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世界一お金持ちの国は?

✅ 日本経済の現状と誤解

世界一お金持ちの国は、
我が国『日本』です。

しかしながらこの答えに対して、
皆さん疑問符が浮かぶのではないでしょうか。

ご存知の通り、
「世界第3位の経済大国」
いわれてきた日本ですが、
経済力の指標となる
名目GDP・国内総生産では、
2023年よりドイツに抜かれて
4位になる見通しとなっています。

「失われた30年」という言葉が
象徴するように、
バブル崩壊が始まった1990年代の
初めから現在迄のこの30年間、
高度経済成長期、
あるいは安定成長期のような
成長がなくなり、
経済の低迷や景気の横ばいが
続いている状況です。

私たち1個人でみても、
給与は大して変わらずに、
一方で、税金や物価高など、
手元に残るお金がどんどん減り続けています。

名目賃金とともに、
実質賃金データからも
その現状を把握することができます。

なによりも私たち自身が
「豊かになった」という
実感のない1番の当事者ではないでしょうか。

▶️ 名目賃金: 賃金は通常、貨幣にて支払われますが、支払われた貨幣額で示された賃金のこと。

▶️ 実質賃金: 名目賃金に対して、物価上昇率を加味して導き出される賃金のこと。
具体的には「名目賃金÷物価上昇率」により算出します。

名目賃金と実質賃金
厚生労働省

✅ 日本の富の真実

上記を踏まえた上で、
"世界一お金持ちの国『日本』"
を解き明かしていきましょう。

通常、「お金持ちの国ランキング」
に関しては、
1人当たりGDPと、
インフレ率と
現地の商品とサービスのコストを考慮し、
その国・地域の平均生活水準を
もとに試算されます。

世界で最も裕福な国・地域ランキング2023

すると2023年のランキングでは、
1位がアイルランド、
2位がルクセンブルク、
3位にアジア地域の
シンガポールがランクインし、
日本は38位となっています。

しかしながらこのランキングでは、
様々な値が組み込まれており、
純粋に「上位の国がお金持ち」
かといえば、そうではありません。

”裕福”と表現している辺りからも、
察することができるのではないでしょうか。

『対外純資産(たいがいじゅんしさん)』
という言葉をご存知でしょうか。

日本の政府や企業、個人が外国に保有する資産から負債を差し引いたもの。
資産は政府の外貨準備高、銀行の対外融資、企業の対外投資といった額を合計。
負債としては海外勢の対日投資などがあります。
純資産が大きくなると、国として海外で稼ぐ力を示す代表的な指標である経常収支の改善につながります。

対外純資産(たいがいじゅんしさん)

要するに、
借金を除いた上で、
国が海外にどのくらい資産を有しているか
という指標になります。

2022年対外純資産ランキング上位

このランキングですが、
実は、日本は32年連続で1位なのです。

これは、戦後の私たちの先輩方による
『過去の蓄積と未来への贈与』
です。

決して、『感謝』を忘れないようにしましょう。

なお、円建てではなく、
例えば日本政府が保有する最大の有価証券である
「米国債」は米ドル建てなので、
”円安になればなるほど資産が増える”
構造になっています。

日本の対外純資産(橙の折線)の推移と内訳

そして、GDPをはじめ、
「世界第1位の経済大国」である
アメリカは、
対外純債務(たいがいじゅんさいむ)』
2,138兆円で、
世界最大の対外純債務国」となっています。

2022年対外純資産ランキング下位

つまりアメリカは、
海外からの借金が多すぎて、
資産がマイナスの状態にある
ことを示しています。

✅ 経済理解の重要性と国民の責任

こんな話を聞いたことがありませんでしょうか。

「国民1人当たりの借金は1000万円」

これはかなり誇張された数字で、
『対外純資産』のように、
私たちが有する資産が
含まれていない問題があります。

詳細は省略しますが、
資産と負債の収支バランスを計算すると、

「国民1人当たりの借金は0〜500万円程度」

が実態となっています。

以上のことを”株式会社”に例えてみると、

▶️ 株式会社”日本”
業績が堅調で安泰だけれども
人手が減りつつあるので、
派遣社員(移民)を受け入れよう

▶️ 社員”日本国民”
給与も変わらず、
退職金(年金)もどうなるかわからない
先行きが不安な状況

と表現することができるでしょう。

いかがでしょうか。

江戸時代には、
以下の言葉がありました。

「百姓は、生かさぬように、殺さぬように」

「百姓と胡麻(ごま)の油は、絞れば絞るほど出るものなり」

慶安の御触書

残念ながら、
無知は確実に搾取されます。

だから、一緒に学びましょう。

しかしながらに、
そこには学舎が必要です。

ですから、私たちがその学舎を創ります。



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