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インド アーグラ(タージ・マハル) 2019 09 #12

午前6時、夜行列車がアーグラに到着。外はまだ白みがかっている。駅構内の待合室で明るくなるのを待つ。併設のバスルームはトイレとともにシャワーも付いていて、利用している人も割といることが分かった(もちろん有料)。

随分と明るくなってきた。近くのアーグラ城塞はもう開いていてチケットを売っていたので、ホテルに行く前に寄って行く。

荷物の制限が厳しく諸々を預けて中へ。

朝のアーグラ城塞。鳥が鳴き、リスが現れ、薄雲から段々と太陽が上がってくる。一時の喧騒を忘れさせてくれて気分がとてもリフレッシュされた。庭の整備はこれまで見てきた遺跡より格段にしっかりされていた。

欧米らしき団体の観光客も朝が早いようだ。暑いときには朝と夜に行動したいのは皆同じだった。

ホテルに荷物を置きにいく。とは言え今夜は夜行列車でアーグラを後にするため、それまで荷物を預かってもらったりシャワーを貸してもらったりするだけである。

と思っていたが、チェックアウトまでの間なら部屋を使ってもいいとありがたすぎる言葉をいただき、しばし休息をとることができた。

小休止の後、ほぼ1日ぶりの食事に出かけた。1日1食はもはや慣れたところである。

タージ・マハルが遠くに見えるビルからチキンカレーとチャパティをいただいた。これが鬼のように辛かったが、おかげで元気が出てきた。250ルピーほどを払ってタージマハル方面に向かった。

チケットセンターで入場チケットを買う。他の城塞、遺跡に比べてべらぼうに高い。1300ルピーは2000円程度だ。日本でもないような額だと思う。これは外国人観光客に対する金額でインド国民は250ルピーほどだったろうか。これでも値上げしたらしい。敷地が広大で補修すべき建造物が多いから理解できなくもないが。

手荷物検査を受けて中に入る。スマホと水とタオルを持って入ろうとするが、どうしたことか止められた。

何とタオルにプリントされているキャラクターがアウト!

タオルを企業宣伝に使うような商用のものと判断したらしい。実際は違うし、例えばディズニーのキャラクタータオルでも問題なくないかと思ったが、変に異議を申し立てるのは厄介。入口でタオルを預け、中に入った。


靴を覆う袋を付けて、2つの立派な門をくぐる。

写真を撮る多くの人の向こうに、白く優美で吸い込まれるくらい目を奪われる建造物が現れた。

タージ・マハル。これが17世紀にシャー・ジャハーンが亡き妻、ムムターズ・マハルのために建設して以降、世界中の人々を魅了してきたものか。

遠くからの姿も近くからでも素晴らしい。大理石そのものが持つ模様とそこに描かれた紋様のマッチ。尖塔とドームのバランス。どこを取っても美しいと言う他ない。建物周辺を歩き堪能し、内部の霊廟を見に内部に入った。

内部は撮影不可だった。音をよく反響させる球状の天井があり、狭い階段を下ると地下室がある。墓石を納めた閉ざされた空間は神秘そのものであった。

白大理石で造られた墓廟の両脇はモスクと迎賓館が対をなす。ともに赤砂石からなり、中央のドームは墓廟のものとは少し形が異なっていた。

迎賓館には入ることができ、内部を見て回った。

タージ・マハル側から見た2つの楼門。こう見ると水路を含めた庭園がよく整えられていることがわかる。

庭園西側には博物館があり、建築に関わる資料が公開されていた。これだけ大きな名所にしては簡素なものだったが、ないよりはいい。軽く見た後は、庭園でしばらく雰囲気を楽しんだ。

本当はヤムナー川を渡ってタージ・マハルを眺めたかったが時間がないので今回はお預け。必ずここに戻ってくる、そう誓ってタージ・マハルを後にした。

次の夜行列車はアーグラの駅ではなく、アーグラから40km弱離れた超がつくほど田舎町、Achhnera(アチュネラ)だった。これを荷物の置いてあるフロントに話し、なんとか安く行ける方法はないか聞いてみた。トゥクトゥクドライバーと交渉し、帰りのガソリン代込みで600ルピーでケリがついた。

トゥクトゥクが街道を林道を飛ばしていく。夕暮れ時も相まってとても気持ち良かった。アーグラから遠ざかるにつれ段々と農耕を中心とするような家屋が多くなり、水牛が現れ始めた。アクシデントから思いがけないような発見をすることができた。

50分ほどで駅に到着。周囲の人は余程外国人に見慣れないのか、やたらこちらを見ている。視線を浴びつつ駅構内に入り、1時間後の列車を待った。

ベンチで時間をつぶしていると、見知らぬ女性が声をかけてきた。何週間も会っていなくても見た目から一発でわかる、日本人だ。このインド旅行で初めて日本人に遭遇した。

30代ほどのその女性は、シルバーウィークに休暇をとってインド旅行にきたという。デリーで旅行会社と名乗る男に騙された件に始まる自分の旅について話したりして、場が和んだ。彼女は日本の旅行会社に行ってプランを組んでもらったそうで、航空券、宿、夜行列車(そこまでの送迎込み)の手配がなされていると言っていた。確かにそれはツアーとは異なるもので合理的な選択だと思うと同時に、自分の無計画さを大いに恥じた。

あれこれ話していたが、19時発の列車が来ない。待てど来るは野良犬と別の目的地に向かう列車や貨物。

22時、ついに来た。車両を探して乗り込む。どうやらこれから向かう所が大雨で運行が遅れているらしい。さあ、どうなる。

次回、    ヴァラナシ! ガンガー こと ガンジス川!


今回もお読みいただきありがとうございました。

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