、国内移入種としてのオヤニラミでも同じです。

だから、アメリカザリガニを駆除する行為は、アメリカザリガニを原風景としている人にとっては「自然破壊」なわけです。つまり、アメリカザリガニを楽しそうに釣っている、そして家で名前を付けて飼っている子供の横で、私はアメリカザリガニを駆除できるのかということです。

そう考えていて、「むり」と思って、当時の私は考えるのをやめ、フィールドから離脱しました。

15年が経って、状況が好転したようには思えません。「特定外来生物の指定」とか、「希少動物保護強化条例」のような制度は作られていると思うのですが、私たちの考え方が変わっていない。そう思います。



身近なフィールドでも、15年前はほとんど名前を聞かなかったスモールマウスバスが、首都圏の河川にたくさんいます。驚くべき事態です。どれほどの生物が影響を受けているのでしょう。

そして、これ、ものすごく難しいんですが、バス釣りをする人や淡水魚を愛好する人の、社会や政治へのかかわり方の問題、これについて私は考えたい。

実際、日本でも淡水魚愛好家のアカウントで、国旗がはためいていたり、排外主義的なツイートを目にすることは多いです。

このへんはいま、もやもや考えているところ。しかし一緒に考えたり話したりできる人もいないのでなかなか難しい。

全然、自己紹介じゃなくなってしまいました。いや、でもこういうことを考えられる場所として【#魚に出会える本屋さん】をデザインしたいと思っています。



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