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第六回円錐新鋭作品賞 応募作品

 昨年も応募していた円錐新鋭作品賞。実は今年も出しました。
 今回は出したあと誤字を見つけてしまい、「急いては事を仕損じる」のド真ん中を行ってしまいました。反省も含め、今後に生かしたいと思います。
 やっぱりひとりで作っているとなにも見えなくなってくるんだなあ、と思いました。今回の一番大きな課題です。
 作品群として作ることの楽しさにはまだまだ程遠く、難しさばかり実感しますが、少しずつですが続けていきたいと思います。
 というわけで、よろしければご覧くださいませ。誤字は修正しています。

「机上」池田奈加

マスキングテープ延々と鶯
手帳からはみ出す予定蝶の昼
付箋めくるたび桜が散る仕組み
入学の子や赤ペンを買い替えて
春の雨カッターナイフの刃を折る夜
コンパスを回す呼吸のあたたかし
たんぽぽの綿毛色したインクかな
まっさらな名刺他人ぶる立春
冴返る床のクリップ青白し
春光を挟んだままの参考書
薄氷やかすれた文字で出す手紙
春めいて蛍光ペンで描く夜空
玉椿開けっぱなしのランドセル
ボールペンキャップ失くして青き踏む
水温む三角定規欠けてゆく
紅梅やファイルで隠す契約書
電卓を磨いた龍天に登った
春の夢ホワイトボード裏返す
二月尽メモにはルビのない当て字
原稿の魚尾を跨いで風光る

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