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局所的な言葉の慣習…おもしろかったり、おどろいたり、あきれたり

①医療業界にて
先日、大学病院への紹介状を書いてもらったのですが、封筒の宛名に「△△科 〇○先生 御侍史」って書いてあって…? なにこれ? 早速調べてみたら、ほかにも「御机下」というのもあって、

御侍史:先生に直接手紙を出すのは失礼なので、お付きの方にお渡ししておきます
御机下:先生に直接お渡しするのは畏れ多いので、机の下に置いておきます

との意味が込められているそう。医師は偉い存在ではあるけれど、医師同士でそこまでへりくだらなくても…、そこまで崇め奉らなくても…。昔の名残りとはいえ病院という独特な空気を今に伝えているようで、すごいお作法。

②私の古巣にて
局所的な表現と言えば、勤めていた会社では「BR」を普通に使っていた。「Business Rule」のことで、全社BR(全社規程、全社基準など)とか、 部門BR(部内ルール)とか。あたりまえに使っていた言葉が外では通じない⁉
ほかにも製造業だったので、一般的とは違う意味合いで、普通に使っていた表現も少なくなく、

  • BPO:Business Process Outsourcing(業務の外部委託)≠ アウトソーシング(業務の一部を外部委託)とは使い分けていた

  • DR(Design Review:設計審査)≠ Disaster Recovery(復旧計画)

  • IR(inspection & Repair:定期保全)≠ Incident Response(インシデント対応)や Investor Relations(企業が株主や投資家向けに行う広報活動)

  • PM:Preventive Maintenance(予防保全)≠ Project Management(プロジェクト管理)やもちろん Post Meridian(午後)ではない

などなど、今でも時々使ってしまうが、噛み合わないこともしばしば。習慣ってなかなか抜けないもの。

③政治の世界にて
聞いていて気持ち悪いのは、
「野党からのご指摘について検討させていただく
辞めになられたほうがよろしいのでは」
「記憶してございません
など、政治家がよく使う表現。尊敬語や謙譲語が入り混じった気持ち悪い言い回し。
一方国民には、
「国民に寄り添いつつ、丁寧に説明していく」
と丁寧語でも謙譲語でもない普通の表現…寄り添われた感も、丁寧に説明された感も、感じたことはないけれど!
「適切な措置を講じる方向で、前向きに検討する予定
に至っては、やるのかやらないのか/それ以前に検討するのかしないのかすら不明。
まったく「OBN:Old Boys' Network」…男性中心の組織で固定化してきた人間関係の中で通じる「あうんの呼吸」や「暗黙のルール」、「慣習「忖度」そのもの。OBNならぬ「OJN:Old ジジイs' Network」、あえてOldとJijiiを重ねて強調!

④海外駐在員の間で
さて、そんな中思い出したのが「OKY」
以前〝グローバルガバナンスを構築したい〟という顧客を支援した時に教えてもらった言葉。

顧客:「日本ではできるが、規模も文化も異なる海外では難しい」
私:「悩むより、やってみましょうよ。徐々に改善していけば…」
顧客:「まさにそういうのをOKYって言うんだよ!」
私:「???」

「OKY」とは「おまえ、来てみて、やってみろ!」を示す隠語だそう。教えてくれたその方は海外駐在経験があり、現地では本社からの通知・通達を、OKYと思いながら従っていたそう。
そしてその方、今は本社で管理業務をご担当されていたのだが、本社からの通知・通達を出すたびに「OKY」とともに、「OKO」とも言われるそうです…「おまえも、ここに、おったやろ!」と。

⑤おまけ
ところで、ビジネスでは「FYI…For Your Information(ご参考までに)」はよく使う。ほかにも「N/A…Not Applicable(該当しない)」や、「TBD…To Be Determined(未定)」なんかも。
で、先日、「アサップでお願いします」と言ったら通じなかったんです。アサップ=「ASAP…As Soon As Possible(できるだけ早く)」、なになに?もはや死語なの?それとも私の周りだけの方言なの? エー・エス・エー・ピーと言えば通じるの? ウソでしょ!

#創作大賞2024

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