よんもじ vol.2 一句感想
vol.1に続いてvol.2を発行しました! 春の次は夏! 今回もわたしがデザインを担当しております。前回がめちゃくちゃシンプルだったので、思い切って盛りだくさんにしてみました。告知バナーに「カラー80円」とありますが両面(あるいは2枚)で120円です。すいません。いつの間に値上がりしとんねん……ビビったわ……
というわけで、そろそろ句の感想を書いていきます。デザイン担当だといち早く縦書きの句が読めるので、特権なんですよね。ふふふ。
妹に何も聞かれぬ蛍狩 西川火尖
ただの蛍狩じゃない。なにかあった。なにがあったか知らんけど。
蛍狩の幻想的な世界と「何も聞かれぬ」という現実味が絶妙にマッチしていて、妹がなにをどう思っているのかとても気になります。兄なのか姉なのかはわかりませんが、いつもは他愛ない会話をしているような仲なのかな、と思います。だからこそ「なにも聞いてこないな」って思っているんでしょうね。同時に、妹も「なにかあったんだろうな」って思っているから聞いてこないのかもしれません。ちょっと気まずい感じが好きです。
現場から蟻がしきりに運ぶもの 諸星千綾
「現場」というと、工事現場、事件現場など、なにかある場所というイメージがあります。わたしはアイドルオタクなので現場といえばライブですが、まあそれは置いといて。
この句のおもしろいところは、なにを運んでいるかわからないけれど、そこはかとなく不穏な気配がする、というところです。「しきりに運ぶもの」ってなんだ、と。蟻なら砂糖やお菓子のくずちゃうんかい、と。でも「現場」なんですよ。これは事件ですよ。
不揃いのバウムクーヘン濃紫陽花 藤田亜未
関西だとクラブハリエが有名ですが、わたしは兵庫県民(というか阪神地区在住)なのでバウムクーヘンといえばユーハイムなんですよね。いや、知らんがな。
子どもの頃は「大きいほうがいい」と言ってけんかの種になったバウムクーヘンも、大人になるとむしろ「わたしちいさいのでいいよ」なんて言ってしまう。その中で無邪気に「じゃあわたしはおおきいのもらお!」って言える大人も好きです(なんの話?)大きさがバラバラになってもけんかにならず仲良く食べる時間。梅雨の鬱陶しさをさわやかに彩る濃紫陽花がきれいです。
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最後に、夏号から「これはどうしても(景として)残したかってん!」という勢いで作ったわたしの一句を紹介しておきます。
手つかずの麩菓子選ぶ子五月来る 池田奈加
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