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将棋 勝利の哲学

将棋が強くなるために必要な心構え

 将棋で強くなるための方法論といったことは、色々な方が提唱されていてある程度の実力、実績のある方のおっしゃることであれば、多かれ少なかれそれなりに的を得ているものです。ですので、将棋が強くなりたければその中から自分にあった勉強法を見つけて地道に取り組んでいけばよいと思います。
 今日は勉強法ではなく、実戦を指す上での心構えについて述べたいと思います。

私の将棋倶楽部24の級位者時代

 ネットの場合は、切れ負け以外は秒読みで指すことになりますが、この秒読み将棋の指し方は将棋の上達にとってとても重要です。
 私が、将棋倶楽部24で1000点前後をずーっとうろうろしていた時の事です。1万局以上指して、ずーっと同じレート帯をさまよっていた時にふと思いました。それは、自分は実力的には既にかなり付いてきているのに、なぜかレートだけが伴って上がっていかないということです。なぜ、そう感じたかというのには2つ理由があります。
 一つ目は対局中の手の見え方が、明らかに良くなってきたと実感できたこと、そして、かなりの格上でも一発入れるどころか何発も入るようになってきたことです。

格上に対する恐れはなかった

 当時将棋倶楽部24で、私が自分から挑戦する時には、少しだけ上ではなく、とてつもなく格上ばかりに挑戦していました。
 例えば、5級、6級の時に、初段とか2段、下手をすると4段、5段にまで挑戦をしていました。そうすることで、最も効率的に棋力アップが図れると信じていたからです。
 もちろん、断られることがほとんどですが、受けてもらえるまで何度も挑戦し続けました。
 そして、何度も格上と対局していると、たまーに初段、2段相手でも勝てることがあります。私が24の級位者の時に勝てた最もレートが高い相手は2300点台の5段の方でした。レートの仕組みだと本来350点以上離れた相手には平手で勝つのはほぼ無理にもかかわらずです。知らず知らずのうちに、自分のレート以上の実力を身につけていたということが実感としても湧いて来たのを覚えています。

ではなぜ有段者になれなかったのか?

 当時の私はとにかく指し方がめちゃくちゃでした。一日中インターネット将棋を指し続け、多い時には1日に30局~40局も指していました。当然段々手は見えなくなり、指し手は荒れてきます。
 また、30秒の秒読みでも5秒も考えずに即指ししていました。ただレートの上下だけに一喜一憂して指し続けていたのです。そのせいで、出だしは好調でも集中力が切れてくると、手が見えなくなり本来の実力以下しか出せない状態で指し続けるので、レートは下がるばかりです。
 そういったことを何千局と続けて、いい加減心底嫌気がさしてきた時、所々で見える手は有段者顔負けにもなっているのに、なぜか段級位が上がっていかないことに薄々気づき始めたのです。(いい加減早く気づけという感じです。)

そして対局姿勢を改める

 この荒れた将棋の指し方が、実力はあってもなかなか昇段できない原因だと気づいてからは、秒読みでもギリギリまで考えるようにしました。また、指し過ぎにも注意するようになりました。
 この心構えだけで、他に何か特別な将棋の勉強をしたわけでもないのに、レートの停滞を抜け一気に有段まで駆け上がったのです。実力がすでについていると感じてはいるが、なぜかそれがなかなか昇級、昇段に反映されないという方は、普段の対局姿勢を見直してみるというのも一つの方法です。

もう一つの心構え

 もう一つ大事な心構えは、将棋はただ勝てばいいというものではないということです。
 これは何を言っているかというと、ある局面でこちらが勝勢でどうやっても勝ちと言った場合に、Aという手が浮かんできたとします。しかし、これで勝ちだろうと思って、すぐにそのAを指さないということです。
 例えば、その局面では候補手Aでも勝ちだが、実はその他にBという手もあり、Bの方がよりリスクもなく、最短で勝てるということもあります。
 その場合、最終的にはBの方を選ぶべきなのです。

常に最善手を追求する姿勢が真の実力を付ける

 普段の心構えとして、同じ勝つでも最善(により近い手)で勝つというのを意識して指すという事はとても大事なことです。
 だから、勝てた将棋でも、感想戦は行うべきです。より良い手を追求するという心構えそのものが無意識のうちに実力アップにつながるのです。

まとめ

 また、将棋は心理要因も大きいです。私が、級位者時代格上にも勝てたのは、有段者には勝てないという意識がなかったからでした。
だから、どんな相手でも指す以上は勝てると思って指すようにしましょう。   
 そして、先ほど述べた、秒読みでもしっかり時間ギリギリまで考える事、又ただ勝てばよいのではなく、最善最短で勝つことを目指すこと、この3つを意識して指せばより実力の伸びは速くなることでしょう。


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