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ゲームで考える野球采配論⑩ープロスペクトランキングvol.2


 本稿はプロスペクトランキングの後半。前半は25位から13位まで。
 本稿に出てくるプロスペクトは特Aクラス。いわば一流になる潜在能力がある選手たち。

12位

 日本ハムからドラフト一位指名を受けた外野手。社会人出ということで即戦力候補。何より魅力なのは走力と守備力で一年目から代走守備固めとして活躍可能。近年ユーティリティーの存在が重要視されているが、その流行に乗れるであろう選手。ショートと捕手以外平均以上に守れる守備力があれば、決して打力が伸び悩んだ場合でも貴重な選手だ。西川遥輝の上位互換を目指して欲しい。

11位

 楽天から二巡目指名を受けた大卒一年目捕手。楽天から若手は七人選出され、三人がAランクだった。その中でも一番の評価。打力守備力共に一定の力があるので、将来伸びてくればリーグを代表する正捕手になれるかもしれない。守備型ではあるが、打力オールEは一年目としては充分だ。

10位

 2018ドラフト一位指名。打力には脆さや弱さがまだ残るが大卒二年目としては戦力になれる能力。現状守備固めだが、課題も明白。ヤクルト外野陣はやはり世代交代がいる状況。チャンスをつかめればというところ。

9位

 2019年のドラフト一位指名外野手。10位の朝倉と比べ若いながら身体能力は抜群。打力には目をつぶり、守備能力ならば一軍でも戦える。年齢を考慮して9位にランク付けした。

8位

中日期待の高校生内野手

 ドラフト2巡目指名の高校生。打力に期待が持てるトッププロスペクト。早いところメインの守備位置を決めながらパワーと走力でのし上がりたいところ。少々粗い打席も目立つかもしれないが是非使ってほしい。

7位

 2019ドラフト1巡目指名の大卒捕手。打力はいまいちだが、守備能力が充実。捕手の守備力は育成が難しい部分なので、そこに信頼がおけるのは将来が楽しみな要素。

6位

 社会人からプロ入りした4年目。2017年ドラフト4巡目指名の投手。3年かけて最速154キロと充実してきた。球速が安定しないところや球威にまだ不安が残る点、チェンジアップが勝負球にならないなど難しいところはあるが、調子が良い時の投球が出来るようであれば戦力になる。

5位

 2018年のドラ1である高村。大卒2年目のシーズン。プロで通用する打力を兼ね備えて今年がデビューの年。これからどれだけ能力が伸びていくかわからないのに加えて、守備能力にはかなり不安があるが、身体能力には申し分ないため、十分チームに貢献できそうだ。

4位

 社会人からドラフト1巡目指名を受けた。最速150キロの球威あるストレートが武器でチェンジアップを始め完成度はアマチュアでも上位だった。阪神から一位指名を受けた神村と左右のエースとして見られるだろうか。
 それぞれ総合的に能力を上げていけば横浜のエースになれる。

3位

 横浜ベイスターズ内のプロスペクトランキングトップはこの選手。ドラフト二位指名の樋口はプロレベルのバットコントロールが武器。守備能力を除けばプロでやれる能力は備わっており、手薄な内野を埋めるキーパーソンになるだろう。最終的には一塁手に落ち着きそうだが、代打からでもチャンスを掴み早く一軍で打席を見たい選手。

2位

 プロスペクトランキング2位は大卒二年目の羽鳥。2018年に二位指名を受けた右腕は、最速153キロの直球が武器。落差のあるスプリットと共に完成度は高い。ただコマンドに難があり、メンタル面でも成長しなければ一軍のマウンドは見えない状態。持っているものがよく、はまればエース級になる素材のため2位にランクインさせた。

1位

 堂々のプロスペクトランキング1位は読売ジャイアンツの日野。高卒一年目の野手としては現役最高ともいえる打力を持つ。既に新人王資格は失効し、タイトルを狙うなら今年が勝負だが急がず育成したい逸材。強打の左打者になれば、レギュラーのみならず日本を代表する三塁手になれる。


 以上が25位から1位までのプロスペクトランキング。一人しかランクインしなかったのは日本ハムと広島。日本ハムは数人レギュラーとして活躍するドラフト組もいるため、深刻なのは広島か。プロスピ発売当時、広島は黄金期だったことも影響している。ドラフト組が割って入る隙間が無い。
 広島はプロスぺレベルの年齢層の人数は14名いるのだが、その大半がレギュラーになりきれていない現状があった。結果将来性という意味で鍵和田一人のランクインとなってしまった。
 プロスペクトランキングは日本ではあまり流行らないが、チームやリーグ全体を考える指標ともなり、将来出てくる選手を予想する楽しみもある。もっと日本で流行ってほしい気持ちはある。
 若手はプロ入り年数によって選手への期待値が変わっていくが、チームの核をどのように育て上げていくかを考えるのも楽しく、チーム運営の醍醐味。
 佐々木朗希を大切に育てるプロセスがロッテにあり、何故かそれが絶賛されていたが、選手によって対応が違うのは当たり前だし「頑張らせない」ことを美徳だとする外野の人間の多さには複雑なのだが(辟易するが)、保有する若手が育たない球団は原因を究明してもらいたいし、育つ球団からメソッドを盗んでほしいとも感じた。

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