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ぴよ将棋と対局して気づいたこと

局後の反省

 今日は、先日のぴよ将棋(レベル31「ひよ蘭」)との対局の反省と、ぴよ将棋と対局して気づいた事をまとめたいと思います。
 まず、局後の反省ですが、何より287手という長手数になってしまったことがあげられます。将棋においてこのように長手数になるのは2つの要因があります。

将棋で長手数になる2つの要因

 1つ目は、入玉の場合です。特に相入玉の場合は、お互いが寄せを放棄してひたすら入玉を目指し点数稼ぎをしたりするため必然的に手数が長くなります。また、相手陣まで潜った玉を寄せるのは大変なので、寄せを目指すとしても手数は長くなります。
 2つ目は、互いに悪手を多く指した場合です。主にアマチュアで見られるのですが、お互いに寄せを間違えて、粘りを与えるとこれも手数が長くなる原因となります。トッププロの場合は、この2番目の要因で長手数となることはまれですが、アマトップクラスでも結構長手数の将棋は観られます。

長手数になったポイントとなる局面1

 先日のぴよ将棋との対局で、明らかにミスをしてしまった局面を2つ紹介します。


銀がタダだった

 図の局面ではすでに先手(プレイヤー)側が勝勢になっています。ここで▲2五香と銀を取っておけば、△同桂とできない(金が取られてしまう)のでもっと早く勝ちでした。実戦では、この金がタダで取れるというのを見過ごしていたため、別の手を指してしまい手数が伸びてしまいました。

長手数になったポイントとなる局面2


ここでは詰まさなければならなかった

 次の反省点は、上図です。この局面はすでに先手が勝ちになっています。つまり、後手玉に即詰みがありました。それほど長い手数ではないので、考えてみてください。この詰みを逃したことが更なる粘りを与え長手数となる要因となりました。

ぴよ将棋と対局して気づいた事1

 このようにいくつかミスはしましたが、結果としては勝ちを収めることができました。対局してみて2つほど気づいた事があります。
 一つ目は、先手番だろうが後手番だろうが、千日手を回避する傾向があることです。後の棋譜を見てもらうと分かりますが、この対局でも何度か千日手になりそうなところがありました。
 プレイヤー側が先手なので本来後手のぴよ将棋とすれば千日手は歓迎のはずです。しかし、こちらが千日手にしようとしても無理矢理手を変えて来て、しかもそれがタダで歩を捨てるような悪手で、ぴよ将棋側が形勢を損ねるという場面が何度もありました。これが、ぴよ将棋特有の動作なのか、AI全般に言える傾向なのかは分かりません。

気づいた事2

 もう一つは、棋力の調整の仕方についてです。以前もお話ししましたように、ぴよ将棋は他のネット将棋などと棋力を絶妙に合わせて作られています。
 その棋力の調整の仕方に特徴を感じました。例えば、私が対局したひよ蘭の場合は、まんべんなく4段レベルの手を指すのではなく、明らかに甘い手を1手2手指すのです。
 どういった基準で甘い手を指すのかは推測の域を出ませんが、恐らく相手プレイヤーの指し手を見て決めているような気がしています。相手プレイヤーがある程度のレベルであると判断すると、それ以上力を出すのを控える傾向があると感じました。だから、5段レベルの人間が4段相当のレベルのぴよ将棋と戦った場合、人間側が少しずつ押し切るというよりは、ある手を境に一気に勝勢となる展開になることが予想されます。
 具体的に人間側の棋力をどう判断しているのかははっきり分かりませんが、1局の中で指した手筋の数や読みの深さといったものを判断基準としているのかもしれません。ですから、ぴよ将棋に勝つためにはAI側にこちら側がある程度強いプレイヤーであることを認識させることが大事だと思っています。
 対局中相手が明らかに甘い手を指してきた場合は、AI側が負けを一部認めているサインなので、油断せずに指せば勝てると思います。

おわりに

最後に私の指した将棋の棋譜をリンクで載せておきます。
今後ぴよ将棋と指す際の参考にしていただければ幸いです。



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