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立ち去るしかなかった「Gone Away」

お久しぶりです。ふじさんと申します。

確か前々回の記事で「Gone Awayの考察記事書くよ!待っててね!」的なことを書いたものの、なんやかんやあって遅めの公開となってしまいました。もしずっと楽しみにしてくださっていた方がいたら、申し訳ありません。

さて、ではそろそろ本編に行きたいと思います。

全て個人的な考察であるので、「そんな考えもあるんだな」くらいの感覚で見ていただけると幸いです。


このMVは、3人がある女の子に恋をしている、その様子を描いたものです。

なので、今回はMVに出てきた順番そのままに考察するのではなく、1人ずつ注目して考察していきたいと思います。

まずはじめはアイエンから。

ニコニコで礼儀正しくお辞儀しながらお花を受け取って、凄く満足げな表情を浮かべるアイエン。

このお花は、のちのシーンから誕生日の女の子にあげるためのものだとわかります。
(あんなにニコニコでプレゼント買うの本当にまっすぐでかわいいですよねそうですよね)

そしてある美術の時間、一度スンミンやハンに背中を押されてお花を渡そうとするものの、先生に注意されて失敗に終わります。

ここ、なぜ女の子を好きなはずの2人が背中を押しているのかなと少し疑問に思いました。これについてはあとで考察します。

さて、それからしばらくするとなんか彼氏的な感じの人が出てきて…

プレゼントを渡します。

はじめは多分状況を理解し切れてなくて、わりかし普通に真顔で見てるのですが、全部理解し切ったのか次のシーンではこんなに(上の写真)顔曇ってるんですよね。

こんなに悲しい顔をしているのに、誰も気づいていない。

さっきまでこんなに楽しそうな嬉しそうな表情をしていたのに。「やっと渡せる」と、彼はそう思っていたはずなのに。

しかも最後のシーンで、アイエンの書いていた絵が、女の子があの花を持っている絵だったとわかります。

この絵は、花だけしか描かれておらず、完成していません。

そして実際に、花はあるけど、渡せていない。

もしかしたら、花を渡した後に彼女をモデルとして絵を完成させるつもりだったのではないか、みたいなことも考えられます。

また、横にいる2人がアイエンの様子に気づいていなさそうだったのは、「アイエンが彼女を好きなのを知らなかった」からなのかなと思いました。

それなら花を渡そうとしたときに、背中を押したのも納得ができます… ?
いや、あんなに緊張しながら渡そうとしていたら、勘づきそうなものですが。

なので、渡そうとして先生に注意されたあの一連の出来事は、全部アイエンの想像である、とするのが無理やりですが個人的に一番納得できます。

実際、花を渡そうとする前のこのシーンでは、紫色の線?が描いてあるのですが、彼氏が出てきたシーンや最後のシーンではありません。

アイエンは女の子に彼氏がいることを知らなかったから、想像の中では、ケーキを渡すのは彼女の友達であるわけです。

そして、ハンとスンミンが女の子を好きなことも知らないから、彼らなら自分を応援してくれると思っている。めっちゃ仲良さそうだし。

アイエンが花を持っていることに関しては、みんな「絵を描くためのモデル」だと思っているのではないかなと思いました。誰も渡すための花だとは思っていないのではないかなと。

…これ以上ここについて考えると、頭こんがらがるので次に行きます。

次はハンについて考えたいと思います。

友達3人で服屋に来たら、好きな子がいて目を背けるという青春ポイントですねここ。

彼女が高かったのか買わなかった服を手に取って、

買っちゃいました。渡されるのを待っているときの顔がキラキラしてます。

そしてレジを出たあとでしょうか。

あの例の彼氏が出てきて、あの服を手に取って…

自分は一体何を期待していたんだと、泣かないように上を見上げる。

女性の服を買うって、とても勇気のいることだと思います。誰も知らないところで、勇気を出して、挑戦して、その結果がこれって…あまりにも報われない。

さて、最後はスンミンです。

寝ている彼女に気づいて、そっと毛布をかけてあげる。この行動は、彼女にも、本当に誰にも気づかれていないようなんですよね。

スンミンが一番密かに想っていたというか、そもそも付き合おうとかそんなことも全く考えていなかったんじゃないかと思います。眺めているだけで良い、みたいな。

その後目的地に到着すると、彼女が彼氏といちゃついてるところを見てしまいます。

何かあげようとしていたわけでも、なんでもなくて、ただ毛布かけただけで、ずっと見ていただけ。

希望や期待が打ち砕かれたわけではなくて、むしろ最初からそんなものはなくて、でもやっぱり「彼氏がいる彼女」を見ていると辛くなってしまう。

眺めているだけで良かったはずなのに、いざ彼氏がいると知ってしまうと辛くなってしまう。そんな不条理さを感じます。

そして、MVの最後、大人になった3人が、過去を振り返っているようなシーンがあります。

決して当時のように悲しそうだったり苦しそうなわけではなくて、ただ「こんなこともあったな」と振り返っているような表情。

過去を美化するわけではなく、あのときは辛かったと、苦しかったと思った上で、その全てを飲み込んで立ち去った。それ以外には何もできなかった。

こんな僕を見ても 君は何も知らないだろうから

この歌詞に、全て詰まっていると思います。


やっぱりとんでもなく切ない…MVを見るたびに胸がギューっと締め付けられる感じがします。

前の記事でも書きましたが、この曲は「全部飲み込んで立ち去る」という、なかなかに大人な選択をしていると思います。

でも、曲に出てくる「この感情をどうやって捨てるんだ」というような歌詞の通り、あくまでも彼らは「立ち去った」だけであって、このときの出来事や感情を忘れたりしたわけではないのだと思います。

とても切ないけれど、それもまた「思い出」として残せたのかもしれないですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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