鯉窪 蒼 〜好きあらばゲーム語り〜

「詳しいけど、くどくない」がポリシー

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最近の記事

第9回:『カエルのために鐘は鳴る』 産まれたタイミングに恵まれた名作

 先日、Nintendo Switchオンラインのゲームボーイにて、「カエルのために鐘は鳴る」が配信された。発売当時から根強いファンが多いものの、シリーズ化はしていないので新規でプレイする機会の少ない作品だ。またとない機会なので、今回はこのタイトルを語っていきたいと思う。 1.「少年向け」という言葉がピッタリの作風 物語は主人公とライバルの王子2人の決闘シーンから始まる。画面中央で動くデフォルメの砂煙。決着が付いたのか倒れている王子と立っている王子。そして次の瞬間表示される

    • 第8回:『ウマ娘』 オタクの異種混合交流戦

       「ガルパンはいいぞ」という定型句がある。劇場版ガールズパンツァーの出来が非常に良く、各方面のオタクおじさんたちを唸らせるほど造詣が深かったことを簡潔に言い表したものだ。そして「ウマ娘 プリティーダービー」においても、似たような評価をできるのではないかと思う。メディアミックス作品であり、公開が遅れた経緯があり、そもそも美少女擬人化作品である…と、ガルパンと共通点の多いこのタイトルを、「ウマ娘はいいぞ」で終わらせずに敢えて語ってみることにしよう。 1.競馬おじさん…原作再現と

      • 第7回:『ゲームジャンル』 ソシャゲはゲームなのかという話

         ゲームを語るときは、概ねそのプラットフォームでグループ分けされることが多い。ビデオゲームであれば対応機種(Nintendo Switch・Play Station5)など、非電源ゲームであればボードゲームやTCGといった具合に。  その中でも、どのグループにも分類しにくいものがある。スマホアプリ、いわゆるソーシャルゲームと呼ばれる類のゲームだ。  今回は、ゲームと呼ぶのに一筋縄でいかない、これらソシャゲに焦点を当てて、語ってみようと思う。 1.ソシャゲ特有の性質 以前はソ

        • 第6回:『ゲーム用語』 「RPGゲーム」という頭痛が痛そうな呼称

           先日、某ビジネスポッドキャストにおいて、パーソナリティが「RPGゲーム」と発言しているのを聞いてしまった。彼はゲームには詳しいタイプではないので、聞いた瞬間「やはり一般人には違和感のない単語なのか」と少々むなしい気分になった。定期的にこの単語を聞くことがあり、ゲームオタクで単語オタクな筆者はつい気になってしまうのだ。 1.そもそもRPGとは RPGとは「ロールプレイングゲーム」の略称なので、「RPGゲーム」と言うと「ロールプレイングゲームゲーム」となってしまう。頭痛が痛い

          第5回:『Crypt of the NecroDancer』 簡単で、簡単で、難しい

           STEAM発のローグライクにも名作は多く、中でもクリプトオブネクロダンサーはトップクラスにメジャーな作品だろう。今回はこの『ハードコアなローグライム・リズムゲーム』(公式文)について語ろうと思う。 1.ローグライクとしての簡単 いきなり公式の煽り文と矛盾するが、このゲームはローグライクとして見ると、かなり簡単な部類である。満腹度と自然回復や、アイテム識別といったローグの核心となる要素がかなり省略されているからである。なんとレベルすらない。  フロア数も3F+ボスなので、そ

          第5回:『Crypt of the NecroDancer』 簡単で、簡単で、難しい

          第4回:『ゲームジャンル』 音ゲーとリズムゲーの違いについて

           現代のゲームセンターにある筐体といえば、大別するとプライズゲーム(いわゆるクレーンゲーム)・メダルゲーム系と、体感型ゲーム・音楽ゲームに分けられるだろう。家庭用ゲーム機の性能が向上し続けているので、ゲームセンターでしか体験できないものが生き残った結果だ。その中でも、より家庭用に近い後者、中でも音ゲーを中心について語ろうと思う。 1.音楽ゲームとは はじめに、音楽ゲームとは何かを確認しておく。画面外からマーク、いわゆるノーツと呼ばれるものが流れてきて、BGMに特定のタイミン

          第4回:『ゲームジャンル』 音ゲーとリズムゲーの違いについて

          第3回:『ローグライク』 「失敗すると無くなるシステムが嫌」となる心理

           風来のシレンは難しいゲームだ。そう言われる要因はいくつかあるが、単純にクリア率が高くないことに加えて「死んだらイチからやり直し」になるからだろう。これがシレン、正確には不思議のダンジョンあるいはローグライクというジャンルの特徴なのだが、風来人のたまご達の中には、これが嫌いだと宣う人もいるらしい。 1.RPGと思うことの落とし穴  シレンシリーズは「ダンジョンRPG」と称されることが多い。公式でも「1000回遊べるRPG」と銘打っているし、確かに間違ってはいない。  しか

          第3回:『ローグライク』 「失敗すると無くなるシステムが嫌」となる心理

          第2回:『風来のシレン6』 なぜ火遁忍者ばかりが話題に上がるのか

           シレン6で新規追加されたモンスターはそれなりの数いるが、半分ほどは「◯遁忍者」と「◯面山伏」と一括りにして扱われている。のだが、この中に1人、やたらと嫌われている奴がいる!お前やろ! 火遁忍者「違います」 1.種を分けた方が都合が良かった そもそも、忍者と山伏はなぜこんなに種類が多いのか。1種類にまとめても良かったのではないか?というところから話を始めたい。 山伏について  たとえば旧作には「バッドカンガルー」という、モンスターに良い効果がある杖を振るモンスターがいた

          第2回:『風来のシレン6』 なぜ火遁忍者ばかりが話題に上がるのか

          第1回:『風来のシレン6』 とぐろ島の神髄について思ったこと

           自分の周りで「神髄が簡単かどうか」と議論になっているが、個人的な感想は「易しいじゃなくて優しい」になる。つまり簡単じゃなくてユーザーフレンドリー。難易度的には4や5と大差ないかと思う。  1.神髄に行くまでにダンジョンをいくつもクリアする必要がある  これら自体がチュートリアルを兼ねているというのは経験者なら感じ取れると思うが、全て目標が浅い階層かつ『潜りたくなる』ダンジョンである。これが重要。(デッ怪ラッシュが嫌いなどの好みの話はまた別)  4や5はもっと不思議がクリ

          第1回:『風来のシレン6』 とぐろ島の神髄について思ったこと