見出し画像

THE 日記(9/22〜9/28)

九月二十二日
 阿佐ヶ谷の駅前で始発を待ちながらレモンティーとハンバーガーを食った。結局歩いて帰った。青い朝だった。

九月二十三日
 歯医者。俺がずっと鼻水を出してるから「花粉飛んでるよね?」と聞かれて、わかんないけど「飛んでますかね」と答えといた。「待たせてすいませんね、本当は受付の人がいるはずだったんだけど休んじゃって」と、理由を言ってくれた。この「理由を言う」ということは本当に大事だな、と思った。だからこの歯医者が好きだった。下北に行ってトロワシャンブル。短歌をいくつか書く。テキトーに書いてるつもりだったけど、大学時代ずっとアメリカ詩の研究をしていたわけだし、これは良くてこれは良くないみたいなラインは一応あるようだった。「短い歌」って言うぐらいだから大声で歌いたい文字を連ねていく意識。音楽やってる感覚に近い。小説書いてる時と全然違う。整骨院に向かって歩いていると、広告用のでっかいモニターにおじさんがカンフーみたいなのをやってる映像が流れていてそのチープさが愉快でずっと観ていたかった。首にエグい凝りがあってそこを押されて「いたたたた……」とか言った。まだ書きたいな、という気持ちがあったから代官山蔦屋のスタバに電話をかけたらやっぱりまだ二十三時閉店らしくて、山角に行ってごはんを食った。『カルテット』を観たからアジフライを食べたくなっていて、「アジフライ下さい!」と言ったら「今日終わっちゃったんですよ」と、今日終わっちゃってた。悔しい。鯖の塩焼き定食を食う。ヴィレヴァンに入った。うんちがしたくなってきて厠を探したら、「トイレないです」という貼り紙があった。帰宅。恋人はすぐに寝た。『影分身と饅頭』の続き。六万八千字。

九月二十四日
 起きて、働きに出る。働く。疲れた。笹塚駅のホームでアランの『幸福論』を読んでいた。良い本だ。救われる。

九月二十五日
 高円寺のSEIYUのエスカレーターが相変わらず地獄のようにゆっくりで今から殺されるんかと思う。
『カルテット』観終わった。何回も泣いた。

九月二十六日
 アレルギーが爆発して、起きてしまった。早めに家を出て新宿。そこら中混んでてどこにも入れない。ずっと『カルテット』の脚本を読んでいた。
 恋人とセックスをしてそのまま寝た。

九月二十七日
 起きたら朝の九時とかで、今から風呂に入る。入った。アジフライを食べたい欲求が高まっていたから、このまま家を出て山角に行ってアジフライ定食を食おうと思って、眠っている恋人に「もうすぐ出るわぁ」と声を掛けて、家を出る準備をして、寝た。起きたらもう働きに行かなきゃいけない時間で、アジフライはまた今度になった。働く。ボーナストラックがなんだか凄い盛り上がりになっている。お向かいの日記屋さん『月日』でカフェラテを買ったら、「今からフヅクエですか〜?」と聞かれて嬉しい気持ちになる。働く。秋が来たからか結構元気。閉店して、しばらく『実存主義とは何か』と『アコーディオン弾きの息子』を読んで、さぁ帰ろう、と思ったら、鍵を家に忘れてきたことに気付く。マジか、どうしよう、と思って森奈ちゃんに電話をかける。森奈ちゃんが来てくれることになった。だから今こうして日記を書いている。森奈ちゃんが来てくれた。『アボカドの固さ』がおもしろかったと言ってくれた。帰宅。寝。

九月二十八日
 十六時半から歯医者だったけど起きられなかったから延期にしてもらった。笹井賞と群像新人の〆切が近い。書く日。相変わらずアジフライが食べたいから、チャリで下北に行って、山角でアジフライ定食を食った。トロワシャンブルに行って、『影分身と饅頭』の続き。七万四千字。帰宅。ストファイ少し。なんだか頭がぼーっとしてきて、散歩している今。涼しい。笹井賞獲りたいな、とずっと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?