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THE 日記(11/17〜12/5)

十一月十七日
 なんでか忘れたけど朝方に起きていて、日本との時差だろうけど、インペリアルハルは大体この朝方ぐらいにいつも配信を始める。その通知が今日も来て、少し見てみたらカジュアルをやっていて、301のエイムが凄まじかった。IGLとしての能力の高さにばかり着目されがちだけど、ハルはエイムがやばい。当てすぎだった。日本で強いとされているプレデターの人達でも太刀打ちできそうにないぐらいのエイム力だった。

十一月二十日
 夕方に俺の家にみんな来る。本当は撮影日だったけど、台本も完全に出来ていない状態だったからキャンセルになっていた。進め方の話などをする。怒っても意味ないよ、むしろ逆効果だよ、と落合から事前に理路整然と説明されていてそれにとても納得していたので、とにかく制作に集中しようと思った。三時間か四時間ぐらいみんなで話して、今日はそれで解散になった。
 ポテサラとぺっちゃんと西上くんと高円寺の雀荘に。久しぶりの麻雀でめちゃめちゃ楽しかった。ポテサラとぺっちゃんが強いのは当然だけど、ほぼ初心者の西上くんがやたらノッていて強かった。ポテサラとぺっちゃんは守りが固くて、行ける一瞬のタイミングで無茶苦茶に来る。いつもそう。俺はどっちかというと常にガンガン行く。だからそれもApexに例えて言うと、ぺっちゃんとポテサラはSRを持っていて俺はSMGだった。性格が出るね本当に、とかそういう話をしていたらすぐにポテサラが四暗刻で上がって、「ほら〜、いっつもこう!」と負けた。
 二回戦は俺のガンガンムーブがぶっ刺さって逃げ切った。白、ホンイツ、イッツー、ドラ1、を鳴きながら作ったところが気持ち良かった。しかしぺっちゃんポテサラを相手に一位を取るのは本当に久しぶりのことで、結構嬉しい。
 太陽でラーメンを食おうとしたら混んでいたので成都に移動。ギリ開いていて、急いでもりもり食う。みんなで北口の喫煙所でタバコを吸って解散。

十一月二十一日
 夕方、俺の家にみんなが来る。Podcastの収録。そのあと落合以外のみんなで吉祥寺に。昨日もそうだけど、落合は会議や制作の場にしか居ない。それが終わったあとのブレイクタイムには全く参加せず一瞬で自宅に帰る。それを俺は結構気にしていたけど、本当にただ自宅が好きすぎるという説明を受けて、「なんだ、ただの変な奴か、帰れ帰れ」と全員が今ではわかっている。
 ぺっちゃんちにある巨大熊手を新しいのに変えるために神社に行った。雨が降っていた。このあと手巻き寿司を食べることが確定しているのにも関わらず、屋台で売っていたお好み焼きがうまそうすぎて買う。熊手屋さんとみんなで三三七拍子で手を叩き、そのビッグ熊手を持ち帰る。すぐに設置。
 手巻き寿司タイム。お好み焼きと交互に食う。どっちもうまい。俺とぺっちゃんと西上くんはビール。この、酉の市の日にぺっちゃんちで飲むビールが世界一うまくて、西上くんもずっと「いやほんまうまいわ、ほんま世界一やわ」と関西弁で何か言っていた。酉の市から干支の話になって、「おれ酉年〜」と言うと、おばあちゃんが「酉年はお金持ちになるのよ」と言ったが、ここに集まっている人の中でどう考えても俺が一番金がない。「一番ないよ」とぺっちゃんが言った。
 それからどうしてだか、昔の吉祥寺の話になって、あそこは昔釣り竿屋さんだった、とか、井の頭公園はそもそも遊泳場だった、とかおもろい話をおばあちゃんとお母さんがしてくれて、このお店がオープンした初日はチンドン屋が吉祥寺を回ってくれた、とおばあちゃんが言い、その一気に頭が何十年も前にぶっ飛ぶ感じは爽快だった。チンドン屋は肩に猿を乗せて移動するらしく、最近もたまにいるよ、とおばあちゃんは言った。「今も猿乗せてるの?」と聞くと、「今は乗せてない」と言い、更に「この前なんかはオウム乗せてたよ」と言うので「へ〜、今はオウムになったんや」と言うと、「違う。それはチンドン屋じゃない。知らない人」と、全員が笑った。「あ〜、それただの変な人や。肩にオウム乗せてたのね」と俺は言った。
  
十一月二十二日
 大雨。急いでいたせいで非常階段で転ぶ。地面から七段ぐらいのところで滑り、そのまま下まで落ちる。背中とお尻はびしょ濡れで、後頭部と右肘に激痛。動けなかった。そのまま働きに向かうものの、絶不調。どうにか乗り切る。

十一月二十三日
 階段で転んだ時に体の右側を傷めたからか、それをカバーしようとしているのか、次はなぜか首が痛い。

十一月二十四日
 夜に笹井賞の結果が発表されていた。受賞ならず。残念。少し落ち込む。でもすぐに「まあ仕方ないよね、次の書こ」と思う。結局それしかないんだから。

十一月二十五日
 働き終えて、帰宅するなりすぐApex。落合と配信する。途中ちまちまと良いプレイがいくつかあった。コメントしてくれる方がいて、そういう方が一人いてくれるだけで随分と嬉しい。しかも上手だと褒めてくれていた。

十一月二十六日
 昨日コンビニで買ったおしるこを電子レンジで温める。食う。かなり満足。おしるこの「満たされる感」は凄い。タバコを吸ってすぐに家を出て、働きに向かう。
 自転車に乗っていたおばあちゃんが車止めにペダルを引っかけて倒れた。少し躊躇ってから、「大丈夫ですか?」と声を掛けると、「起き上がれないわ」と言うので「ゆっくりで大丈夫」と応えて、自転車を持ち上げた。自転車は電動のやつで無茶苦茶に重かった。おばあちゃんも割とすぐ立ち上がった。「怪我ないですか?」「うん大丈夫」ということで、すぐにどっかに行った。

十一月二十七日
 懸命にもりもりと働き、初台から京王新線に乗るとゲボが散乱していた。隣の車両に移る。高円寺で降りて、またTWICEを聴いていた。最近は『Turn It Up』ばっかり。吉野家で牛すき鍋膳を食おうと思ったら混んでいたのでやめた。結局近所のセブンで色々買って帰宅。ビール飲む。明らかにお酒に弱くなった。すぐに酔うし、なんなら体調悪くなる。だから半分ぐらいでやめた。ぺっちゃん家で飲んだ時はあんなにうまかったのに。階段で転んだ時に出来た親指の擦り傷も全然治らない。こんなの昔は一日ぐらいで治っていた気がする。二十八歳といえど体の衰えを少し感じ始めていて、これはもっと酷くなっていくだろう。
 Apex。明け方になるとダイヤ軌道の人が増えるようで、それまで順調に盛っていたポイントが一瞬でパァ。レイスを使うようにした。バンガはやっぱり弱い。そして武器もフラトラを優先的に持つようにしたら結構勝てた。やっぱりそのゲーム内で強いと言われてる物を使うと、強い。当たり前だけど。でもどうしても、そのメインストリートを歩くことは少し美しくないと思う。

十一月二十八日
 TWICEの曲を聴く時、今誰が歌っているのかを聴き分けるのが好きで、日本のアイドルと違って二人以上が重なって歌う部分はほぼない。仕事を終えた帰りの電車で、『Turn It Up』のサビ一発目の歌声がジョンヨンだと気付く。ナヨン、ジヒョ、サナ、モモ、ミナ、の五人の歌声はかなりハッキリと判別できるが、ジョンヨン、ツウィ、ダヒョン、チェヨンの判別が難しく、特にツウィに関してはマジでわからない。ダヒョンとチェヨンは他の七人と明確に違うのはわかるんだけど、この二人での判別が難しく、どっちかわからなくなる瞬間が結構ある。そしてTWICEのサビはナヨン・ジヒョで決まってるものだと思っていたからジョンヨンがサビを歌っていることに驚いた。調べていくと、YouTubeに誰がどのパートを何秒間歌っているのかをデータ化しているチャンネルがあって、このニッチさはラブの極みだな、と思いながらその動画をたくさん観た。そして初めて気付いたけど、実はジョンヨンは色んな曲のサビを一回だけ担当していた。サビが三回ある曲だったらその最初の一回、とか。最後だけ、とか。歌が上手いのは知っていたけど、ナヨン・ジヒョのネクストバッターみたいなポジションなのか、と初めて知った。

 帰宅して、Apexをやりながらツイッターを見ていたら、新宿の雑居ビルの屋上で若者たちが四十代男性を殺したニュースが目に入る。そして初めて「トー横キッズ」という言葉を知る。歌舞伎町のTOHOシネマズの横にたむろしている若者たちのことらしく、ここの治安が激烈に悪いらしい。もともとここら辺のアパホテルかなんかで飛び降り自殺が流行っているのは知っていたけど、もうすっかり呼び方まで決まっているのか、と思った。こういうのは東京出身の若者しかなり得ないと思っていたけど、調べていくうちに出てきたホームレスをボコボコにした十五歳の少年なんかは広島出身らしく、広島から十五歳で上京してくるのも、そしてここにたむろすることになる過程も、上手く想像が出来ない。

十一月三十日
 休み。起きてすぐコントの台本を書く。仕上げて、みんなに送る。結構良いのが書けた。個人YouTubeの撮影。終わって、Apex。またもや配信しながら。最近よくやってる。なんかどうせ誰も見てないんだからガンガンやったれ、と思ってガンガンやっている。結構長時間やって、コンビニに。雨が降っていた。
 さっき撮った個人YouTubeの編集をやっていたら後半がなぜか録音できておらず、萎える。
 またもやApex。ランクをやっていて思ったけど、これ、ダイヤ絶対無理だ。フルパじゃないと無理。でもフルパでやるには同じぐらいの強さの人がいないし、みんなと時間が合わない。だから落合に早く強くなってほしい。そして改めて思ったけど、射撃訓練しっかり入ろうと。今までも入ってたけど、もっとちゃんとやる。

十二月一日
 フヅクエの会議に寝坊。三回連続。最悪。でもみんなが優しくてそれも申し訳ない。ちょうど眠りが深い時間帯なのかいつも全然起きられない。
 働き終えて自宅に帰ってくると、谷崎潤一郎を読みたい気持ちが爆発していて、全集を手に取る。タバコを吸いながら『少年』を読んでいたら、外から「ぼんっ」という爆音が聴こえてきて、「ん?」と見ると、車道のど真ん中で人がうつ伏せで倒れたまま全く動かなかった。その手前には車が止まっていて、倒れた人の周りを一台のバイクがゆらゆらと漂いながらそして止まる。あれは人と車がぶつかった音か、と思った。恐らく、バイクの後ろに乗っていた人が倒れていた。そしてその道は三車線で、一番左側の車線は工事中だった。おじさん達が大慌てで倒れた人の周りに集まり、車からはおばさんが出てきて、すぐに救急車を呼んでいた。倒れた人は全く動かない。わからないけど、多分、死んでるんじゃないか、と俺は思って、当然谷崎どころではなく、かといってじっと見つめるのも怖く、なんとなくブラインドを閉めてそわそわしていた。見てないからわからないけど、恐らく、一番右の車線を走っていた車が結構なスピードのまま左に車線変更をして、そこにはバイクがいたのか、バイクは一番左の車線を走っていて前が工事中だったから右に移動して、つまり車もバイクもかなりのスピードを出したまま真ん中の車線で衝突したのか、そうでもしない限りあんな音は出ないだろう、と思うものの推測だから何もわからない。「救急車早く来い!」と祈りながら、なんとなくプレステ4を起動する。ちらちらと外を見る。倒れた人は全く動かない。そこに昔から生えてる木の根っこみたいに物体然としていた。あまりにも一瞬すぎないか?と思った。救急車が来て、急いで運ばれて行った。
 少し前に木村くんとApexをやっている時、「最近工事多いわ〜」と言うと、年度末には予算を使い切らないといけないからそれで本当は工事しなくていい場所もいじくり回してるんだよ、と教えてもらった。それが本当なのかはわからないし、今日うちの前の道でやってる工事は必然性があるものなのかもしれないけど、それでも少し前にこの日記に書いたように、俺も一回ショベルカーが頭にぶつかりそうになったりしていて(あれ、書いたっけ)、そういう、不必要な工事で尚且つそこにはテキトー仕事しかしない人が集まっていたとしたら、と考えると謎のイラつきがあった。この工事がなかったらあのバイクは一番左の車線を走ったままで、車とぶつかることはなかった。あの人は死なずに済んだ。都民からぶんどった税金を無駄に使い切るために人が一人死んでる。いや、本当に何もわかってなくて推測でしかないんだけど、そうだとしたら、そうだとしたら、と考える。そう思ってしまう。変な怒り。
 恋人の体に四肢をがっちりと絡みつけて皮膚の柔らかさを体感していたらいつの間にか寝ていた。

十二月二日
 早めに寝たので、起きたら朝の八時で、いやいくらなんでも早すぎる。いつもだったら今から寝る時間だ。
 恋人を駅まで見送って、そのままスーパーに。テキトーに色々買い、帰宅して、洗濯機を回す。溜まった食器を洗い、メシを作る。カルダモン、白菜、青梗菜、舞茸、生姜、鶏もも肉、を入れて水をがばーっと、鶏がらスープの素をがばーっと、蓋して放置。窓を開けると冷たい空気が入ってきて、タバコを吸いながら『にけつッ‼︎』を観る。ジュニアさんがNHKスペシャルの月経の回にゲスト出演した、と話していて、生理は本当にしんどいし大変、という話を一通りしたあと、最後に「男で、今日機嫌悪いなぁ言うてる奴、死んだ方がええわ!」と言っていてそこで俺はもうUMBの決勝の観客みたいにダブルフィンガーを掲げながら「うお〜〜〜ぃ!!!」と叫んでいた。最高すぎる。そして小学校の時に女の子だけ体育館に集めるんじゃなくて男の子も集めて説明すべき、タブー扱いするんじゃなくてコンビニでも生理用ナプキンどーんと置いた方が良い、というような話をしていて最高の回だった。「(陳列場所を)肉まんと交換しましょ」と言うケンコバさんも最高だった。
 できたスープを食う。うまい。
 Apexを起動すると西上くんがいたので、二人でランクに。西上くんはもうすぐでプラチナⅢだった。え、凄、と思う。二人で結構盛る。西上くんが強え。西上くんがバイトに行ったので、一人でランクを引き続き。西上くんと盛った分をきっちり溶かす。うーん、と思う。
 昼寝。起きて、働きに。
 帰宅して風呂に浸かったらもうかなり眠い。恋人は俺のiMacを使って何か作業をしていて、「もう寝るわ、おやすみ」と言って先に寝た。珍しいことだった。それから長いこと一人で眠っていて、時計を見たら朝の七時ぐらいになっていたけど恋人がまだ羽毛布団の中に入ってこない。それで名前を叫んだ。返事はなかった。iMacの前に突っ伏して眠っている彼女の姿が、ここからは見えないけど容易に想像できた。

十二月四日
 外に出たい気分ではあるが金もないし書かなきゃいけないものがたくさんあるので、ずっと家にいる。まずはくらいくらいのコントのネタを書き上げて、みんなに送る。Apex。配信しながら。確かブチギレていた。単独行動をする味方がやたら多い。どういう魂胆なのかまるでわからない。
 ずっとApexをやっていたから一日が一瞬で終わってしまってもったいない気持ち。よくわからん。自分で選んだのに。

十二月五日
 起きてすぐ外に出る。新宿。紀伊國屋。コンラッド『密偵』、トルストイ『アンナ・カレーニナ』、保坂さんの『残響』の三冊を買う。タイムス。タバコとコーヒーでのんびり。まずは真造さんの『ひらやすみ』を読んで感動。続けて『ジェイン・エア』を読む。恋人に「遊ぼう」と連絡しようとするも、予定があることを知っていたから遠慮していたら、早めに予定が終わったらしくタイムスに来た。
 二人で俺の家に。クイズが「フジテレビオンデマンドは昔のドラマたくさん観れて良いよ」と言っていたので加入して、コンビニで買ってきたメシを食いながらHEROのシーズン2を観る。おもろい。
 落合とポテサラとぺっしと雀魂をやる。結構勝つ。三時間打って、午前三時。風呂に入りながら『密偵』を少し読む。おもろい。
 Apex。割と勝つ。

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