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遊戯王のCSに出たけどボロ負けしたからスネークアイティアラメンツを振り返ろう【2/11RAM祭】

遊戯王プレイヤーの皆さんは、財布を無くしたことがあるだろうか。

僕はある。というか、ついこの間の話である。

2/11のRAM祭(通常行われるRAM杯の3周年を記念した大きな大会である)でいつもより3時間は早く起床し、日曜朝のプリキュアも見ずに家を出るぞという直前に気付いた。

財布が、ない。

RAM祭参加費は当日に現金で支払う形なため、スマホでの電子決済以外の手段を失った僕は斑鳩ルカの歌詞に共感しながら地下鉄で赤羽岩淵とかいう全く聞いたことのない駅まで向かった。

参加費はその場で同行した友人に立て替えてもらったのだが、もし彼がいなかったら僕は周囲の友人でもなんでもない人に頭を下げ涙を流しながら醜態の対価として立て替えをお願いし、その場の善意に甘えていたに違いないだろう。

「そんなに当日が楽しみだったのに参加が半年ぶり(2回目)なことある?」と思うかもしれないが、こちらの理由は単純極まりない。上記の友人の都合が合わなかった場合は僕自身も参加を見送っていたからである。

だって、友人すらいない会場でCSの緊張感に耐えられる気がしないから…………

ともあれ、財布を無くした上に大会で負けると本当に惨めな気持ちになるので皆は自分の財布を大事にしてほしいと思う(後日、財布は無事に見つかりました)

(↓前回参加した時の話)

当日に使用した構築

はぁ?なんだこの構築?

と思う人がほとんどだと思うが、その感覚は間違っていないと思う。だって滅茶苦茶負けたから。

このスネークアイ+ティアラメンツの構築を組もうと考えた理由は主に3つ、「エクセル1枚から真血公+キュリオス確定ルートが発見されたので墓地肥やしスネークアイを使ってみたい」「墓地肥やしするうえで一番自分に馴染んだテーマがティアラメンツだった」「ムドケルが環境に刺さっていそうだから」。

先ほど滅茶苦茶負けたと書いたが、負けたからと言って挑んだことが無駄だったわけではない。このデッキを使ってみて初めてわかったこと、見えた強みもある。

ということで、反省会の前に少しだけ構築紹介をさせてほしい。

基本展開紹介

まずはこのデッキのキーとなるカードたち。

・『スネークアイ・エクセル

今日、日本中を炎祭りにしている元凶。心なしか宮川大輔に似ている

最早説明不要なカードなので詳細な効果などは省くが、展開ルートだけ書いておこう。(以下、通常召喚→ns、特殊召喚→ss、効果発動→ef)

新弾の蛇眼の大炎魔登場により、このカード1枚から「エクセルnsef→ポプルスefssef追走劇サーチ→ポプルスでリンクリssポプルスef自身永続化→コスト永続ポプルスでエクセルefオークssオークefエクセルss→追走劇発動大炎魔永続化→大炎魔efポプルス永続化して自身ss→コスト永続ポプルスでオークef炎龍ss→大炎魔と炎龍で『真血公ヴァンパイア』ss→真血公efで墓地肥やし&落ちたモンスターss→エクセルでアニマss→アニマ、リンクリ、真血公の3体で『ライトロード・ドミニオン キュリオス』ssef好きなカード墓地へ」という、サーチやリクルートでデッキを減らしながら(真血公でssするモンスターに関係なく)7枚肥やし+好きなカード墓地へ、という安定した墓地肥やしギミックが展開可能となっている。

なお、真血公は出なくなるがバリケイドベルグを使用することでポプルス1枚からキュリオスを立てることも可能であるため、篝火&ポプルスは共に最大枚数の採用とした。

・『ファイヤー・バック

このデッキのアイデンティティ

このデッキを組むにあたって、初動ではないにも関わらず絶対に必要だと直感した面白カード。地味に①の効果に名称ターン1はない。

墓地肥やし中に落ちたスネークアイを拾って展開を広げるリンク値不要咎姫としての役割はもちろん、相手に破壊されたスネークアイを呼び戻して詰めたり、手札から効果でティアラメンツカードを捨ててアドバンテージを取ったりと増Gさえ受けていなければ八面六臂の仕事ぶりを見せた。

そして言うまでもなく②の効果は更に強力で、墓地はおろか除外からも炎属性をなんでもデッキに戻した後1ドローするとかいう壊れた効果が付いており、この効果のおかげで一見墓地肥やしで意味のないスネークアイやうららが落ちる現象をアドバンテージへと変換していたうえ、うららを戻した後にうららを引くこともそれなりにあったため今後ともどこかで使っていきたいお気に入りカード。

・『パラサイト・フュージョナー

「キトカロスかなーやっぱりww自分は思わないんだけど周りにキトカロスに似てるってよく言われるwwwこないだクシャトリラに絡まれた時も気が付いたら意識無くて周りに人が血だらけで倒れてたしなwwwちなみに彼女もグラファに似てる(聞いてないw)」

あなた誰ですか?

大会当日最も相手にテキスト確認されたカード。本当に誰?

ティアラメンツ使いの方はお察しの通り勿論このわけわからん虫が当デッキにおけるティアラメンツ・キトカロスであり、他の融合代用モンスターとは特殊召喚時の融合効果を持つという点で差別化に成功している……と思われるカード。

なぜ沼地の魔神王ではなくパラサイト・フュージョナーが選ばれたのかと言えば、「現在のティアラメンツでは融合が疑似初動としても機能しないから」「レベル1だから」「特殊召喚時に融合効果を持っているから」という3つの理由に分かれる。

まず、このデッキでは『融合』は疑似初動にもならない点。これはもう言うまでもないことだろう。スネークアイモンスターを融合させてもティアラメンツと出す先を共有できるのは『沼地のドロゴン』『共鳴の翼ガルーラ』しかおらず、勿論以前の頼みの綱だったアギドケルベクはとうに禁止になっている。よって比較対象の魔神王は不採用。

次にポジティブな採用理由として、このパラサイト・フュージョナーとかいう虫野郎がレベル1であることによりスネークアイ側の初動として投入していた『ワン・フォー・ワン』から特殊召喚の選択肢に入り、特殊召喚時にフィールドにティアラメンツモンスターが存在していればそのままルルカロスが着地するという流れが強力であると判断し、採用ポイント+1。

ポプルスでサーチできるよ

最後に『スネークアイ追走劇』②のエンドフェイズ時効果もおまけで加点。この効果により、炎龍の効果で永続化したパラサイト・フュージョナーを追走劇②で特殊召喚することにより、場に残ったティアラメンツモンスターと融合しやはりルルカロスを成立させることが可能となる。

……が、こちらはエンドフェイズにしか特殊召喚できないというのが何よりのネックであり、パラサイト・フュージョナーを確定落としするギミックを盛り込めなかったために墓地へ落ちないことも多く、実戦で使用することは1度しかなかった。

更に追い打ちをかけるような物言いをすると、そもそもスネークアイに混ぜる時点でティアラメンツ側に求められる要素の7割はルルカロス成立によるニビルケアであるため、ニビルが降ってこないエンドフェイズにルルカロスが成立するギミックというのは本末転倒としか言いようのない企画倒れである。

今後研究を重ねる際はコイツが昆虫族であることを加味し『魔螂ディアボランティス』のS召喚時に確定で墓地へ落とせることも視野に入れて動かしたいと思う。

「海外の皆さんはカオスルーラーじゃなくてコイツ使ってるんすか(笑)」とか言ってごめん

なお、追走劇でエンドフェイズに出して強く、尚且つ手札に素引きしてもそれなりに邪魔にならないモンスターは現在も募集中。お待ちしています。

構築主旨

……というように、このデッキの構築主旨としては「スネークアイギミック始動で墓地肥やしをしながらリンク展開」「ティアラメンツギミック始動で墓地を肥やした後に咎姫orファイヤー・バックでスネークアイを蘇生して展開」の2パターンを狙う(且つ、どちらのギミックから始動しても展開中にある程度相互アクセスが可能な)展開系デッキとなる。これにより通常のスネークアイ展開よりも強固な妨害盤面を敷くことが可能であり、相手の増G以外の誘発・妨害を貫通する手数を増やすという利点を得られると考えた。


次に少しだけ、通常のスネークアイデッキとは違う戦い方であるが故に別の強さを実感したカードたちも併せて紹介しておこう。

・『壱世壊を揺るがす鼓動

①②いずれかターン1なのは注意

ティアラメンツ・ハートビーツ。語感が気持ちいいためメインに1枚、サイドに1枚の採用。

4~5枚目のコズミック・サイクロン(しかも墓地へ落ちた際に効果付き)としてサイチェン前後を問わず活躍した。現在はフィールドないしは永続魔法・罠系を盤面に置くデッキが環境上位に多く、様々な対面で活路を見出せる1枚だった。

ティアラメンツ罠と違い、場にティアラメンツモンスター(またはヴィサス=スタフロスト)がいなくても使用できるという点も混ぜ物デッキとしては非常に好感触で、効果で手札を切れる点もそれなりの割合で有利に働くことがある。

・『原罪宝-スネークアイ

素引きでも働けると判断

後程改めて言及するが、このデッキの欠点である事故率の高さを軽減するため①の効果を目当てに3枚積みにしたところ、それとは別に初動でスネークアイに接続できず無理矢理墓地肥やしをしてみたらこのカードが落ちて②の効果でポプルスssに繋がり、突然リンク値が伸び始める謎のバグカードであることが判明した。このカードが生きている限り墓地肥やし型スネークアイにはワンチャンが生まれ続けると言ってもいいパワーカードであり、3枚積んだことを後悔する時間は1秒たりともなかった。

・『微睡の罪宝-モーリアン

お前も もう おやすみ……

ある意味今回最も使いやすさを感じた新規カード。これまでディアベルスターが持ってこられる罠カードは主に『裏切りの罪宝-シルウィア』一択だったが、それとは違い手札・フィールドにディアベルスターが残っていなくとも使用できるため素引きしても問題なく、先述の通り3枚積みした原罪宝を素引きしている場合などはこちらをセットするだけで1妨害が確定する。

また、原罪宝にも言えることだが一応墓地肥やしデッキであるため普通に墓地へ落ちてしまったとしても『罪宝狩りの悪魔』で戻す先の候補になってくれるのが優秀で、こちらは先行1ターン目の『三戦の号』で引っ張ってこられる通常罠なのもあって非常に相性が良く、結果としては負けた試合が多かったものの善戦に至った試合の多くでこのカードの活躍が見られた。今後とも使用を検討していきたい枠の1枚。

以上の3枚のパワーには試合中も大いに助けられ、(ティアラメンツ側はともかく)芝刈りスネークアイとしてそれなりにデッキが形になっていたことは地味に喜ばしいことであった。

反省会

・2/11RAM杯戦績

幻奏 後×○×
アダマシア 後××(時限到達)
ラビュリンス 先○××(時限到達)
ピュアリィ 後××

サブイベ
粛声 先○○
炎王スネークアイ 先○××

ここまで散々構築紹介をしておいて申し訳ないが、負けすぎである。

だが、この記事は僕の大会での恥を晒すためだけにあるのではない。せっかく負けたのだからこの負けから学べることを反省しなければならないだろう。

以下に、反省すべきと考えたポイントをいくつかに分けて紹介していこう。

・無視できない事故率

この点について語るのであれば、そもそもこのデッキが40枚だった頃から語らなければならない。

このデッキを40枚に収めようとしていた際に最も負けに繋がっていた要因はその手札事故率の高さ。エクセルから始動する墓地肥やし展開の中で素引きしたくないカードは、一体何枚あっただろうか?

まず大前提として『蛇眼の炎龍』『蛇眼の大炎魔』は勿論のこと、キュリオスで落とす先の『トリヴィカルマ』『パラサイト・フュージョナー』、更には手札に来ると効果で落とすのが面倒なうえ自ターンに特殊召喚も墓地肥やしも狙えない『ティアラメンツ・ハゥフニス』、枚数が減って手札からの特殊召喚も容易ではなくなった『ティアラメンツ・クシャトリラ』など、構築主旨であるスネークアイ展開の貫通に使用できない札全般が事故を起こしまくっていた。それはもう見事に。

兎にも角にも先述のエクセル始動墓地肥やしギミックがこのデッキの鍵となっているわけだが、上記の通り素引きしたくないカードは少なく見積もって40枚中6枚確率で言えばこれらを1枚以上引く確率は57%を超えており、場合によっては『壱世壊を劈く弦声』や『壱世壊に奏でる哀唱』も腐る可能性を考えると実際の手札事故の確率は相当なものとなる。ウキウキでコンボを組んだこのお猿さんにはまずそれが見えていなかったと言わざるを得ない。

ただし、この点に関しては先述の原罪宝の項で語った通り初動を増やしてデッキを55枚までかさ増しし、場合によっては『隣の芝刈り』をうららチェックに使ってもいい程度のデッキにできたことは自分なりに頑張れた方ではあると感じている。

・誘発に弱すぎる

誘発に弱すぎた。

もう一度言おう。誘発に弱すぎる。

試験的に回していた最中では、うららや無効系誘発といった妨害への貫通力は初動を増やすにつれて高まっており、構築主旨に沿ったデッキが組み上がっていたと認識していた。それは間違いなかった。

がしかし、(下振れの範疇とはいえ)CS当日は増Gを一度も弾けず、更に唯一持っていた墓穴の指名者を屋敷わらしで止められてゲームオーバー、といった不測の事態も発生し完膚なきまでに手札誘発に完敗した。なんと、10敗したうちの8戦は増Gを撃たれ、全て通してしまっている

誘発が多い環境である、というのは事前に聞いていたし想定もしたつもりだったが、実戦は(想定外の誘発が飛んでくることも含め)より過酷であったということであり、総じて想定が甘かったと言わざるを得なかった。

なお、例外的に1試合だけ増Gを通してしまったうえで勝利した試合があったものの、こちらは芝刈りを通して物量で押し切ったため「隣の芝刈りは増G受けカードである」という確たる意志で投入したことそのものは正解だったと言える。

(また、デッキの名誉ために一応言っておくと当日芝刈りが通った試合3回は全て勝利している)

・そもそも展開も長すぎる

個人的にCS当日感じた一番のウィークポイントがこれ。

異様に特殊召喚を繰り返すスネークアイ、墓地肥やしによってかかる墓地確認の時間、デッキに戻る処理で発生するシャッフル、落ち運による更なる上振れ……これらの要素が絡み合い、とにかく(ちゃんと練習してプレイ速度を上げたうえでなお)時間がかかる

上振れた際には1ターン15分近くかかることもあり、この状態に対して準備段階の僕は「まぁ15分展開したら流石に勝ち確定の盤面になってるだろ」と高を括っていた。

無論、実際はそうではない。

自分が1ターンの展開に15分かけることがあるということは、相手が返しのターンに更に15分かける可能性も十分あるということを想定すべきだったのである。

当日のルール的には試合時間が60分を超えると時限警告+1、そこから10分刻みで更に+1、2ポイント毎にシングルロス……という形でペナルティが課せられていく。

この日は先行2ターン目の開始時に既に30分が経過しているような試合もあり、既に最初からデッキ選びのミスを痛感させられた。

またこれは僕の精神的な問題でもあるのだが、試合時間が延びた場合「大会運営に迷惑をかけている」という意識が試合の外から押し寄せてくるため、ゲームを楽しむという根本的な目標すらも達成できなくなっていったのを非常に強く実感した。

そのため試合時間という観点から見ても、短時間のやり取りで済む手札誘発を沢山デッキに盛り込んでいる人は非常にクレバーな選択をしていると言えた。


なおテーマ批判・ルール批判と取られないために補足しておくと、今回使用したティアラメンツ系統のデッキに限らず想定された範囲の展開を行っているだけでも長いプレイ時間が想定されるテーマは存在する

それらが強い時代はそれに合わせたデッキやプレイング、またはルールの方が変わっていくこともあるだろう。ただ少なくとも今回はそうではなかった。

そういった背景を読み取れるように学習を辞めてはいけない……というのが、自分の今回の学びと言えよう。

・唯一の正解、ムドケル

①の効果また使いたいね
妙にステ高くて面白い

今回の構築において、唯一主旨の段階から正解した選択がこの2枚

財布を落としてからここまでダルい反省会ムードで大変申し訳なかったが、コイツらがちゃんと落ちた試合は全て勝利、もしくは勝利まで惜しい位置へ行けたと感じている。

サイドデッキの墓地メタとして『魂の解放』みたいなカードが採用されていることを鑑みて、「じゃあコイツら絶対強いじゃん!」と思って持ち込んだところ本当に強かったので、ここは流石にハッピーハッピーハッピーな気持ちになってもいいところだと思う。

ただし、この2枚を上手く使えるほど今のティアラメンツ側に墓地肥やし力が残っているかどうかはかなり疑問であり、40枚に収めたラビュリンスの家具効果などで落とした方が強いのではないかということは今も思っている。

実際途中で当たったラビュリンス使いの人もムドケル採用型であり、真血公で相手のムドラを落としてお互い「あっ……」という空気になったことは今も鮮明に覚えている。

余談だが、このラビュリンス使いの人の人当たりが非常によかったことと、時限警告を貰って落ち込んでいる僕に対して「お互いの協力の成果ですよ」と謎の励ましをしてくれたことで大会を最後まで乗り切れた部分があり、本当に助けられたと感じている。ありがとう、ラビュリンス使いの人。ビッグウェルカム帰ってくるといいね

この経験を糧に、僕も対戦した相手に「クシャトリラ・フェンリル帰ってくるといいですね」って思われるようなプレイヤー像を目指したいと思う。

「手札誘発」に向き合おう

……とまぁ、諸々の長い反省を経た上でこのスネークアイティアラメンツの弱点を考えた時、一番多いポイントとして「手札誘発の連打に対抗できない」という欠点が見受けられると感じた。

ここで言う「誘発連打」とはうららや泡ヴェーラーなどの1:1交換を行う札だけでなく、それらと増G・ドロバ・ニビルなどの1枚で状況を大きく変化させる札を合わせて持っている状況を指す。

これは先述の通り僕の想定の甘さによるものが大きく、構築の段階で「手札誘発を超えられるようにする」の時に想定していたものが基本的に1:1交換の札のみで、1枚で状況を変化させる札に対して思考をあまり割けていなかったことが構築の欠陥へ繋がってしまったと考えられる。

物凄く初歩的なことを言うのでこれを読んでいる人はぜひバカにしてくれて構わないが、勝つためには増殖するGを受けた時に強い止まりどころを用意できる(あるいは相手のライブラリアウトを狙える)プランがあるべきだ。

そしてそのプランはテーマ内になくても残りの手札4枚に相手ターンで戦える手札誘発を引けていればターンが帰ってくる可能性が高いわけで、スネークアイ側の「蛇眼神殿+炎龍+マスカレ」の増G受け盤面は2ドローさせてしまうもののエクセル1枚から用意でき、残りの4枚に手札誘発があればあるほど相手のターンに動きやすくなる。つまり根本的にスネークアイというテーマは相手の増Gに弱いものの手札誘発を盛り込む構築と相性が良い、と言える。

では一方のティアラメンツはというと、これはスネークアイとは真逆で増Gを受けた時に止まりやすい手札が「ティアラメンツモンスター+スクリーム+ティアラメンツ罠」に加え、ランダム墓地肥やしによるムドケル、サーチしたティアクシャによる相手ターン墓地肥やし&融合を狙う形となる。

つまり、ティアラメンツでは立ち止まるための行為がランダム墓地肥やしに委ねられているため、その当たり率を減らす手札誘発を盛り込まずに無法の墓地肥やしで強引にターンを凌ぐしかなかったと言える。

規制前は増G受けとして頼もしかったが、今は見る影もない

ここまで整理すると分かる通り、スネークアイとティアラメンツは別に全く相性のいいテーマではない。ただ、お互いの出力がそれなり以上に高いおかげでなんとなく勝てる試合があるだけなのだ。

「誘発環境」ってなんね?

しかし、それにしても……と思う。

2024年2月現在、競技環境において優勝報告のあるデッキをざっと眺めてみても、手札誘発カードの採用率は平均しても12枚は超えているのではないだろうか?

スネークアイティアラメンツで上手く勝てなかった際に「今は誘発環境だからな~」というような言葉を貰った。

誘発環境って、なんだ?

「ググレカス」で有名なGoogleで検索してみるとかように素晴らしい検索結果が広がっており、環境省も手札誘発の有用性を訴えていることがよくわかる。

冗談はさておき、他のサイトも「環境でよく使われる手札誘発」「現在の手札誘発ランク付け」といったものが中心であり、「誘発環境とは何か」という解説は見当たらない。

これでは「なぜ手札誘発が増加する傾向があるのか」「手札誘発が増加している環境でどう戦えばいいのか」ということが新参者である僕はなかなか勉強できない……ということで、ようやくこの記事の最大の目的である「誘発環境への考察」に入ろうと思う。この時点で既に9000字を超えているので読んでいる側も眠いと思うのだが、なんかいい感じにEXデッキを裏側で除外して耐えてほしい。

カードデザインがかなり好き

なぜ手札誘発が増加しているのだろう

これは正直、僕の視点から見ると「スネークアイに対して増Gを撃ちたいから」「スネークアイ・エクセル及び粛声の祈り手ローに無効系誘発を打ちたいから」以外の大きな理由はあまり思い浮かばない。

スネークアイに対する増Gはこの記事を読んでいるプレイヤーも理解している通り、それなりに効きが良い。少なくとも僕はポプルスにチェーンされる増Gを見る度しなしなのピカチュウみたいな顔になる。

この映画もう5年前らしいよ

またスネークアイと粛声の2大環境デッキの初動に対し、泡ヴェーラーといった無効系誘発はある程度展開をストップないし弱めさせる結果を期待できる札であり、これらを引き込みたい気持ちも嫌というほど理解できる。

総じて、「環境トップであるスネークアイ系デッキに増Gや泡ヴェーラーを投げたいから」という意識が現在のような手札誘発中心の環境にさせている……少なくとも素人目からするとそのように考えられる。

でもこれだけで判断するのも嫌なので、より詳しい知見があれば聞いてみたいな。

手札誘発が増加している環境で

阿散井恋次もそう言っています

僕の拙い視点で考えるに、「対戦相手が泡ヴェーラードロバニビル全部入れてる」と仮定した際に対等以上に立ち回れるデッキタイプは大きく分けて3つある。

一つは「自分も手札誘発をいっぱい握る」で、この理由は先述の通り立ち止まった際に自分も手札誘発で相手ターンに戦えるからである。多分これが一番王道な戦い方なんだろうな。

次に「そもそも立ち止まらないデッキにする」で、これは増Gを受けてもライブラリアウトを狙える未界域ティアラメンツ等、または敢えて後攻を選択して絶対に1ターンで命を刈り取る天盃龍デッキなどが該当すると考えられる。これ達成出来たら気持ちいいんだろうな。

最後に「流行りの手札誘発があまり効かないデッキにしてしまう」というタイプ。これは僕の知っている範囲で言えば、要するに開いただけで相手の行動を大きく制限してしまう永続罠を主体としたデッキということである。ぼく、スキルドレインだぁいすき!

エルドリッチ新規、そろそろ来てもよくないですか

友達募集中

以上が、CSで半年ぶりに出た結果ボロボロに負けた反省である。

僕は別にゲームが上手いわけではないし、かといってティアラメンツやクシャトリラ等の強いテーマを悪く言うことでコミュニケーションを図ろうとしてくる人と遊びたいわけでもない。

ただ、勝つために遊戯王を遊んでいる友人が多くないのでこうしてインターネットの海に醜態を晒しながら、恥も外聞もなく的を射ているかどうかもよくわからない独学を垂れ流す羽目になっている。

「俺は遊戯王上手いぜ!」という方は酒でも飲みながらこの記事をバカにしてくれて構わないし、そうでない方は僕の失敗を他山の石として遊戯王を遊んでいってもらえたら幸いである(でも傷付くから直接悪口は言わないでね)。

繰り返しになるが、こういった考察記事というものは永遠に未完成であり、「手札誘発の利点はこういうのもあるよ」とか「手札誘発に強いテーマは他にもあるよ」とか「これアタシだ……」というような指摘を貰えると嬉しい。

結局のところ対人ゲームである以上、1人の視点で編み出せる考察など高が知れており、素人であれば尚更だ。

なので、僕みたいな初心者には全然負ける気がしないぜ!という人は知見をどしどし送ってほしい。

そしてあわよくば大会当日に財布をなくすタイプの人間と友達になってほしい。

そういうわけで、こんなクソ長い反省会を最後まで読んでくれた人、ありがとう。

クシャトリラ・フェンリル、そろそろ帰ってくるといいね。

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