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【蝶毒】真島芳樹の「言い聞かせ」を深読みしてみる

■初めに

乙女ゲーム「蝶の毒華の鎖」(通称「蝶毒」)における、
プロローグの真島の「俺は使用人ですから」発言に
ついて深読みしてみました。

ゲームの核心についての重大なネタバレを含みます。
あらかじめご了承ください。


■言い聞かせとその理由

プロローグで真島は自ら、
「俺は使用人ですから。姫様の足の泥を落とすのは俺の役割です」
と言っています。

これは、
彼は自分にも言い聞かせてるんじゃないかと思います。

わざわざ誰かに言われなくても、
彼はよくわかっているはずですから。

また、その場には百合子と真島の2人しかいません。

復讐をするつもりの真島は、この瞬間が
百合子といられる最後のチャンスだと、
痛いほどわかっているわけです。

その気になれば、百合子を連れ去ろうと思えばできたはずです。

もしくは、自ら課した復讐を捨てて、
百合子と一緒になることを望んでたわけと思います。
心のどこかで。

でなければ、百合子を屋敷に帰すときに喋りが淀む訳ない……
と思います。

(台詞をイヤホン等で聴くと、
若干声が掠れ、喋りもよどんでいるように聞こえます。
あくまで自分の主観ですが。)

・具体的な言い聞かせについての推測

具体的には、

自分は野宮家に復讐するために使用人として忍び込んだ訳だから、
それをおめおめ忘れるなよ、

と、彼は殺人の計画の実行の直前まで、
そう自分に言い聞かせてたんじゃないかと思います。

彼は多分、毎晩見る悪夢や、
百合子と日々過ごした幸せな時間を通じて、

心のどこかでは自分が恐ろしい勢いで
自らの妹を〇す(〇姦的な意味です)
獣じみたところがあると
察していてもおかしくないかと思います。

(悪夢というのは、
公式ビジュアルファンブックに載っているSS「千夜の夢」に
詳しく記載があります。

使用人として野宮家にもぐりこんだ真島が、
幼い百合子と出会い、夢の中で彼女をめちゃくちゃに〇す
というシーンです。

また、ハッピーエンドでは
「自分がこんなに獣じみていたとは思わなかった」と
いうようなことを言っています。
現実でも夢と同じような激しさがあった、ということです)

百合子と一緒になれば、
彼女を汚してしまうと直感的に分かっているのです。

彼は自分を極限まで縛り付け、
復讐のために生きているんだ、
甘い夢を見ちゃいけないんだ、

と、言い聞かせなければならなかったんじゃないかと思います。

■終わりに

あくまでも主観ですが、
真島は百合子と話してる時はすごく楽しそうで、
少年みたいに無邪気に見えます。

自分の中にある僅かな理性、復讐心で、
恋心を押さえつければならなかったんじゃないかと……。

その蓄積が彼のあの一言、「俺は使用人ですから」と、
言わなくても誰にでも分かる、
明白な事実を彼に言わせたんじゃないかと推測します。

あの台詞がどこか切なげに聞こえるような気がするのは、
このnoteで述べたような葛藤が背景にあるからではないか、
と思います……。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

蝶毒について、ネタバレ前提にはなりますが、
他にも考えてみたり呟いたりしています。
良ければご覧ください。

ミスを見つけたり、
感想等ありましたら、コメントしていただけると嬉しいです!!!


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