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THE 日記(12/17〜12/22)

十二月十七日
 早起きしてフヅクエのみんなとZOOM。おもろかった。このまま起きてようと思って、ストファイをやる。まぁまぁ勝つ。いつのまにか寝てた。夜。代々木八幡に行って、スタジオの見学。西上くんとクイズとポテサラが先に着いてて、ちょい遅刻。良い感じのスタジオだった。福包で餃子食う。うまい。フグレンでコーヒー飲む。クイズと二人で外で煙草吸ってる時に「くらいくらい公園ちゃんとコンスタントに回していったら良い感じになりそうだけど」と言われる。
 うちにみんなで行ってマリオカートとかスマブラ。ぺっしが「一回だけワードバスケットしよう」と言って、久しぶりにやったらおもろすぎて俺が何回も「もう一回」て言って始発までやってしまった。どん兵衛食って寝た。

十二月十八日
 本屋に行くたびに「日本文学」のヤ行に自分の本がないことにイラつく。
 起きたら夕方。家出て、高円寺まで歩く。やよい軒で鯖の塩焼き食って、煙草吸って、ぽえむで小説少し書く。ニューヨークのニューラジオがおもろい。
 帰る。ストファイ少し。恋人来る。二人でコンビニまで歩く。冷凍のほうれん草が売ってたからこれで土佐和え作ったらうまいんかな、と思って買う。恋人と『姉ちゃんの恋人』の続きを観る。一気に八話まで観て、もう朝の五時。三話まではなんかハッピーが過剰な印象で「しんどいな〜」という感じだったけど、四話からがっつり惹き込まれた。七話で林遣都さんが言った「今までのこと全てが彼女と出会うためだったと思えるんです」というようなえげつないパンチラインで大号泣。恋人とデートしていたら輩に絡まれて恋人が強姦されかけて、そいつらを角材で殴りまくって刑務所に二年入ることになって、そのせいで自分の父親が自殺したら、俺はもう壊れると思う。戻れないし、戻らないと思う。人じゃなくなると思う。ていうか多分殺しちゃうし。全体的に幸福感が強めに漂っているその裏に「嫌なこと」を、しかもエグい嫌なことを潜ませる技術というか、確かさ。そりゃそう描くし、そうなるよな、という納得。
 風呂。風呂上がりに換気扇の下でセブンスター吸いながら、やっぱり俺はとにかく物語が好きなんだなぁと思った。それは小説でも映画でもラジオでもいいんだけど、とにかく「おもろい話」が聴きたいし、それに触れたい。最早「語り口」みたいな表面の部分が邪魔ですらあるな、みたいな、そうなるとそれは「ト書き」になるからきっとおもろくない。なんなんだろうか。そもそも物語を人に伝える時に語り口(映画だったら映像、小説だったら文体、ラジオだったら言い方)を排除することなんか不可能だし、そうか、不可能なんだな、と気付いた。

十二月十九日
 寒すぎる。小説が全然書けない。書いたとて、しっくりきてないことが重なっていってるだけな気がする。気分が沈んでるからそうなのか、それが気分を沈ませてるのか。疲れたとか元気ないとか言う奴がダセェのはわかるけど思ったことは全部言ったり書いたりしときたいし、逆の立場だとそれ言われる方が俺は楽なので(「じゃあ休もうぜ」とか「あなたのやりたいことやろうぜ」とか対応できるし)、まぁ気色悪くて申し訳ないっすけど多分これからもずっとこんな感じなんだと思う。
 電気ストーブが欲しい。

十二月二十日
 三時間だけ寝て、木村くんが押したインターフォンの音で起きる。「ねむっ」て言いながら準備して、二人で東高円寺から吉祥寺へ。落合くんも合流して三人でぺっちゃんち。木村くんは写真を撮り続けて、俺と落合くんは店の手伝い。ポテサラが来る。みんなでずっと手伝う。屋上で干してる煎餅の生地を、くっついてるのがあったら優しく引き剥がすという任務があって、ぺっちゃんママからそれやってと頼まれる。途中、あまりにも煙草が吸いたすぎて「ちょ一回煙草吸おう」と言って、階段を上ってみんなで煙草を吸った。授業サボって保健室で森先生と話してる時みたいだった(高校の時よく授業サボって保健室で森先生と話していた。「しんちゃん」と呼ばれていた)。任務を終えて、バサラブックスと百年に行って色々本見る。ぺっちゃんちに戻ってまた手伝いながらM-1の敗者復活を観る。キュウがおもろかった。俺が『姉ちゃんの恋人』の話を熱弁していたらぺっちゃんママが料理を作りながらも俺の話を聴き込んでいたらしく、炊き込みごはんの火加減を間違えていて、なんだかハッピーな気持ちになった。恋人来る。おいしいごはんをご馳走になって、みんなでヨドバシに行く。俺が電気ストーブを買うために色々観ていたら、上の階がボードゲームとかカードゲームとかフィギュアとかを売ってるフロアで、なんか謎にめちゃめちゃテンションが上がる。そして全部の値段を見て「安っ」と思う。小学生の時とかには全部高いと思ってたけど今なら余裕で全部買える。木村くんと落合くんは帰って、残った我々でルノアールに入って煙草を吸う。アンジーの家に行ってM-1を観る。おもろいっていうか感動。俺が芸人やってたら「こんなん無理だな」と思って辞めちゃうんじゃないか。それかストレートに「俺もいつか」と思ったのか。恋人も俺もあまりにも眠くてタクシーで帰宅。すぐに寝る。

十二月二十一日
 昼ぐらいに起きて新宿。小説を書こうと思ってはいるのに全然書けない。書く気持ちに全くならない。書かなくていいのかもしれない。でも「そんなん言ってる場合じゃなくね?」という思いもある。結局なんだか長いことぼーっとして、ヨドバシで電気ストーブを買って帰宅。洗濯だけして、またぼーっと。高円寺に行く。上島珈琲で『ベルリンうわの空』を読む。おもろい。眠くなってきたから帰る。ストファイ。楽しい。結局、文字を読みも書きもせず一日が終わった。別にそれでいいのかもしれないし、それじゃダメなのかもわからない。

十二月二十二日
 母ちゃんが結構前から占いにハマっていて、「ほどほどにしときなっせ」とは言っているけど、「叶えたい夢があるなら今日中に誰かに話すと叶うよ」とLINEが来ていた。そういう占いらしい。何をどう占ったんだ。恋人に電話して「俺は群像新人賞か新潮新人賞を獲って、連載して、本たくさん出して、脚本も書いて、物語を書いて稼いだお金だけで暮らして、高円寺に一軒家建ててあなたと結婚してデカイ犬飼って暮らす」と突然の宣言。「高円寺なの?」と言われて「じゃあ国立」と言ったら「いいね」と、国立になった。俺から電話をかけることなんかほぼないから喜んでくれていた。

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