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2024年度JFOODOシンポジウム Create The Atmosphere ー日本食品の海外販路拡大に向けてー

2024年度JFOODOシンポジウム Create The Atmosphere ー日本食品の海外販路拡大に向けてー(本文2,638文字)
 
日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO、The Japan Food Product Overseas Promotion Center)は、令和6年8月2日に「2024年度JFOODOシンポジウム Create The Atmosphere ―日本食品の海外販路拡大に向けて―」と題し、日本産の農林水産物・食品の海外プロモーションに関するシンポジウムを開催しました。
今回のシンポジウムの概要を下のとおりご報告します。なお、詳細な内容については、同月20日から公開されている動画をご覧頂くことをお勧めします。
 
<開催概要>
・ テーマ: 日本食品の海外販路拡大に向けた戦略と取り組み
・ 主催者挨拶: JFOODOセンター長 小林 栄三 氏
・ 来賓挨拶: 農林水産省輸出・国際局長 森 重樹 氏、経済産業省通商政策局長 荒井 勝喜 氏
・ 講演:
1. 「食文化発信と輸出、インバウンドを融合したビジネスチャンスの創出」:  JFOODO執行役(CAO) 北川 浩伸 氏
日本食文化の発信と輸出、インバウンドを融合させたビジネスチャンスの創出、ならびに日本食品の高付加価値化と輸出拡大のための具体的な取り組みについて
2. 「コメ輸出の現状と課題」: 株式会社まいすたぁ代表取締役 齋藤 一志 氏
コメ輸出の現状と課題、ならびに輸出市場での競争力を高めるための戦略と今後の展望について
3. 「2024年度戦略的プロモーションの取り組み方針」: JFOODO執行役(COO) 中山 勇 氏
2024年度の戦略的プロモーションの取り組み方針、海外市場での日本食品の認知度向上と販路拡大のための具体的な施策について
4. 「鮮度保持技術ZEROCOから考える、世界への日本食産品輸出の可能性」: ZEROCO株式会社代表取締役社長 楠本 修二郎 氏
鮮度保持技術ZEROCOについて、世界市場における日本食品の可能性と展望について
・ 質疑応答
 
 
【講演1】食文化発信と輸出、インバウンドを融合したビジネスチャンスの創出>
北川氏はまず、日本食品の高付加価値化が重要であると強調しました。日本の食文化は世界的に高い評価を受けており、その魅力を最大限に活用することで、海外市場での競争力を高めることができると述べました。そして、具体的な取り組みとして、3つのポイントを挙げました。
◆食文化の発信: 海外での日本食イベントやフェスティバルの開催を通じて、日本食の魅力を広める
◆輸出促進: 高品質な日本食品の輸出を支援するための物流インフラの整備や、現地でのプロモーション活動を強化する
◆インバウンドの活用: 日本を訪れる外国人観光客に対して、日本食の魅力を体験してもらい、その体験を通じて帰国後も日本食品を購入する動機付けを行う
さらに、これらの取り組みを効果的に進めるためには、政府や民間企業、地域団体との連携が不可欠であること、特に、地域の特産品を活用したプロモーション活動が重要であり、地域ごとの特色を生かした戦略が求められると強調しました。
最後に、JFOODOが今後も日本食品の海外販路拡大に向けた取り組みを継続し、さらなるビジネスチャンスの創出を目指していくことを表明しました。
 
【講演2】コメ輸出の現状と課題>
まず、日本のコメ輸出の現状について説明し、「日本のコメは高品質であり、海外市場でも高い評価を受けていますが、輸出量はまだ限られている」と指摘し、その理由として、
■物流コストの高さ: 日本からの輸出には高い物流コストがかかり、価格競争力が低下する
■現地の規制: 輸出先国の規制や検疫手続きが複雑であり、輸出の障壁となっている
■ブランド認知度の不足: 日本のコメブランドがまだ十分に認知されておらず、消費者の購買意欲を引き出すのが難しい
次に、これらの課題を克服するための戦略を提案しました
◆物流の効率化: 共同配送や新しい物流ルートの開拓により、コストを削減する
◆規制対応の強化: 輸出先国の規制に対応するための専門チームを設置し、迅速な対応を図る
◆ブランドプロモーション: 海外でのプロモーション活動を強化し、日本のコメの魅力を広める
これらの取り組みを通じて、日本のコメ輸出を拡大し、海外市場での競争力を高めることができること、地域の農家や企業との連携が重要であること、そして地域ごとの特色を生かした戦略の必要性を強調して締めました。
 
【講演3】2024年度戦略的プロモーションの取り組み方針>
まずはじめに中山氏は、日本食品の海外販路拡大の重要性を強調し、そのうえで、海外市場での日本食品の認知度向上が不可欠であると述べました。そのための具体的な施策としては、
◆ターゲット市場の選定: 各国の市場特性を分析し、最も効果的なプロモーション戦略を策定する
◆ブランド構築: 日本食品のブランド価値を高めるための統一的なブランドメッセージを発信する
◆現地プロモーション: 現地での試食イベントやフェスティバルを通じて、日本食品の魅力を直接消費者に伝える
◆デジタルマーケティング: ソーシャルメディアやオンライン広告を活用し、広範な消費者層に訴求する
これらの施策を効果的に実施するためには、政府や民間企業、地域団体との連携が重要であり、地域の特産品を活用したプロモーション活動が成功の鍵であろうとしています。
JFOODOは今後も日本食品の高付加価値化と輸出拡大を目指し、戦略的なプロモーション活動を展開していくことを表明しました。これにより、日本食品の国際的な競争力を高め、持続可能な成長を実現することを目指していくとのことです。
 
【講演4】鮮度保持技術ZEROCOから考える、世界への日本食産品輸出の可能性>
楠本氏は、自社の鮮度保持技術の紹介を中心に、日本食産品の輸出可能性について講演しました。
◆ZEROCOの鮮度保持技術: ZEROCOは、食品の鮮度を長期間保持するための革新的な技術で特に生鮮食品の輸出において重要な役割を果たす
◆技術の利点と応用例: ZEROCO技術は、食品の品質を保ちながら輸送コストを削減することができ、魚介類や果物の輸出において高い効果を発揮すること、実際の導入事例、そして技術の有効性を強調しました
◆日本食産品の輸出可能性: ZEROCO技術を活用することで、日本食産品の海外市場での競争力が向上する、特に、鮮度が求められる高級食材の輸出において、大きなビジネスチャンスがあると述べ、さらなる技術開発と市場拡大の可能性を展望する
 
<シンポジウムのまとめ>
◆総括◆
シンポジウム全体を通じて、日本食品の海外販路拡大に向けた多角的なアプローチが議論されました。また、各講演者は具体的な事例や戦略を紹介し、参加者にとって有益な情報収集の機会になっています。
◆今後の展望◆
JFOODOは引き続き、日本食品の高付加価値化と輸出拡大を目指し、戦略的なプロモーション活動を展開していく予定とのことです。
 
 
 
<一次情報(動画)>
【アーカイブ配信】2024年度JFOODOシンポジウム Create The Atmosphere ―日本食品の海外販路拡大に向けて―
https://www.youtube.com/watch?v=GRy4RTVRLYU

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